「コロナ対策の顔」としてバイデン大統領を支えてきたファウチ博士が、本年12月に国立アレルギー感染症研究所の所長を辞めると発表。武漢でのウイルス研究をめぐる疑惑があるなか、大統領を上回る給与と巨額の退職金を受け取っての退任に米国では大騒動が起こっています。(「 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 」浜田和幸)
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国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
「コロナ対策の顔」ファウチ博士、巨額退職金を受け取って退任へ
「コロナ対策の顔」としてバイデン大統領を支えてきたファウチ博士が、本年12月に国立アレルギー感染症研究所の所長を辞め、同時に大統領首席医療顧問からも身を引くと発表。アメリカでは大騒動が起こっています。
騒動の一因は、退職金の大きさです。
現在、彼は研究所の所長として46万ドルの給与を得ています。これは大統領の給与をはるかに上回る額で、430万人の公務員の中では最高額に他なりません。
しかも、コロナのお陰で、2020年から2021年の1年間だけでテレビ・ラジオ・オンライン取材などの出演回数は354回に達しています。
その他、講演やパネル討議への参加によって得られる謝金も半端ない金額となっています。
さらに言えば、ファーストレディは無給ですが、ファウチ博士の夫人はアメリカ国立衛生研究所(NIH)で医療倫理部門の責任者としてしっかり高給を受け取っています。
そして年末の退職となれば、55年にわたる公職経験から計算し、36万ドルを超える年金を受給することになり、これはアメリカ史上最高額です。
議会からは猛反発も
もちろん、長年にわたる医療貢献への評価といえる面もあるでしょう。
しかし、アメリカの議会からは猛反発も出ています。
なぜなら、ファウチ博士はコロナの発生源と目される中国の武漢ウイルス研究所との関わりが深く、アメリカの公的資金を投入して、武漢でウイルスの研究を進めていたことが明らかになっているからです。
この点を共和党のポール上院議員らは厳しく追及しています。
来る11月の中間選挙で共和党が議会での多数派となれば、いの一番にファウチ博士を証人喚問すると力を入れているほどです。
ポール上院議員に言わせれば、ファウチ博士が12月に引退すると突然言い出したのは、「共和党による追及を恐れたからに違いない」とのこと。
確かに、トランプ政権時代、ファウチ博士はトランプ大統領と感染症対策を巡って常に対立していました。その当時の怨念が根深く残っているようです。
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