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マクセル Research Memo(1):2026年3月期は営業減益も事業戦略は順調。2027年3月期は増収増益見込む

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■要約

1. 高信頼の小型電池を中心に事業を展開する電気機器メーカー
マクセル<6810>は、小型電池や粘着テープ、光学部品などを製造販売する電気機器メーカーである。エネルギー、機能性部材料、光学・システム、価値共創事業の4つのセグメントで事業を展開、エネルギーではリチウム一次電池やボタン電池、二次電池では全固体電池など各種小型電池を取り扱っている。機能性部材料では半導体製造工程用テープをはじめ、機能性材料、塗布型セパレータ、工業用ゴム製品などを、光学・システムではヘッドランプレンズなど車載光学部品や半導体DMSを、価値共創事業ではシェーバーなどイズミブランドを中心とした理美容家電や電設工具などを製造販売している。セグメント別売上構成比(2026年3月期)は、エネルギー32.8%、機能性部材料25.2%、光学・システム28.1%、価値共創事業13.9%と良好なバランスになっている。

2. 「まぜる」「ぬる」「かためる」アナログコア技術が強み
同社製品の強さの背景には、創業以来培ってきた「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」という独自のアナログコア技術がある。長年電池の材料を混ぜてきた経験による「混合分散」は、異なる大きさや硬さ、粘度の材料を均一に混ぜることができる技術である。また、表面を均一に塗布する磁気テープの技術から進化した「精密塗布」により、数ミリからナノメートル単位まで均一な厚さできれいに高速で塗ることができる。カセットテープの高精度なハーフ成形技術を起源とする「高精度成形」は、精度の高い成形部品の精密金型成形から量産までを可能にする技術である。こうした技術を単一または複合して利用することで、デジタル技術だけでは到達しえない複雑で繊細な領域のモノづくりを実現している。

3. ポートフォリオ改革などの効果で2027年3月期営業利益は回復へ
2026年3月期の業績は、売上高が129,429百万円(前期比0.3%減)、営業利益が7,891百万円(同15.3%減)と、やや厳しい決算だった。一次電池や塗布型セパレータは好調だったが、原材料である銀の価格高騰や半導体関連製品の販売回復の遅延、米国の関税措置の影響などが要因である。2027年3月期の業績予想については、売上高143,000百万円(前期比10.5%増)、営業利益10,000百万円(同26.7%増)としている。ポートフォリオ改革や半導体関連製品の販売回復などから2ケタの増収増益を見込む。なお、中東情勢の緊迫化によって高まる原油・ナフサなどの供給リスクに対して、同社は、原材料の高騰は価格反映で対応、調達不足についてはグループ間の融通や代替材料の使用でカバーする予定で、通期で影響を抑える考えだ。

4. 小型電池事業を成長ドライバーに「高信頼の小型電池領域のフロントランナー」を目指す
半導体関連製品の販売回復遅延などにより2026年3月期業績が低迷した結果、中期経営計画MEX26の最終年度である2027年3月期業績が、当初予想の定量目標に届かない見込みとなった。一方、事業戦略は順調に進捗し、財務規律を徹底して安定成長を実現している。具体的には、エネルギーで全固体電池の事業化、一次電池事業の譲受、先端技術の取り込みなどの進展があったほか、効率性向上と収益改善を目的に光学レンズユニット事業の子会社への移管やEF2(精密電気鋳造)事業のソノコム<7902>への譲渡を決定した。こうした状況を背景に、小型電池事業を成長のメインドライバーとするコーポレートバイライン「Micro batteries. Maximum impact.」を制定し、高信頼の小型電池領域において規模と先進性の両面でグローバルNo.1を目指す。

■Key Points
・アナログコア技術を背景に小型電池や塗布型セパレータなどを製造販売
・ポートフォリオ改革や半導体関連製品の販売回復などにより2027年3月期は増益予想
・中期経営計画は事業戦略が順調、高信頼の小型電池領域のグローバルNo.1を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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