■SOLIZE Holdings<5871>の今後の見通し
1. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の同社グループを取り巻く経済環境は、自動車産業の一部において不透明な状況が継続するものの、設計開発に係るサービス需要拡大のペース鈍化は底を打ち、2025年12月期第4四半期以降の回復トレンドが継続するものと予想される。
このような環境見通しの中、2026年12月期の連結業績は、売上高は前期比18.3%増の30,500百万円、営業利益は同483.4%増の500百万円、経常利益は同509.0%増の500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は300百万円(前期は36百万円の損失)と、増収増益の見通しだ。事業環境の改善傾向で、売上高は前期第4四半期から回復基調であり、国内外の自動車産業に加えて重工業、建設業、電機産業等、他の産業・市場からの増収を見込む。増収に伴って売上総利益の増益を見込むほか、体制強化費用や持株会社体制移行に伴う一時的な費用は前期に完了したことから、売上総利益の増加が販管費を上回り、営業利益を創出する見通しだ。今後は、増収による増益路線に復帰する見通しであり、弊社では業績の推移に注目したい。
2. 事業セグメント別見通し
エンジニアリング・マニュファクチャリング事業では、デジタルマニュファクチャリングのサービスプロバイダーとしてのブランド力及び技術開発力の向上を図り、国内外のエンジニアリングリソースを拡充、既存顧客との関係深化を進め収益を拡大する。
コンサルティング・エンジニアリング事業では、付加価値の高い大型プロジェクトを提供できる重点顧客にターゲットを絞り、戦略的リレーション構築を進めることで、収益の拡大を見込む。
ビジネスインキュベーション事業では、引き続き堅調なソフトウェア開発の需要に応えるべく、リソースの拡充を図り、既存事業の成長と収益化を進める。また、前期に同社グループに加わったフューレックスとのシナジーを発現させ、成長を加速する。
■中長期の成長戦略
従来領域と新規領域の掛け合わせ、M&A実施により成長を加速
1. 中長期の成長目標
同社グループは、人間の創造性と企業に求められる公益性を軸にデジタルテクノロジーを通じて様々な制約を超え、次世代の「ものづくり」「企業運営」そして「社会」を変革する担い手を目指している。そして、これまで30年以上「デジタルものづくり」というコア領域で培った実践と変革を応用することで、さらに次世代の企業運営を変えていく。最終的には社会変革を目指し、様々な社会課題の解決に企業として取り組むことを考えている。このような事業ドメインを、同社グループが持つ2つの基軸である創造性と公益性で拡大する。創業以来育んできた創造性と、上場企業として果たすべき公益性の2軸でドメインを広げ、長期の成長目標として2033年12月期には売上高1,000億円を掲げている。企業規模の拡大により、社会に貢献する企業を目指す考えだ。
目標達成に向けて、従来領域と新規領域の掛け合わせによる成長に加え、M&Aにより成長を加速する計画だ。2020年代に入り、同社グループはしっかりとした顧客基盤を背景に、創業以来続けている2つの事業にコンサルティングを加えた3つの従来領域に加え、売上の約5%を投資に回して新規領域の事業を作ることで、これまで売上高年平均成長率10~12%を達成してきた。2025年以降は、従来領域と新規領域の成長に加えて、調達資金によるM&Aも実施することで、売上高年平均成長率を20%以上に加速する計画である。
長期の成長目標実現に向けて、2025年7月には持株会社体制へ移行した。同社は持株会社となり、エンジニアリング・マニュファクチュアリング事業を承継するSOLIZE PARTNERS、コンサルティング・エンジニアリング事業を承継するSOLIZE Ureka Technology、ビジネスインキュベーション事業を承継する+81の3つの中核事業会社を新設し、フォーメーションを組んで経営を行う体制を整えた。中核事業会社は事業特性に沿った「自主自律経営」を実践して事業拡大に注力する一方、持株会社は経営戦略の策定、資源の再配分、M&A等の戦略投資などを中心とした「グループ経営」に特化する方針だ。国内・海外にある他のグループ会社は、中核会社に属する孫会社的な位置付けとなる。持株会社体制への移行と中核会社の新設は、将来的に事業規模拡大を目指すなかで、事業の特性に合わせてグループが成長するための体制づくりを目指したものである。
今後3年間(2025年12月期~2027年12月期)の業績については、2027年12月期に売上高400億円の達成を目指している。3年間の年平均成長率は20.8%となり、2021年12月期~2024年12月期の年平均成長率12.8%に比べて、非常に意欲的な目標と言える。同社では、初年度の2025年12月期は事業環境が良いことから成長に必要な投資を行う段階であると考え、持株会社体制移行に伴う管理機能の強化や採用体制の強化、投資機能の強化への投資を完了した。2026年12月期からは、売上高・売上総利益を伸ばすための成長戦略を推進する計画だ。増収による売上総利益が増加が販管費を上回り、営業利益を創出する路線に復帰することで、成長加速の段階に入る計画である。弊社では、今後の業績の推移及び事業戦略の進捗について、期待をもって注視したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
いま読まれてます
記事提供: 
元記事を読む