フェルミ推定の実践例「静岡にいるピアノ調教師の数」を試算する
「(1)静岡にあるピアノの台数」を推定する
静岡県の人口は正確には知りませんが、日本の人口がだいたい1億2000万人で、全国は47都道府県ということは知っています。
静岡県は中部に位置していて、平均的な県として有名ですが、ほぼほぼ関東圏であり、海にも近く、トヨタの工場などもあり、普通に割り出した数・255万人(1億2000万人÷47都道府県)よりも少し多めの300万人だと推定しましょう。
(1)の質問に答えるためには、だいたい何人がピアノを持っているのかということを考えます。私が中学校の時、ピアノが弾ける人というのは、クラスに一人くらいいました。
200人の学校で5クラスあり、5人弾ける人がいるとしましょう。ただ、個人で持っているとは限らないので、2/5の2人がピアノを持っていると推測します。
2人/200人=1/100
1/100くらいの確率でピアノは保有されていると思います。
よって、300万人×1/100=3万台
3万台のピアノが静岡県にあると仮定しましょう。
「(2)ピアノは年何回調律する必要があるのか」を推定する
これは、だいたい3回くらいかなと勝手に予想します。そんなに頻繁にやるものではありませんが、ホールで持っているピアノは、年間そのくらいやるのではないでしょうか?
「(3)ピアノを1台調律するのにどれくらいの時間がかかるのか」を推定する
ピアノの調律はざっくり2時間もあれば終わる気がします。大した知識もなくあてずっぽですが、ギターの音を合わせるよりも難しく、車の車検よりも簡単程度のイメージです。
では、これら(1)~(3)の答えを掛け合わせると、
3万台×3回×2時間=18万時間
という答えが出ます。
「(4)平均的なピアノ調律師は、年何時間働くのか」を推定する
ピアノ調律師は普通の人間だと思いますので、200日くらいが勤務日で、8時間労働時間があると考えると、労働時間は、200日×8時間=1600時間です。これを18万時間で割り返すと、112.5人となります。
だいたい100人くらいいるのかな? という推定ができるわけです。
正しいかどうかはわかりませんが、実際にiタウンページで調べてみると、静岡県内には、57件のピアノ調律可能な店舗があるようです。調律師が各店舗に何人いるか分かりませんが、1人以上のところもあることを考えると、100人というのは、全然的外れな数字ではありません。
今回はGoogleなどの調査も行いませんでしたし、財務諸表も読みこんでいませんが、ここまで精度の高い数字を出すことができました。
今回の件でも、静岡県内の人口、ピアノの調律の頻度、コンサート実施状況、ピアノ保有施設など、さまざまな情報を組みあわせれば、精度はさらに高まると思います。
株式投資の予測でも同じことはできると思います。私は、孫正義さんなんかはこのような予測を割としっかりやっていると思います。ウォーレン・バフェットも同様でしょう。
『バフェットの眼(無料)』(2016年12月23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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