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底の見える気配がない米国市場…FOMCが恐れる1937年のできごととは?=今市太郎

19日のFOMCで今年最後の利上げを発表して以降、さらに下落を加速している米国市場。なぜ下げ止まらないのか関係者も頭を抱えるなか、その理由について考察します。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年12月21日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

世界恐慌後、金融緩和から利上げに動いた1937年のデジャブ

利上げ以来下落するNY市場に、FOMCメンバーの思いは…

1937年といいますと、本邦の個人投資家はあまりイメージが沸かない年ですが、国内ではその前年に2.26事件が起こり、まだ世界恐慌後の不景気から抜け出せない中で暗い空気が蔓延していた時期でもあります。

この時期米国は、大暴落から8年を経てかなり景気は回復途上にあり、1937年にFRBは金融恐慌後の緩和措置から一転して利上げに動いた金融市場では有名な年でもあるのです。

しかし、国債はほどなくして大幅に下落、金利は想定以上に上昇し、株価はこの1937年3月高値の194ドルからみるみる下落しはじめ、翌年の1938年3月にはとうとう50%以上下落、たった1年でその価格を半減させることとなってしまいます。

慌てたFRBは再び金融緩和政策をとりますが、その後も株式相場の下落は継続し、NYダウは1942年4月28日の92ドルまで下落、1937年高値の194ドルを回復したのは実に第二次世界大戦終結後の1945年12月8日と8年もの歳月をかけることになってしまいます。

このFRBの大失敗は、今も量的緩和政策後の引き締めが経済、とりわけ株式市場に甚大な影響を与えるという大教訓として残されており、FRB関係者は利上げで株価が下がると常にこのトラウマを引きずっており、イエレン前FRB議長も株価が下がるたびに胃が痛くなるというなんともチキンな症状に常に見舞われていたそう。

今回のFOMCの利上げ後20日のNY市場でも、想定以上に株価が下落し始めていることを恐らくかなりのFOMCメンバーは相当気にしているであろうことが容易に想像できる状況です。

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