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退職金で住宅ローン完済は無謀。「負の資産」マイホームを抱え老後破綻も=川畑明美

退職金を使って住宅ローンを完済したものの、普段の生活で借金が膨らみ老後破綻するケースが増えています。生活に必要なお金をしっかり試算せず、住宅ローン返済に充てるのは無謀です。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

住宅ローン完済よりも優先すべき退職金の使い道

以前もお伝えしたことがありますが、退職金で住宅ローンを完済したことで、老後破綻になってしまうケースがあります。
※参考:「借金地獄」に陥った再雇用60代男性、元凶となった甘い見通しとは | “残念サラリーマン”のお金相談所 – ダイヤモンド・オンライン(2021年1月11日配信)

上記の参考記事は、退職金で住宅ローンを完済しても再雇用の収入では足りず、借金が膨らんでしまった方のケースです。

住宅ローンを完済する前にやるべきことは、家計の収支を把握することです。

再雇用の収入で支出を賄えるのか?さらに、年金生活になった時に年金の範囲内で生活できるのか?

それらを試算しないで、退職金で住宅ローンを完済してしまうのは無謀な行動なのです。そして、できれば60歳の定年までに住宅ローンを完済できるよう、早くから繰上返済をしておくべきなのです。

人生で最大の買い物であるマイホームを購入する時には「貸してくれる金額」で購入するのではなく、「返済できる金額」で購入することです。

返済可能な金額を試算することが大切

「では、マイホームを購入するよりも賃貸のほうが良いのでしょうか?」と、質問される方もいます。

それは、老後も家賃を払い続けるのか、前払いするかの違いと考えてください。

年金生活に入っても、年金の中から家賃を払っていってもヤリクリできるのか。それでは不安なので、現役時代に「老後の家賃を前払いする」という考えが本当のところです。

Next: もはやマイホームは資産ではない。住宅ローン破綻を避けるために

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