■要約
アーバネットコーポレーション<3242>は、東京23区、駅から徒歩10分以内の立地に特化した都市型賃貸マンションの開発・1棟販売(卸売り:BtoB)を中核事業としている。用地取得から設計・開発を行い、マンション販売会社・ファンド・富裕層等への1棟販売を手掛けており、「ものづくり」に特化している点に特長がある。また、ストックビジネスの強化にも取り組んでおり、賃貸収益物件の取得に加えて「ホテル事業」へも参入した。2024年2月に連結化した(株)ケーナインとのシナジー創出のほか、開発エリアの拡大(都心隣接地)や新規事業(開発アセットの多様化、富裕層向け開発事業等)でも具体的な動きが出てきた。2年目を迎えた中期経営計画「CHALLENGE 2028 価値ある空間創造」についても、計画を上回るペースで進捗している。
1. 2026年6月期の業績概要
2026年6月期の連結業績は、売上高は前期比16.1%増の39,394百万円、営業利益は同19.1%増の4,147百万円と予想を上回る増収増益となり、過去最高業績を3期連続で更新した。インフレに強い資産である不動産への底堅い需要やケーナインとのシナジー創出が業績の伸びをけん引しており、主力の都市型賃貸マンションをはじめ、すべての商品(アパート、タウンハウス、戸建等)が増収となった。利益面でも、建築費の高騰や人的資本投資(給与水準の引き上げ)、ホテル事業での修繕費などがコスト要因となったものの、増収による収益の押し上げに加え、収益性の高い物件(都市型賃貸マンション)の寄与などにより大幅な増益となった。活動面でも、開発物件の積み上げや三井不動産投資顧問(株)との業務提携(パイプライン・サポート基本協定)などで成果を上げることができた。1株当たりの年間配当は前期比2.0円増の24.0円を実施した。
2. 2027年6月期の業績見通し
2027年6月期の連結業績についても、売上高を前期比10.4%増の43,500百万円、営業利益を同1.3%増の4,200百万円と増収増益を見込んでいる。売上面では、引き続き不動産開発販売を軸とする「不動産事業」の伸びが増収に寄与する。一方、利益面については、増収により増益を確保するものの、用地・建設資材価格の高止まりや工事関連人件費の増加といった原価増に加え、事業拡大に向けた販管費増などを保守的に見積もり、営業利益率は9.7%(前期は10.5%)に低下すると見込んでいる。
3. 中期経営計画の概要
2年目を迎えた中期経営計画「CHALLENGE 2028 価値ある空間創造」では、中核事業を伸ばしつつ、ケーナインによるBtoC事業の拡大、ソリューション事業等(ホテル・高齢者施設開発事業、富裕層向け開発事業等)の強化により、多様化する空間開発ニーズを取り込み、持続可能な成長基盤を構築する。計画を上回るペースで業績が拡大していることから、業績予想数値について見直しを検討中である。
■Key Points
・2026年6月期は予想を上回る増収増益。開発物件の積み上げでも大きな成果
・2027年6月期も引き続き増収増益を見込む
・中期経営計画では中核事業・ケーナイン拡大、ソリューション事業等の強化を推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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