株の予測は、本当は一人で行うよりも、多くの人が意見を出し合って、様々な批判の中で予測していった方が精度が高まることが、すでに証明されています。そして何より大事なのは、予測するときに「フェルミ推定」を使うということです。(『バフェットの眼(無料)』八木翼)
不確実な未来を常識と論理で見通す。問題を分解して考えよう
フェルミ推定とは何か?
株の予測というのは、本当は一人で行うよりも、多くの人が意見を出し合って、様々な批判の中で予測していった方が予測の精度が高まることが、すでに証明されています。そして、何より大事なのは、予測するときに「フェルミ推定」を使うということです。
フェルミ推定とは、問題を分解して考える能力です。有名な問題の一つに、次の問題があります。
「静岡には何人のピアノの調律師がいるのか?」
この問いを受けた時に、あなたは何と答えるでしょう? 「うーんそうだな。20人くらい?」「いや、100人くらいいるでしょう」という風に、たいていの人はあてずっぽで予測します。
もちろん、このあてずっぽの予測も超大量に集まれば、その中には正確な答えが含まれていて、間違った答えは相殺されるので、真の答えに近づくという考え方もできます。しかし、フェルミ推定を使えば、多くの人がより正確な答えを導き出すことができます。
大事なのは、まず問題を分解する作業です。
問題を分解する作業
フェルミ推定を行っていくために必要な作業は、まず、どのような数字が問題を解決してくれるかを考えることから始めなければならなりません。
- 静岡にあるピアノの台数
- ピアノは年何回調律する必要があるのか
- ピアノを1台調律するのにどれくらいの時間がかかるのか
- 平均的なピアノ調律師は、年何時間働くのか
(1)~(3)で、静岡にあるピアノを調律する回数・時間の合計がわかるので、最後に(4)で割れば答えは出るはずです。そして、もちろん正確な数字を知っている必要はありません。常識で考えることが、実は重要なのです。「静岡にあるピアノの台数」を考える時に、県内に5台しかないとは誰も思わないし、1億台あるとも思わないでしょう。
それでは、私も「フェルミ推定」を行ってみます。もちろん、Googleに頼らずに。
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