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オイレス工業、過去最高売上を達成 半導体・再エネ・免制震分野への投資を推進、年間配当は95円へ増配

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2026年7月14日に発表された、オイレス工業株式会社個人投資家向け会社説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

オイレス工業はどんな会社?

坂入良和氏(以下、坂入):みなさま、こんにちは。お忙しい中、オイレス工業株式会社の個人投資家向け会社説明会をご視聴いただき、ありがとうございます。当社代表取締役社長の坂入です。

この機会を通して当社を理解していただき、魅力を感じていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

オイレス工業とはどのような会社で、何を作っている会社なのか、疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。当社は、お客さまの困りごとを革新的に解決し、お客さまとともに世界初・世界一を目指す会社です。

また、事業そのものの社会貢献度が高く、なくてはならない技術で世の中を支える会社であり、ニッチな領域をフィールドとする会社です。最後までご視聴いただき、「なるほど」と感じていただければ幸いです。

目次

本日の目次です。スライドの構成で、当社についてご理解いただける説明を目指したいと思います。

たった1つの木質軸受から、すべてが始まった

オイレス工業は、正体不明の軸受に対する創業者の探究心と挑戦意欲から始まりました。創業者の川崎宗造は、米国製の紙巻きたばこ機に木質の軸受が採用されていることを発見します。この給油を必要としない木質軸受に興味を掻き立てられた川崎は、研究を重ねた末に国内初の木質軸受を発明しました。

この木質軸受がオイレス工業の始まりです。社名の「オイレス」も「オイルレスベアリング」、「オイル」と「レス」でオイルを使用しない、または少量で使用できるベアリングを意味することから由来しています。

このようにしてスタートした当社も、2027年3月には創業75周年を迎えます。創業以来培ってきた技術やノウハウを活用しながら事業領域を広げ、現在は軸受機器事業を中心に、そこから派生した免制震を扱う構造機器事業と建築機器事業の3事業を展開しています。

会社概要

会社概要についてご説明します。当社の経営理念は「オイルレスベアリングの総合メーカーとして世界のリーダーとなり、技術で社会に貢献する」と定めています。これは、1994年に東証二部上場時に設定されたもので、創業以来の「技術で社会に貢献する」という考えに基づいています。

また、グローバル化を念頭に置き、摩擦・摩耗・潤滑といった関連分野における総合メーカーとして社会の公器となり成長する考えの下で定められました。この理念の下、日々の事業活動を行っています。

創業は1952年で、来年2027年3月に75周年を迎えます。本社は神奈川県藤沢市に所在します。もともとは東京都港区に登記簿上の本店を置いていましたが、東日本大震災を機に、本社機能を研究開発拠点として設けていた藤沢事業所に移転しました。

さらに2023年には、登記簿上の本店も藤沢とする定款変更を行い、名実ともに機能を集約しました。従業員数は、連結で2,600名です。連結子会社は国内8社、海外7社の合計15社となっています。

1997年に東証一部に上場し、創立70周年を迎えた2022年にはプライム市場へ移行しました。2025年度の売上高は689億円と過去最高を記録し、営業利益率は10.1パーセント、海外での売上高比率は全体の39パーセントとなっています。

自己資本比率は80.6パーセントと高い水準を維持しており、安定した財務基盤を有しています。この強固な財務基盤を活用しながら、研究開発や設備投資など将来に向けた成長投資を継続し、技術を通じて社会課題の解決に貢献しています。

グローバルネットワーク

国内外の拠点についてです。国内では、軸受を生産する工場が藤沢、滋賀、大分にあり、免制震関連は栃木県足利市にあります。営業所は、札幌から九州まで全国の主要都市に展開しています。海外では、北米、欧州はドイツとチェコ、アジアでは中国に2拠点、タイ、インドに生産工場があります。

自動車向け軸受を中心に、現地メーカー向けに製造・販売を行っています。また、国内には販売と製造の子会社もございます。海外での売上高比率は39パーセントとなっています。海外進出を果たしている日系メーカーだけでなく、現地メーカーへの納入も行っています。

業績推移

業績の推移についてです。コロナ禍以降、着実に売上を伸ばしており、昨年度の2025年度は過去最高の売上高を記録しました。営業利益も売上高の増加に伴い、安定した利益を上げています。2026年度の予想では、売上高は過去最高の723億円、営業利益は71億5,000万円を計画しています。

事業紹介

当社は、軸受機器事業、構造機器事業、建築機器事業を主な事業として展開しています。軸受機器事業は、売上高の73パーセントを占めており、自動車向け以外の一般軸受機器と自動車軸受機器に分類されます。

それぞれの売上高構成については、スライドをご覧のとおりであり、各事業内容については後ほどご説明します。

コア技術

これら3つの事業を支えるのが、当社のコア技術です。当社のコア技術には、摩擦を科学する技術であるトライボロジーと、揺れをコントロールする技術であるダンピングがあり、これらが研究開発型企業としての中核となっています。

トライボロジーは聞き慣れない言葉かもしれませんが、摩擦や摩耗、さらにはそれらを低減するための潤滑を対象とする科学と技術を指します。当社は、トライボロジーを極めることで、主力製品である軸受の研究開発を通じて、動力のエネルギーロスを低減するなど、社会に貢献しています。

ダンピングは、外部からの振動やエネルギーを吸収し、その動きを減少させる技術です。この技術は免震・制震装置に応用されており、当社の免震・制震装置で地震エネルギーを吸収し、ダンピングすることで、建物やインフラを守り、みなさまに安心・安全を提供しています。

これらのコア技術を活用することでお客さまの課題を解決し、お客さまの製品価値を高めることによって、お客さまとともに世界初・世界一を目指しています。

この考え方は、当社の技術や製品自体が世界初・世界一になることを目指すのではなく、お客さまの技術や製品が当社の技術を通じて世界初・世界一になることを目的としたものです。当社の技術でお客さまを世界初・世界一に押し上げるという理念に基づいています。

さらに、これらコア技術の追求を進めるため、売上高の4パーセントから5パーセント程度を研究開発費として投じています。業界的にも比較的高水準ではないかと思いますが、引き続き技術力を磨いていきます。

事業展開

今までご紹介してきた、一見関連がなさそうに見える3つの事業ですが、冒頭でご説明した木質軸受からすべてが始まっています。木質の軸受は、その使用用途や使用環境に応じて金属製や樹脂製、金属素材に樹脂をコーティングした複層軸受へと発展しました。

高度経済成長期には、東海道新幹線の橋梁において、橋の伸縮を逃がすためにベアリングプレートが採用されたのをきっかけに、橋の落橋を防止するストッパー装置や建物を地震から守る免震装置を開発し、構造機器事業へと発展しました。

自動車向けに採用されていたコントロールケーブルは、樹脂製チューブの中を金属製ワイヤーが滑る仕組みで、身近な例では自転車のブレーキワイヤーが挙げられます。この技術を応用し、手の届かない高窓を開閉する技術を開発することで、火災時の排煙や換気装置を扱う建築機器事業へと発展してきました。

このように一見異なるように見える事業も、その根底には、摩擦を制御する技術や動きを伝え、支える技術といった共通の技術基盤があります。当社は、こうしたコア技術を活かしながら、社会課題の解決につながる新たな分野へ事業領域を広げてきました。

事業展開

当社の技術・製品は、社会のさまざまな場面でご採用いただいています。

一般軸受機器事業においては、掃除機や食洗機などご家庭で使用される身近な製品から、風力発電や水力発電など社会インフラを支える大規模な設備まで、幅広い用途でご利用いただいています。

自動車軸受機器事業では、走る、曲がる、止まるという自動車の基本性能から快適性、安全性に関わる機能を、当社の高い品質で支えています。

免震・制震の構造事業では、鉄道や高速道路の橋梁、高層ビル、物流倉庫などに当社の免震・制震装置が採用されており、社会インフラおよびみなさまの生活を地震の被害から守っています。

当社の製品は、みなさまの目に触れる機会は少ないものの、社会にとってなくてはならない存在であり、非常に社会貢献性の高い事業であると自負しています。

すべての起点となる「軸受」

先ほどお話ししました軸受について簡単にご説明します。軸受は英語でいう「ベアリング」で、回転や往復運動をする機械の軸を支え、その動きをなめらかにする機械部品です。

「機械産業のコメ」と称されるほど、動くものには欠かせない部品であり、内部に玉やころを備えた転がり軸受と、軸が内部で滑るすべり軸受に大別されます。軸受があることで摩擦が減り、動力のエネルギーロスが抑えられるため、消費電力の低減などにつながります。

当社が製造する軸受はすべり軸受で、軸受自体に油や潤滑成分を含ませたり埋め込んだりすることで、給油を必要としない、または給油回数を減らせるメンテナンスフリーのオイルレスベアリングとなっています。

世界のモノづくりを支える – 一般軸受 –

各事業についてご説明します。一般軸受機器事業では、家電製品からインフラまで幅広い産業を対象としており、プラスチック製の樹脂軸受、金属素材に樹脂をコーティングした複層軸受、金属製の軸受など、その用途や使用環境に応じた材料を揃えています。

当社は軸受メーカーですが、材料を自社で開発している点も大きな特徴です。つまり、軸受メーカーであると同時に材料メーカーでもあると考えています。

他社と比較した際の当社の強みは、100種類以上の材質を取り揃え、多様なラインアップでお客さまのニーズに応じた最適なご提案ができる点です。油を必要としない水中軸受は環境負荷が小さく、水中という過酷な環境下において水力発電などの再生可能エネルギー分野で採用されています。

また、摩擦がほぼないエアベアリングは、高速回転する工作機械や、高精度な位置決めが求められる半導体製造装置での採用が増えています。

次世代モビリティを支える – 自動車軸受 –

自動車軸受事業では、シャシー系、排気系、内装系など、1台あたり20種類から30種類程度が採用されています。多い場合では、1台あたり100個以上採用されるケースもあります。

摩擦の低減や軽量化、小型化により、燃費の向上、運転フィーリングや乗り心地の向上、さらには軽量化に貢献しています。また、国内の全自動車メーカーや海外の主要メーカーに対して、直接、もしくはティア1メーカーを通じて間接的に採用されています。

ハイブリッド車や電気自動車などの電動車向けについては、既存製品の継続採用に加え、低摩擦や軽量化による航続距離向上や静粛性向上に当社の軸受が貢献しています。このため、EV化の進展は当社にとってビジネスチャンスと捉えており、当社のすべり軸受の強みを自動車領域でさらに活かしていけると考えています。

現在はガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車が混在する市場環境ですが、当社の軸受は幅広い車種で採用されているため、自動車の電動化が進む中でも引き続き需要が見込まれています。

人とインフラを災害から守る – 構造機器 –

構造機器事業では、橋梁向けおよび建物向けの免震・制震装置を提供しています。橋梁においては、橋の伸縮への対応や地震・風による揺れからの保護に加え、落橋防止を実現しており、これまでに3,700橋を超える実績があります。

建物向けでは、病院や庁舎など地震災害時の拠点となる建物、タワーマンションの風揺れ対策、さらには物流の拠点となるロジスティクスセンターやデータセンターなどにおいて、2,000棟以上の実績を持っています。

また、インフラ老朽化に伴う更新や補修需要、インターネットが社会基盤となることで増加するデータセンター需要などに対応し、地震大国である日本において免震・制震のパイオニアとして、人々の命や安全を守る重要な役割を果たしています。

ただし、免震・制震装置の効果は、言葉だけでは伝わりにくい部分があります。そのため、2024年4月に台湾で発生した花蓮地震の際の映像をご覧ください。この動画では、免震装置が設置された建物と室内の様子を比較しています。

(動画流れる)

ご覧いただいたように、免震装置は揺れを吸収することで、建物だけでなく、その中で生活する人々や設備、データなど、重要な資産を守ることができます。

安全で快適な建物をつくる – 建築機器 –

建築機器事業では、火災時に煙を迅速に排出するための窓の開閉装置「ウィンドウオペレーター」が主力製品となっており、近年では換気需要の高まりも相まって、需要が拡大しています。

冷暖房の効率化や居住快適性のニーズに応えるため、当社では自然換気装置や、日射熱を遮り防犯効果も高い外付けブラインドなどを取り扱っています。この事業は、当社の子会社であるオイレスECO株式会社が担当し、BtoBとBtoCの両方のビジネスを扱う唯一の事業です。

また、製品の動きや効果については、言葉だけでは伝わりにくい部分もありますので、排煙・換気用窓開閉装置「ウィンドウオペレーター」の動作映像をご覧いただきたいと思います。

(動画流れる)

ご覧いただいたように、窓の開閉によって、火災時には煙を素早く排出し、平常時には自然換気によって快適な空間を作ることができます。

事業そのものがサステナビリティ

ご説明したとおり、軸受機器事業では摩擦や摩耗を低減することで作業負荷の軽減やCO2削減につながり、構造機器事業では地震リスクから人々の生活を守り、安心・安全を提供します。

また、建築機器事業では省エネ化や快適性を提供するなど、当社の事業活動そのものが社会課題の解決に直結し、持続可能な社会の実現に貢献できる事業です。

オイレスの強み・独自性

すべり軸受の技術から発展してきた当社が有する強みと独自性についてもご紹介します。

強み · 独自性 ①市場創造型企業

1つ目は、創業者精神を今でも受け継ぎ、市場創造型企業として、社会課題やお客さまの課題をともに解決することが、当社の役割だと考えています。必要であれば新たな材料開発を行い、お客さまの製品をNo.1にするために貢献します。

従来の性能に加えて新しい価値を提供することで新たな市場を創造する一例として、植物由来の原料を使用した「オイレス バイオライト」があります。「オイレス バイオライト」は、サトウキビやトウゴマといった植物由来の原料を活用した軸受材料です。高い軸受性能に加え、環境配慮という新しい価値を提供しています。

製品ライフサイクル全体で従来品と比較すると、CO2排出量を最大64パーセント削減することが可能で、環境負荷の低減に貢献しています。このように、性能と環境価値を両立させることで、軸受の新しい市場を創造しています。

強み · 独自性 ②事業ポートフォリオ

2つ目は、資本がどこにも属さない独立系メーカーであることです。これにより、世界各地の自動車メーカーや産業機器メーカー、さらにエネルギー・インフラ関係や建設など、幅広い事業分野で貢献することが可能です。

軸受機器では、環境負荷低減に寄与し、免制震では地震などの災害から社会インフラの維持や人の命、財産を守る役割を果たしています。

建築機器では、安全で快適な生活に貢献する製品を提供するなど、各事業そのものが高い社会貢献性を有しており、多種多様な成長産業を当社の事業領域としています。

また、特定の業界に依存することなく、自動車、半導体、産業機器、インフラ、建築など、複数の成長産業と幅広く接点を持ち、それぞれの事業が相互に補完することで、安定した事業基盤を形成しています。

強み · 独自性 ③コア技術

3つ目は、先ほどご説明したコア技術に関する内容です。摩擦・摩耗・潤滑のトライボロジー技術と、振動制御であるダンピング技術をコア技術とし、売上高の4パーセントから5パーセントを研究開発費に投入しています。

このように日々コア技術を磨きながら、将来の成長に向けて資本を投下しています。また、これらの技術や製品は目にする機会は少ないものの、これがなければモノが動かなかったり、安全が確保されなかったりと、当たり前の日常を築けているのも、我々の技術があってこそだと思います。

当社のビジネスは、特定の分野や専門性の高い領域に属すると考えています。今後もニッチな領域において、技術で社会に貢献できるよう努めていきたいと考えています。

強み · 独自性 ④人材

4つ目は、こうした技術やノウハウが「技術で社会に貢献する」という経営理念のもとで当社の従業員によって生み出され、それによって実現しているという点です。

また、当社には独特な営業手法として、テクニカルダイレクトセールス(TDS)、営業研究(EK)など、営業、技術、生産部門が三位一体となり、お客さまの困りごとに寄り添って最適な提案を行います。

先ほどもご説明したとおり、お客さまの技術や製品を世界初・世界一にすることを目指し、課題を解決してきた伝統があります。このように、当社の企業価値そのものを高めているのは「人」であり、成長の源泉である人材教育にも力を入れています。

中期経営計画 進捗状況

当社は、2024年に長期ビジョン「OILES 2030 VISION」を「サステナブルな社会の実現を、摩擦・摩耗・振動の技術+Xで貢献する」として設定しました。

経営目標達成のため、この3年間において、成長への投資、自動化やデジタル化による生産性の向上、株主さまや従業員を含むすべてのステークホルダーに貢献できる企業価値の向上、さらにバランスシートマネジメントを含めた資本効率を意識した経営を注力すべき方針として掲げ、活動しています。

中期経営計画の最終年となる今年度も、数値目標の達成はもちろんのこと、2030年およびそれ以降に向けた新たな成長に向けて、新技術や新規事業の創出に取り組んでいます。

2030年度には、営業利益率15パーセント以上、ROE10パーセント以上を目標に掲げ、現中期経営計画では基盤整備の3年間として推進しています。

キャピタルアロケーション

現中期経営計画の3ヶ年キャピタルアロケーションについてご説明します。

この3ヶ年で創出された純利益、減価償却費、政策保有株式縮減によるキャッシュインを、半導体や再生可能エネルギーといった成長分野、自動車産業を中心とする成長市場であるインド市場、さらにインフラリニューアル需要が期待される免制震分野などへ、成長投資を優先的に配分しています。

また、配当や自社株式取得、優待制度などを通じて株主還元の強化も図っています。次世代の飛躍的成長を実現するために、成長分野や成長市場へ経営資源を投入し、経営目標の達成を目指します。

環境目標

サステナビリティ課題である環境への取り組みについて、目標達成までのステップを2段階に分けています。

第1ステップでは、2030年度までにCO2総排出量を2013年度比で46パーセント削減するという従来の目標を掲げています。第2ステップでは、当企業グループ全体で2050年のカーボンニュートラル実現を目指す目標を定めています。

2025年度の海外を含めたグループ全体のCO2総排出量は、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの導入やガス使用量の削減によって、前年度比約5パーセントの削減が見込まれます。

また、当社の事業自体が環境に配慮した製品を提供していることを踏まえ、サステナブルな社会の実現に向けて貢献できるよう、当社グループのCO2排出削減目標の達成に向けて継続的に取り組んでいきます。

社会 · 地域貢献

社会や地域への貢献については、本社のある神奈川県藤沢市をはじめ、各工場が所在する地域や世界各地の拠点において、地域のみなさまやすべてのステークホルダーのみなさまにさまざまなかたちで貢献し、企業価値向上に努めています。

また、各拠点では地域とのつながりを大切にし、人材育成や環境保全活動など、それぞれの地域に根ざした活動を継続しており、地域社会とともに成長する企業を目指しています。

株主還元

株主還元方針について、2024年度に見直しました。「安定的かつ継続的な配当を基本とし、40パーセント以上の連結配当性向を目指す。自己株式の取得についても長期的な成長のための内部留保を総合的に勘案し、市場動向を踏まえ機動的な対応を検討する」としました。

2026年度は前年より10円増配し、年間配当95円、配当性向54.8パーセントを予定しています。自己株式取得については、すでに発表しているとおり25億円を実施し、総還元性向104.3パーセントを予想しています。

次世代に向けた成長投資を優先しながら、株主還元も強化していきます。

株価は2020年比で約2倍に成長

スライドは、2020年からの株価推移を示しています。コロナ禍からの回復と事業成長により、株価は2020年の約2倍に成長しました。株価を意識した経営を推進することは、株主や投資家のみなさまの期待に応えることにもつながるため、今後もその姿勢を継続していきます。

株主優待

当社は株主還元の一環として、株主のみなさまへの感謝の意を示すことで当社株式への投資魅力を高め、中長期的に保有いただける株主さまの増加を図ることを目的に、株主優待制度を導入しています。

保有する株式数が300株以上の場合にポイントが付与され、「オイレス工業プレミアム優待倶楽部」でお好きな商品と交換することができます。この9月末より、権利確定を年2回へ拡充し、株主さまへのメリットを向上しました。

まずは株主優待に興味を持っていただき、当社に関心を抱いていただくことでも構いません。株主優待をきっかけに、当社の事業や経営方針に共感や関心を持っていただくことで、中長期的に応援いただけるファン株主の醸成にも取り組んでいきます。

(オススメ)株主優待

この3月末の株主優待では、当社従業員の提案により制作された公式キャラクター「オスビー」をプリントしたトートバッグなども交換商品としてご用意しています。ぜひ交換をご検討ください。

企業認知向上に向けた広告展開

ここ数年は、企業認知の向上にも注力しています。当社はBtoBを主とした企業であり、ふだんはなかなか目にすることがない製品を扱っているため、認知度の向上が課題となっています。

これまでも専門誌などに製品広告を掲載していましたが、製品や技術だけではなく、オイレス工業という企業を知っていただくために、新聞、雑誌、テレビなどの媒体を通じて、学生や個人投資家のみなさまに当社の事業活動が社会を支えていることを伝え、当社に興味を持っていただけるような広告を積極的に展開しています。

また、この活動は従業員エンゲージメントの向上にもつながっており、社内外でのコミュニケーション活動にも効果を発揮していると感じています。

オイレス工業はどんな会社?

以上が私からのご説明となります。冒頭でご説明した「オイレス工業はどんな会社?」について、十分にご理解いただけましたでしょうか。

なかなか目にすることが難しい技術や製品を扱っているため認知されにくいですが、オイレス工業はその事業活動を通じて、社会やみなさまの生活を今後も支えていきます。

質疑応答:5年後の成長ビジョンと目標について

司会者:「経営陣が考える5年後のオイレス工業の姿はどのようなものですか?」というご質問です。

坂入:私たちの目指すところは、単に規模を追求する会社ではなく、独自の摩擦・摩耗・振動の技術を通じて社会課題の解決に貢献しながら成長する会社です。

半導体製造装置、再生可能エネルギー、インフラといった成長分野で存在感を高めるとともに、インドをはじめとした海外展開や新規事業の創出に挑戦していきます。

また、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、お客さまや株主のみなさまから、さらに信頼される企業となることを目指しています。

質疑応答:中国市場における事業展開と成長戦略について

司会者:「中国事業の現状と今後の見通しを教えてください」というご質問です。

坂入:中国は当社にとって重要な市場の1つです。足元では景気減速や自動車市場を取り巻く環境変化などがあり、決して楽観できる状況ではないと認識しています。

そのような環境下においても、自動車軸受事業では、顧客層の多様化を背景に中国現地メーカー向け、特に新エネルギー車向けを中心に採用が拡大しています。また、一般軸受機器事業においても、半導体製造装置など成長分野向けの需要を取り込んでいます。

今後も中国市場の変化を注視しつつ、現地のお客さまとの取引拡大や高付加価値製品の拡販を進めることで、中国事業の持続的な成長につなげていきたいと考えています。

質疑応答:半導体製造装置市場の現状と今後の展望について

司会者:「御社の半導体装置向け軸受の受注動向と、今後の拡充の見通しについて教えてください」というご質問です。

坂入:半導体製造装置市場は、AIやデータセンター需要の拡大を背景に、中長期的な成長が期待できる市場です。当社にとっても重要な成長分野の1つであり、現在は国内および中国向け需要が堅調に推移しています。

また、当社の独自製品である「オイレスエアスピンドル」の採用も進んでいます。高精度・高付加価値分野での展開拡大を進めているところです。

市場環境には一部不透明感もありますが、今後も「オイレスエアベアリング」や「オイレスエアスピンドル」などの製品を軸に、半導体関連分野での存在感を高めていきたいと考えています。

質疑応答:自動車の電動化と対応方針について

司会者:「自動車の電動化が進む中、御社の製品需要にも変化があると思われますが、車体の軽量化ニーズに対し、樹脂軸受などは強みがあると感じます。EV化によって需要がなくなる部品やその活用方法、新たに求められる機能について、どのように整理対応されていますか?」というご質問です。

坂入:自動車の電動化は、当社にとってリスクと機会の両面があると認識しています。一般的に電動化が進むとエンジン関連部品の一部は需要が減少する可能性があります。

一方で、車両の電動化や高性能化に伴い、軽量化、省スペース化、静粛性向上、長寿命化といった新たなニーズが高まっています。当社の軸受は金属部品に比べて軽量であり、潤滑油を必要としないためメンテナンス負荷の低減にも貢献できます。

また、低摩擦や低騒音といった特性も有しており、EV時代の要求に適した製品であると考えています。当社は、電気自動車向けだけでなく、自動車の電動化を含むモビリティ市場全体の変化への対応を方針としています。

足元では、中国の新エネルギー車向けの売上が拡大しているほか、中国やインドにおける非日系自動車メーカー向けの採用も広がっています。自動車軸受事業は、2027年3月期においても増収増益を見込んでおり、電動化の進展を成長機会として取り込んでいます。

今後はサスペンションや車体周辺など、内燃機関およびEVを問わず必要とされる領域に加え、電動化による軽量化や静粛性向上のニーズに対応した製品開発を進めています。

質疑応答:ホルムズ海峡の状況が事業に及ぼす影響について

司会者:「ホルムズ海峡を巡る一連の問題において、御社の業績に与える影響についてお聞きしたいです」というご質問です。

坂入:ホルムズ海峡は、世界のエネルギー輸送における重要な航路です。その情勢次第では、原油価格や物流コストの上昇を通じて、世界経済全体に影響を与える可能性があります。当社としても、中東情勢を含む地政学リスクについては継続的に注視しています。

一方で、当社は日本だけでなく、北米、欧州、中国、タイ、インドなどで生産販売拠点を展開し、現地生産および現地販売を基本とした事業運営を各地域で行っています。

そのため、事業活動は比較的地域ごとに完結した形となっており、物流網への影響は一定程度抑えられるものと考えています。

また、原材料価格や物流費の変動については、調達先の多様化や生産・供給体制の最適化を通じて、影響の低減に努めています。

現時点で当社業績への重大な影響が発生している状況ではありませんが、世界情勢の変化を引き続き注視しながら、事業継続の確保と安定供給に努めていきます。

質疑応答:構造機器事業の需要動向と成長戦略について

司会者:「御社が高いシェアと多数の特許を有する免震・制震装置の受注動向と今後の見通しについて教えてください」というご質問です。

坂入:足元では、橋梁向けの鉄道・道路案件や都市再開発、物流施設など、建築分野の需要を着実に取り込んでいます。一方で、2026年3月期は、橋梁案件の一部期ずれや性能試験設備の不具合などの影響により、中期経営計画を下回る結果となりました。

今後については、国土強靭化や橋梁の老朽化に伴う耐震補強や補修需要の拡大を重要な成長機会と捉えています。

建築分野では、新築市場の縮小の影響を受けるものの、都市再開発や物流施設、データセンターといった案件に加え、既存建築物の耐震・制震化ニーズの取り込みを進めていきます。

当社は、長年培ってきた免震・制震技術と豊富な知的財産を強みとし、防災・減災やインフラの長寿命化に貢献するとともに、構造機器事業のさらなる成長につなげていきたいと考えています。

質疑応答:新規事業創出に関する取り組みについて

司会者:「2026年3月期の決算説明資料について、スライド24ページにある新規事業創出活動について、アップデート情報があれば教えてください」という質問です。

坂入:当社では、中期経営計画の重点テーマの1つとして、新規事業創出に継続的に取り組んでいます。長年培ってきた摩擦・摩耗・振動に関する技術や知的財産を活用し、新たな事業機会の探索を進めています。

現時点で具体的に公表できる案件はありませんが、将来の成長につながるテーマについて検討を続けており、事業化の見通しが立った段階で適切に開示していきます。

質疑応答:グローバル市場における成長戦略と地域別展開について

司会者:「売上高に占める海外比率のさらなる向上に向けて、特に注力している地域はどこでしょうか? 中国経済の減速や地政学リスクを踏まえ、海外展開のリスク管理をどのように行っていますか?」というご質問です。

坂入:当社はグローバルに事業を展開していますが、今後の成長市場として特に注力している地域の1つがインドです。

インドは人口増加や経済成長に加え、自動車産業やインフラ投資の拡大が期待されており、当社の強みである「トライボロジー&ダンピング」を活かせる市場として大きな可能性があると考えています。

2011年にはインド現地法人を設立し、現在はさらなる需要拡大を見据えて第2工場の建設を進めており、中長期的な成長に向けた事業基盤の強化を図っています。一方、中国も引き続き重要な市場ですが、中国経済の減速や地政学リスクなど、事業環境の変化に十分注意を払っています。

当社は各地域で現地生産・現地販売を基本とした事業運営を行い、日本、北米、欧州、中国、タイ、インドなど、それぞれの市場でお客さまの需要を取り込んでいます。

また、各地域の市場環境や規制動向を継続的にモニタリングすることで、生産販売体制やサプライチェーンの最適化を進め、リスクを適切に管理しながら持続的な成長を目指します。

質疑応答:今後の人材採用・育成について

司会者:「人材採用の戦略について教えてください。どのような人材を採用していくのですか?」というご質問です。

坂入:当社は、「技術で社会に貢献する」という経営理念の実現に向けて、人材を最も重要な経営資源の1つと考えています。

採用においては、専門知識やスキルだけではなく、当社の理念や価値観に共感し、自ら行動できる人材を重視しています。特に、変化を前向きに捉え、創意工夫を重ねながら新しい価値を生み出せる人材を求めています。

今後は、研究開発人材をはじめ、グローバルに活躍できる人材やDX・デジタル分野の知見を持つ人材など、多様な人材の確保と育成に取り組み、持続的な成長につなげていきたいと考えています。

質疑応答:ROEやPBR向上に向けた資本効率重視の経営方針について

司会者:「ROEやPBRの向上に向けて、今後の資本政策をどのように考えていますか? 自己株式取得や増配など、株主還元の強化について、中長期的な方針をお聞かせください」というご質問です。

坂入:当社はROEやPBRの向上に向けて、資本効率を意識した経営を重要課題の1つと位置付けています。そのため、創出したキャッシュを成長投資と株主還元の双方にバランスよく配分する方針です。

成長投資に関しては、インド第2工場の建設、構造機器事業の試験設備増強に加え、半導体や再生可能エネルギーといった成長分野への投資を進めています。これらの投資を通じて収益力を高め、ROEの向上を目指したいと考えています。

株主還元については、2024年度に方針を見直し、安定的かつ継続的な配当を基本とし、連結配当性向40パーセント以上を目指す方針です。自己株式取得については機動的に行う方針であり、2027年3月期には年間95円の配当と25億円の自己株式取得を予定しています。

今後も成長投資による企業価値の向上と株主還元の強化を両立させ、ROEやPBRの改善につなげていきたいと考えています。

坂入氏からのご挨拶

坂入:「技術で社会に貢献する」の理念のもと、グループ従業員一丸となってがんばっていきますので、これからもご支援よろしくお願いします。

また、本日の資料の後半にはAppendixとして個人投資家のみなさま向けの参考情報も掲載しています。後ほどご覧いただければ幸いです。長時間のご視聴、誠にありがとうございました。

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