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Genky DrugStores、PB構成比は業界トップ水準へ上昇 商圏シェアを極めるドミナント戦略で成長を加速

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2026年7月31日に発表された、Genky DrugStores株式会社2026年6月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

2026年6月期 決算説明

常見武史氏(以下、常見):Genky DrugStores株式会社 執行役員財務IR部長の常見です。よろしくお願いします。

まず私から簡単に数字の振り返りを行い、その後代表取締役社長CEOの藤永から、2027年6月期以降の経営戦略をご説明します。それでは、ホームページで開示している決算説明資料に沿ってご説明します。

売上高・客数・客単価前年対比推移

売上高、客数、客単価の前年対比推移です。詳細な数字は資料に記載のとおりですので、ここでは割愛します。

第4四半期は、ちょうど1年前に米価の高騰がピークに近い状態にありました。そのため、この数ヶ月間、既存店昨対を押し下げられる結果となっています。その結果、伸びに関してはやや物足りなさが感じられる部分もありますが、許容範囲です。

また、すでに開示済みの7月度の月次営業速報についても併せてご説明します。既存店昨対は97.9パーセントとなっています。なお今期の計画に織り込み済みです。

土曜日が1日少ないため曜日調整を行うと、99.5パーセントとなり、昨年の数字をしっかりとキャッチアップできています。

向かい風の要因として、大きく2点あります。1つは、昨年7月から9月にかけて政府備蓄米の販売が行われたことです。3ヶ月間、毎月6億円強の販売がありました。

もう1点は、特に前半が冷夏で、シーズン品を含めた販売が苦戦しました。この2つの要因により、少し伸び悩みを見せました。

当社の既存店昨対の構成の特徴として、客数がプラスに転じています。これは、同業他社の中でも特筆すべき内容です。当社は、小さい商圏内で、同じお客さまに何度も来店していただくモデルを目指しており、当社の取り組みが実績としてしっかり現れていると感じています。

2026年6月期4Q 会計期間 前年比

第4四半期会計期間の前年対比についてです。スライド下段の表は、左側が前年の実績、右側の青色で示している部分が2026年6月期の計画、中央が2026年6月期の実績を示しています。前年に対しては順調に成長しましたが、計画に対しては若干未達となりました。

売上高は、計画がやや強気だった影響もあり、0.2パーセントほど下振れました。販管費は第3四半期同様に抑制できたものの、第4四半期に電力単価が高騰し、計画に対して8,000万円ほど超過しました。

これにより、営業利益は6,000万円の未達となりました。

また、出店数について、第4四半期には30店舗を計画していましたが、実際には26店舗の出店となりました。出店を取りやめたわけではありませんので、4店舗の不足は今期の出店計画に含まれています。

2026年6月期4Q 累計期間 前年比

累計としては、売上高は2,206億3,800万円、営業利益は109億8,500万円となりました。

スライド6ページおよび7ページは補足となるため、説明は割愛します。

荒利益率・販管費率 四半期推移

特に販管費に関しては、業界内で当社が最も低い水準であり、かつコントロールできています。

他社の経費が乱高下あるいは漸増する中、当社は15パーセント台を堅持しています。これは、当社のローコストオペレーションがしっかり機能している証です。

2027年6月期 通期業績予想

2027年6月期の業績予想です。なお四半期ごとの詳細な内容、販管費の大項目の内訳などは、当社ホームページに決算説明補足資料として公開しています。ぜひお時間のある際にご覧ください。

売上高は2,440億円と、前年比10.6パーセントの伸びを計画しています。既存店昨対はプラス3.5パーセントの計画です。上期と下期で分けると、上期が前年比プラス2.1パーセント、下期が前年比プラス4.8パーセントです。

四半期ごとでは、第1四半期は前年比マイナス0.1パーセント、第2四半期は前年比プラス4.5パーセント、第3四半期は前年比プラス5.3パーセント、第4四半期は前年比プラス4.3パーセントです。

営業利益は120億円、営業利益率は4.9パーセントを計画しています。当期純利益は82億円で、前年比4.1パーセントの増加を見込んでいます。他の利益と比較して伸びが弱いですが、これは税制の改正によるものです。

スライド右下に注記していますように、賃上げ促進税制が大企業には適用外となっており、この控除の廃止および防衛特別法人税の追加の影響で、約2億3,000万円分、純利益が今期に比べて押し下げられる見込みです。

新規出店数は75店舗、閉店は5店舗を計画しており、純増70店舗を計画しています。改装は9店舗の予定です。以上で、数字の振り返りを終わります。ここからは経営戦略に関する説明を、弊社代表取締役社長CEOの藤永賢一より行います。

四半期会計期間 連結業績推移

藤永賢一氏(以下、藤永):代表取締役社長CEOの藤永です。まず、決算説明資料の補足についてお話しします。

スライドは四半期ごとの営業成績です。注目していただきたいのは荒利益率の推移です。

FY2023では20.4パーセントで、今回も偶然かもしれませんが、4年連続で20.4パーセントを維持しました。これは当社でも初めてのことであり、EDLP(エブリデイ ロープライス)の施策が奏功している証ともいえます。

この荒利益率が一定であるというのは、ドラッグストア業界はもちろん、他の小売業でも非常に珍しいことです。

荒利益率はさまざまな戦略により上下します。例えば、荒利を取りすぎて客数が減ったり、最近の好調に乗じて荒利をより多く取ろうとしたりするなど、さまざまな取り組みを行う会社が多いですが、当社は20.5パーセントを目指しています。

当社では毎週、POSデータに基づき部門別の荒利益率を細かくコントロールしています。

リベートや廃棄、物流損益などを含め、ほぼコントロールできており、安定した予算進捗につながっています。

経費は徐々に削減され、15.4パーセントまで下がりました。その結果、営業利益率は5パーセントに達しています。

主要経営効率の推移

当社では坪当たりの効率を毎月チェックしており、坪当たり売上高は135万4,000円です。こちらも過去最高ですが、今後150万円まで引き上げることを中期目標としています。

この目標を達成した場合、坪当たり営業利益高は10万円に近づきます。

荒利益率・販管費率 四半期推移

荒利益率は、以前は24パーセントほどでしたが、新型コロナウイルスの時期からEDLPの施策を開始し、現在は20.4パーセントで推移しています。その経費も、少しずつ減少しています。

「コスモス薬品」さんをピンク色で示していますが、荒利益率は最近では当社のほうが低く、この5四半期では当社が業界内で最も低い状態です。このグラフからは、他社の荒利益率の変動が大きいことがわかります。

また、経費に関しては完全に最低水準を維持しています。他社は経費が増加傾向にありますが、当社ではセルフレジやカテゴリー納品の導入などにより、最低水準が続いています。この点では、他社に負ける気がしません。

営業利益率 四半期推移

営業利益率は、荒利益率の高いドラッグストアと比較しても遜色のないレベルです。このため、荒利益高の中の営業利益の割合である「利潤分配率」は、ほぼ業界トップに位置しています。

「マツキヨココカラ&カンパニー」さんは営業利益率が7パーセントだから優秀だとは一概には言えません。「マツキヨココカラ&カンパニー」さんは35パーセントの荒利益率を持っており、35分の7パーセントよりも、20.4分の5パーセントのほうが利潤分配率は高い水準であり、当社は少ない荒利でもしっかり利益が出る体制が整っています。これは今後のオーバーストアへの対策につながります。

2027年6月期 通期業績予想

最近ではドラッグストア業界で営業店舗の減損が多くなってきています。

この減損による特別損失が多い会社は、新規出店や新規エリアで利益を出すことが難しくなっているのではないでしょうか。

現在はオーバーストアの状況で、日本の1億2,000万人の人口を店舗数で割ると、ドラッグストア1店舗当たりの人口は6,000人を割り込んでいます。業界全体で出店が停滞している要因は、物件や建築費の高騰ではなく、この減損に表れている新規出店のブレーキであり、これが会社ごとの出店意欲の差となっています。

つまり、企業全体としては強く見えるものの、個店の力が足りなくなっている側面もあるのではないでしょうか。個店の力には、集客力やコストコントロール、さらに荒利益率のコントロールといった要素も含まれますが、いかに小さな人口で運営できるかどうかが重要です。

当社はほとんど減損が発生していません。

標準店舗は現在500店舗を超えていますが、閉店したのは1店舗のみです。一方で他社では減損が増加し、最終的に閉店を余儀なくされるケースも増加しています。年間で20億円から30億円規模の減損損失を計上する会社もあり、注目すべき点です。

また、客数が非常に重要なポイントです。7月は米の件などもあり、前半は気温が低い夏でしたが、客数が100パーセントを超えました。ここは特に重要なポイントです。

マクロ環境:消費マインド

それでは経営戦略についてご説明します。

当社は現在、日本の中央部に位置する5県のみに出店しています。日本全体でエンゲル係数が上昇し、特に地方では、賃金が物価高に追いつかず、実質的に減少しています。そのため、節約志向が強まっています。

大商圏型の店舗では激しい価格競争が発生していますが、近隣の小商圏型の店舗においては、買い物にかかる時間の節約も重要視されています。

当社の買上点数は、ドラッグストア業界では最も高い10点となっており、「非常に便利な近所のお店」を構築できています。

人口が減少する中で、ドラッグストア全体の店舗数は増加してきましたが、業界の出店ピークは2021年で、全国で1,000店が新規出店されました。しかし現在では年間700店まで鈍化しています。

業界環境:ドラッグストア業界のポジションが2極化

当社が低価格で食品構成比が70パーセントを超えても、荒利益率をどのようにコントロールしているかを示しています。

食品は利益率が低いため、年々売上総利益率が低下すると考えられるかもしれませんが、この4年間は一定の水準を維持しています。その要因として、後ほどご説明するPB(プライベートブランド)の構成比が上昇していることが挙げられます。

PBとNB(ナショナルブランド)の間でマージンミックスを行うことで、より便利で安い店舗を作る好循環を狙っています。

業界環境:各グループの「稼ぎ方」の違い

各グループとの比較を表しています。荒利益率は低く、経費率も低いままでマージンを確保していることが一目でわかります。

ゲンキーの特徴

出店エリアです。当社は、スライドに記載の5県だけでも、1,000店舗の出店が可能だと見込んでいます。当社には売上予測課があり、出店場所については「何丁目のどの交差点の角に出店するか」というレベルまで具体的に決定済みです。

5県の960カ所を出店候補地として地図上にプロット済みで、順次地権者との交渉を進める段階です。

お客様に最大の価値を提供できるゲンキーの店舗

当社の店舗はスライドの写真のような店舗です。立地によって、右側入口か左側入口かが異なりますが、店内レイアウトは鏡写しになっているだけで、1パターンの標準化された店舗です。

EDLC(エブリデイ ローコスト )文化

「今後、経費が上がらないのか」ということについてご説明します。坪当たり20万円という経費水準を長年維持しています。

スライド左下のグラフをご覧いただければわかるとおり、坪当たり、つまり1店舗あたりの経費は上昇していません。一方で、坪当たり売上高は着実に伸びています。これによって、利益が増加するという仕組みです。

「坪経費はいつまでも一定なのですか?」についてもお尋ねいただくことがあります。このご時世ですので、今後は少しずつ上昇すると予想されますが、売上ほどには上がらないと考えています。そのため、現在の経営数値は維持できます。

また、従業員1人当たりの売場面積は業界平均のほぼ2倍に達しています。これが広いということは、少ない人数で店舗オペレーションが運営できているということです。

中には「無理をしているのではないか」という心配をされる方もいらっしゃいます。

当社は店舗の人件費を、店舗あたりの総労働時間(人時)でコントロールしていますが、これを調整する場合は、必ず作業の削減がセットとなっており、実験や検証を重ねたうえで反映することで、売場のメンテナンスレベルなどに支障をきたさないことを大前提としています。

当社は、他社が行わないさまざまな取り組みを進めています。過度な接客、推奨販売、対面レジなど、当社では行いません。欲しい商品を欲しい価格で購入できるかどうかに集中します。それが当社の姿勢であり、「やったほうがいい感じがする」といった、数字で表せないものには取り組みません。

ヤメル・ヘラス・マトメルで店舗業務の効率化を追求

それが、このページに集約されています。レジを打たない、チラシを打たない、SNS販促を行わないなど、「行わないこと」といった独自の方針を数多く採用しています。また、過剰な接客も行いません。

例えば、風邪薬を購入されたお客さまに対して「栄養剤を一緒に飲むと、より効きますよ」といったことを提案するような対応は一切行いません。それは一件親切に聞こえますが、ただの押し売りでしかなく、お客さまは家に帰って「余計な物を買わされた」とがっかりします。小商圏の店舗ではこれが命取りになります。

さらに、インバウンド対応や調剤薬局の設置も行わず、ECや宅配サービスも一切展開していません。各社、SNS販促が旺盛ですが、これは需要を先食いであり、メーカーや問屋の負担になっています。当社はそのような販促を行わないことで、経費をコントロールしています。

また、カテゴリー納品を行っているため、スタッフが売場を行き来する必要がなく、品出しコストも抑えられます。さらに、セルフレジの導入によってレジコストも低下しています。

「セルフレジでは万引きが増えるのではないか」とも言われていますが、棚卸しロスは問題ない水準で対応ができています。

自前主義

自前主義についてです。ローコストを実現すると同時に、ノウハウを社内に蓄積することを最大の目的としています。

1つ目の店舗開発については自前で行うことでコストを抑えられ、ノウハウも年々蓄積されています。

建築費の高騰により新築を避けようとスーパーのM&Aを積極的に行っている会社さまもいますが、自社で適切に開発ができれば、このような対応をする必要もありません。

また、当社が5県に集中して出店しているのは、自前開発を進めているからこそ可能となっています。全国レベルのデベロッパーと取引する場合、「バンコクに店を出しませんか?」なんて提案も受けると聞きます。当社にとってはとんでもない話です。

ノウハウも蓄積され、今期は計画どおり75店舗を確実に達成し、来期は100店舗の出店を目指して現在鋭意準備中です。

5県集中のドミナント展開を行い、今後も密度をどんどん上げていきます。物流効率やドミナント効果に圧倒的な差が出る点が、店舗開発を自前化している理由です。

これを他社にアウトソーシングすることは考えられず、すべて崩壊してしまいます。

2つ目のPBに関しても、西暦2000年から自前で苦労しながら取り組みを続け、26年が経過しました。業界ではNo.1の構成比を達成し、数量ベースでは30パーセントを超えています。目標は数量で40パーセント、売上で30パーセント、会社全体の荒利高に占めるPB荒利益高の割合を50パーセントまで持っていきたいと考えています。

3つ目の物流についても自前で行っており、トラックの運転以外はすべて自社で対応することで、圧倒的に低い、商品通過高に占める物流費比率は3.6パーセントを実現しています。

他社のサードパーティ・ロジスティックスを利用する場合は、物流費比率が5パーセントや6パーセント、会社によっては7パーセントにまで達することがありますが、当社は半分の経費で運営ができています。

さらに、自前の物流のおかげでカテゴリー納品も可能となります。当社では通路数を11通路に標準化しており、通路数やレイアウトが異なる場合にはカテゴリ納品を1点ずつカスタマイズしなければならないといった非効率な物流は行いません。

この3つはつながっており、店舗開発の段階でばらつきが生じると、全体が崩れてしまいます。標準店舗が作れず、物流も統一されず、結果として「どうにでもなれ」という状況になってしまいます。標準化は非常に重要です。標準化されていることで、PBの販売数量の予算も組みやすくなります。

また、店舗ごとの陳列量のばらつきがなく、全店舗でまったく同じ陳列量になります。そのため、初回納品や追加納品が非常に計画的に行われます。また、在庫は問屋に持たせるのではなく、自社物流センターで保管管理しています。

店舗開発、物流、PBなど、これらすべてが互いに連携しているのです。そのため、どこかが欠けているとチェーンストア理論に基づいた運営ができません。

4つ目の生鮮食品は、小商圏での高来店頻度や生活カバー領域の拡大を目指した取り組みです。しかし、これはプロセスセンターがなければ実現は非常に困難です。全店舗で同じレイアウトで生鮮食品が並び、同じアイテムが展開され、肉やお弁当・お惣菜がすべてプロセスセンターから供給されるという仕組みは、スーパーマーケット業界の中でもほとんど見られない特徴です。

300坪の標準化がこの基盤を構築しています。それに加え、ドミナント方式を採用しているため、遠くまで運ぶと鮮度が落ちてしまうという課題を克服しています。

5つ目のシステムは、東京に事務所を構え、自社開発を進めています。これはSNSでの販促目的ではなく、基幹となるシステムを構築することを目的としており、すべてサプライチェーンマネジメントのためのシステム開発です。

物流 SCM改革

物流は、すべて一気通貫で行います。

EDLP(エブリデイ ロープライス)文化

マーチャンダイジングに関する内容です。先ほどお伝えしたとおり、坪当たり売上高が上昇しています。

生鮮食品やお惣菜の強化で来店頻度・買上げ点数の向上

スライドに掲載しているお惣菜はすべて自社で製造しています。野菜はさらに鮮度を高め、加工を進める取り組みも行っています。精肉は99パーセント自前化しています。

お買い得デリカでコンビニエンスストアからの集客強化

よく売れているサンドイッチについてご紹介します。99円のサンドイッチは大変人気の商品です。ツナ&たまごサンドなど、コンビニでは250円程度で販売されているものもある中、当社はその価格の約3分の1の水準を実現しています。

また、おにぎりは99円でも十分に安いのですが、さらに原材料などを見直し、79円のラインナップを追加しました。これは北陸・中部地方でもほとんど見られない価格です。

また、お弁当も199円で提供しています。ご飯だけでもそのぐらいの値段がするご時世ですが、それでも取り組んでいます。おかげさまでよく売れています。

当社の場合、昼食で500円あればお釣りがきます。そのため、最近では駐車場で営業マンの方が昼食を取る姿も見かけます。コンビニで昼食を購入するよりも半分ほどの費用で済むからです。

プライベートブランド スイッチングPB

PB商品は「ライトスイッチング」という取り組みの一環で、NBの右側に配置して積極的に販売を促進しています。

トップブランドと比較してもらいながら、お客さまにご選択いただきたいと考えています。

PB構成比は業界トップ

構成比は、数量ベースで32.8パーセント、売上高ベースで26.4パーセントです。つまり、レジを通過する商品のおよそ3個に1個がPB商品となっています。20年以上、自前で取り組みを続けた成果の現れで、他社がそう簡単にたどり着けない水準となっています。

3つの取組み

今後、より小商圏を極めるため、この3つのプロジェクトを推進していきます。これらは決して目新しい取り組みというわけではありません。チェーンストアの原理原則に基づき、今までの取り組みをさらに深堀りしていくということです。

3つの取組み ①青果コールドチェーンPJ

まずはコールドチェーンプロジェクトについてです。産地の農業法人から、直接仕入れを行うことで、今までより日持ちが3日以上延びます。産地で芯までしっかりと4℃まで冷やす「真空冷蔵」という装置を使用し、そのままチルド便で運びます。センターでも温度変化を起こさず、キャベツに包丁を入れると水分が滴るほど新鮮さを保っています。

これが鮮度の重要性ということです。アメリカや「サイゼリヤ」さん並みのサラダを目指しています。ドラッグストア業態ですが、スーパーを超える存在になりたいと考えています。

3つの取組み ②中食核売場PJ

中食(調理不要で自宅で食べられるデリカフード)プロジェクトもさらに深耕しています。今後、焼きたてパンを提供しないと勝負にならないとの考えを強く持っています。米離れを含めて中食やお惣菜、サンドイッチには引き続き力を入れつつ、まずは冷凍生地を配送センターで焼き上げます。

次の岡崎センターでは、生地をこねて作り、3ヶ所で焼いて全店に運ぶ体制を整えるというプロジェクトが進行中です。これもスーパーマーケットから顧客を獲得する施策の一環です。

3つの取組み ③100均改革PJ

3つ目は「100均プロジェクト」です。家庭用品を中心に100円均一市場でのシェアを高める取り組みです。小さな商圏、例えば人口3,000人から5,000人の町において、100円均一の商品が展開できない商圏でも、当社の店舗内に低価格な家庭用品を揃えることで対応しています。

この取り組みは、食品とヘルス&ビューティの間をつなぐ役割を担う点で非常に重要だと考えています。これにより、節約しつつ家中の生活必需品をカバーするということです。

ゲンキーにとって、出店こそが最大の成長エンジン。過度に戦線を広げすぎず、

高速出店についてです。単なる闇雲な出店ではなく、緻密な売上予測をもとにモデル立地をターゲットとして選定し、あらかじめ商圏調査部が出店候補地を選定したうえで地権者へ交渉を進めます。

建築許可や建築スケジュール管理、その他近隣との調整については、オープンまで滞りなく進めるために、最近上場した「アンドパッド」さんの管理システムを導入し、さらに拡充を図っています。

これにより、今期の出店計画である75店舗の確度も高まり、みなさまの期待にしっかりと応えられるようになります。

また、開発に関するパワーやノウハウも着実に自信を深めています。年間100店程度にとどまらず、今後は120店、150店、さらには200店と出店数を拡大していく計画です。

店舗開発部の業務範囲を集中、成約数をUPさせてきた

建設部など、役割分担を細分化し、各部署が業務範囲を集中することで、出店数を拡大していきます。

商圏調査部による出店事前評価

これまでの500店舗の売上予測のアルゴリズムを再調整し、「この場所ではいくら売れるか」の精度を向上させ、予測精度はプラスマイナス10パーセント程度まで向上しています。1年後の売上予測の精度について、外れを出さないことが重要で、減損と非常に強い相関関係があります。

総勢100名以上による出店強化体制

役割分担についてまとめています。

建設部による開店遅延対策強化

チェック管理システムについてまとめています。

売上高・店舗数推移

現在の5つの県で、出店数の余力について記載しています。まだ、5つの県を深堀りしていきますが、800店舗に到達した時点で6つ目の県への展開に進みます。

物流 店舗網を支える県ごとミドルサイズRPDC

それを支えているのがこれらの物流センターです。

物流センターの建築が遅れると、出店が遅れるのではないかと思われるかもしれませんが、バッファとして賃借している物流センターを有効に活用し、出店に影響が出ることはありません。

高速出店を支える人的資本

企業が成長していれば新卒採用や新規採用については十分に可能であり、現時点では人手不足を感じていません。

これらは人材育成プログラムであり、チェーンストア理論に基づいて実施されています。これも完全自前で行っています。ここにも人手をかけて教育しています。

目指すは2040年、1万店舗チェーンストア企業への挑戦

こちらは故渥美俊一先生が作られた青山にある日本リテイリングセンターの6階に掲げられているテーマサインです。「Forward Mass Merchandising」というテーマのもと、多店化を通じて人々の暮らしを支えることを目的としています。

そのためには200店、1,000店、3,000店、そして1万店を目指す必要があるという教えに基づき、その考えに感化されています。そして、それに挑戦していくということです。これは完全標準化が鍵となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:今後の出店計画とエリア選定について

質問者:6つ目の県の対象はどの地域になりそうでしょうか? あわせて、関東への進出は10年後ぐらいでしょうか?

藤永:物流効率などを考え、次の出店先は隣接県ですが、具体的には決めていません。当社では、「富士山に真珠のネックレスをかける」という「富士パールネックレス作戦」を進める予定です。したがって東のほうへ進出していく方向性です。

関東出店について、最終的にはすべての県に出店していきますが、関東、特に東京への進出はまだ先です。

ただ、山梨県に加え、滋賀県や中部一帯を含めることで、当社は3,000店舗までは展開可能と見込んでいます。できるだけドラッグストアやスーパーが少ない県を狙うことが、やはり定石だと思います。不便な地域において、どの県を対象とするかが決定されていくということです。

質疑応答:建築コストの上昇や建築現場の人手不足による出店への影響について

質問者:出店を加速していく上で、建築コストの上昇、また建築現場の人手不足などの影響は出てこないのでしょうか?

藤永:影響はありますが、当社に限った話ではなく、業界全体の問題です。したがって、いかに他社より安くするかが重要となります。その方策として、デベロッパーを使用せず、1店ごとに競争入札をしっかり行うことや、共通する備品、例えば棚やレイアウトが同じである床、便器、エアコンといったものをすべて一括購入し、半PB化を進める取り組みを行っています。

つまり、小売業界において徹底したコスト抑制で、残存者利益を目指して最後の戦いを行います。コンビニが3社に収束したように、ドラッグストアもいずれそうなるでしょう。

その背景には、特徴があるから生き残っているという側面もあるかもしれませんが、基本的には最低コストの実現によって生き残っているということです。

常見:私から1点補足します。建築費は確かに上昇しています。一方で、スライドの表にあるように、1店舗当たりの平均売上高がしっかりと増えています。

そのため、建築費の高騰に伴う減価償却費については、30年で割り返すと年間100万円にも満たないため、しっかりと吸収できています。これにより、収益性を損なうレベルには至っていません。それは今期の業績を見ていただいても明らかです。

質疑応答:消費税減税の影響と今後の価格競争について

質問者:消費税の減税に対して、御社の販売戦略および業績にどのような影響を与えるとお考えでしょうか?

藤永:当社は税抜き価格と税込み価格を併記しています。そのため、税抜き価格そのままで減税となります。したがって減税導入時はプラス方向になるのではないかと考えています。

一方で他社がどのような動きをするのか、慎重に見極めたいと考えています。

また、2年後に再び8パーセントに戻すという話がありますが、その際には価格競争が激化すると思います。

質疑応答:今期、最も気にしているポイントについて

質問者:藤永社長が今期、最も気にしているポイントは何でしょうか?

藤永:出店です。特に前期は計画未達で着地しましたから、これはしっかり挽回をしていきます。もちろん、今期だけ良くても意味がありません。そのため、先ほどご説明したとおり、仕組みとして出店を強化する体制を作り上げてきました。この取り組みは、確実に将来の出店増加に繋がっていきますから、まずはその足がかりとして75店舗をクリアしていきます。

次に売上高です。前年備蓄米のハードルがあるとは言え、やや物足りない水準が続いています。しかし価格水準は、大手競合と比較しても間違いなく優位にあり、荒利益率を毀損させてまでの切り下げは必要ありません。

一方、経費はほぼ心配していません。電気代は高騰していますが、前年比プラス26パーセントと保守的に計画しており、政府の補助金次第では、計画を下回る可能性もあると考えます。

質疑応答:中食プロジェクトとPBのブラッシュアップについて

質問者:パンなどベーカリーを自社で焼いていくお話がありましたが、今後それ以外のカテゴリで自社製造を増やしていきたいカテゴリがあれば、中期的な目線で教えてください。

藤永:スーパーマーケットのマーチャンダイジングに追いついていきます。一方で、ステーキ肉やすき焼き肉など、いわゆるハレのものは扱いません。

愛知岡崎PCでは、カット野菜などにも取り組んでいきます。

最終的にはベーシックな生活用品はフルラインアップを目指し、スーパーのマーチャンダイジングに追いつく見込みです。

質疑応答:中期的な目標および荒利コントロールについて

質問者:今後の営業利益率や荒利益率を現在の目線、そして今後も中期的にどのような水準をコントロールしていくのか、教えてください。

藤永:現在安定してコントロールしており、大きく崩すことはありません。

今後この業界で勝ち残るためには、安さと荒利益率のコントロールが重要だと考えています。その中での黄金比として、荒利益率20パーセントに対して経費率15パーセントで営業利益率5パーセント、つまり20対15だと思っています。現在は経費率が15.5パーセントですから荒利益率も20.5パーセントとしていますが、今後も経費をしっかりとコントロールし続け、15パーセントに近づくにつれ、荒利益率も切り下げていくことで、今以上に価格優位性を際立たせていきます。

国際的に見ても「20-15=5」というのは、勝てる黄金比だと認識しています。

業界全体が荒利益率を上げていますから、経費コントロールに強みを持つ当社の優位性は、より際立ってきます。「もっと荒利益率を上げてはどうか」というご意見もいただきます。しかしアメリカ全土の生活を支えている「ウォルマート」さんは、あれほど仕入れ力があるにもかかわらず荒利益率23パーセントですから、それ以上上げることはまずあり得ません。

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