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なぜコロナ禍で「食べログ」は「ぐるなび」を追い抜いた?明暗分けたリスク分散と2つの妙策=シバタナオキ

コロナ以前は「食べログ(カカクコム)」が「ぐるなび」を追いかける形でしたが、最新の決算では見事に逆転しました。なぜ食べログは早期に回復できたのか。その理由について両社を比較しながら解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年2月24日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. コロナ禍で「食べログ」が「ぐるなび」よりも早期に回復できたのはなぜ?

A. 食べログは、収益源の分散により減収を最小限に抑えつつ、新規契約及びプランのグレードアップ向けのキャンペーンを実施することで、売上を構成する2つのKPI「有料加盟店数」と「ARPU」(1有料加盟店舗当たりの単価)を同時に向上させることに成功したため。

今回は「メディア企業」のコロナ禍における決算を見ていきます。その中でも飲食店予約・口コミメディアの2大サービスとして知られる「食べログ(カカクコム)」と「ぐるなび」に焦点を当てて分析していきます。

コロナ禍の両社を比較してみると、両社共に4-6月は大幅な減収となりましたが、その後、食べログの売上は前年同期比でプラスの水準に急回復しているのに対して、ぐるなびはいまだにコロナ前の水準を大きく下回っている状況です。

両社の売上を見てみると、ずっとぐるなびを追っていた食べログが、ついにぐるなびを超える結果になっています。

一見似ている両サービスにおいて、なぜこのような違いが生まれたのでしょうか?

今回の記事では、そんな「食べログ」と「ぐるなび」について深掘りしていきます。

ぐるなびと食べログ(カカクコム)の売上推移

まずは、ぐるなびと食べログ(カカクコム)の直近の売上推移を見ていきましょう。

ぐるなびは会社全体の売上、食べログについてはカカクコムの食べログ事業の売上を抜粋して図示すると、次のようになります。
※参考・画像出典:株式会社ぐるなび 2021年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2021年2月3日)
※参考・画像出典:株式会社カカクコム 決算説明資料 2021年3⽉期 3四半期(2021年2月3日)

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上図のグレーがぐるなび、オレンジが食べログです。コロナ前はぐるなびがリードしていましたが、コロナによる外出自粛の期間を経て、食べログが売上を逆転する形になりました。

コロナによるダメージが最も大きかった2020年の4-6月の下落率は食べログの方が若干小さめ、7-9月と10-12月には食べログが回復スピードで上回り、10-12月は前年同期比でプラスの水準まで成長しています。

元々の売上はぐるなびの方が優勢でしたが、コロナの自粛期間を経て、なぜこのような形勢逆転が起こったのでしょうか?

そのヒントを探るべく、まずは両社の収益構造を確認していきましょう。

Next: なぜ食べログが逆転?両者の収益構造にヒント

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