「自社株買い」という言葉を聞くことがあると思いますが、なぜ実行すると株価が上がるのでしょうか? その仕組みから企業発表の読み解き方までを解説します。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
株式投資の基本の「き」。自社株買いの効果とニュースの読み方
自社株買いでどうして株価が上がるのか?
株式投資をしていると「自社株買い」という言葉を聞くことがあると思います。
企業のホームページの投資家の皆様へというページで「自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ」などを目にした人もいるのではないでしょうか?
自社株買いとは、上場企業が自らの資金を使って、株式市場から自社の株式を買い戻すことです。
企業が取得した自社株は、「金庫株」として株式のまま保有されます。その後「自社株消却」と言って株を消却してしまうこともあります。
すると発行済みの株が少なくなりますよね? 発行済みの株が少なくなれば、1株当たりの株価は高くなります。
利益 ÷ 株数 = 1株当たりの利益 で考えてみましょう。
「10 ÷ 10 = 1」だったものが、発行済み株を自社株買いで半減させると、
「10 ÷ 5 = 2」になります。
1株当たりの利益の増加として、自社の利益を株主に支払うという意味になるのです。
自社株買いのニュースを読むポイント
株価が急落した時に自社株買いをして、投資家が離れるのを回避するケースもありますね。また、業績悪化して「下方修正」を発表する時に、株主へのお詫びとして自社株買いを発表することもあります。
株式市場で株主重視の姿勢がより求められるようになってきたからです。
また株価だけでなく、配当金を分配する時も、分母が少なくなるので分配率が上がります。株式投資の指標「配当性向」が上がります。
自社株買いの情報を事前に知ることは難しいですが、自社株買いのリリースが出たら、
- どのくらいの株を買うのか
- 自社株買いをする期間はどのくらいなのか
- 株式の取得方法はどうするのか
ここに注目してみましょう。
自社株買いの期間が長いとすれば、「長期的なリターンを充実させた経営を行っている」と、アピールしていると考えられますね。
株式投資をはじめると見る資料が増えますが、楽しみながらできるといいですね!
『教育貧困にならないために』(2018年2月2日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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