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メンタルヘルスT Research Memo(5):売上高・利益ともに中間期計画を上回って着地(1)

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■業績動向

1. 2026年12月期中間期の業績動向
メンタルヘルステクノロジーズ<9218>の2026年12月期中間期の業績は、売上高が前年同期比35.5%増の4,097百万円、営業利益が同6.0%増の294百万円、経常利益が同6.3%増の270百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同10.9%減の138百万円となった。売上高は大幅な増収となり、営業利益及び経常利益も増益を確保した。メンタルヘルスソリューション事業における「産業医クラウド」の順調な成長に加え、2026年4月から連結を開始したインクルードの業績寄与、メディカルワークシフト事業の売上拡大が増収をけん引した。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は、2026年3月に買収したインクルードに係る買収関連費用に加え、2025年8月に新設を発表した株主優待制度の実施に伴い、株主数の増加による管理コストが増加したことなどから親会社株主に帰属する中間純利益は減益となった。

中間期計画に対しては、売上高が12百万円、営業利益が26百万円、経常利益が36百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が35百万円それぞれ上回った。特にメンタルヘルスソリューション事業が好調に推移し、インクルードの子会社化に伴う買収関連費用やメディカルワークシフト事業の収益性低下を吸収した。調整後営業利益も377百万円と中間期計画を27百万円上回っており、全体としては順調な着地であった。

2. セグメント別業績動向
(1) メンタルヘルスソリューション事業は高成長が続き、全社業績をけん引
メンタルヘルスソリューション事業の売上高は前年同期比44.9%増の2,102百万円、セグメント利益は同50.1%増の631百万円となり、大幅な増収増益となった。セグメント利益率も前年同期の29.0%から30.1%へ1.1ポイント上昇しており、売上高の拡大と収益性の向上を同時に実現した。全社のセグメント利益756百万円に占めるメンタルヘルスソリューション事業の割合は8割を超えており、同事業が名実ともにグループの主力利益エンジンとなっている。

好業績をけん引したのは、主力の「産業医クラウド」の継続的な成長である。特に大企業を対象とするENT領域では、新規顧客の獲得に加えて既存顧客へのアップセルが進展した。2026年6月末のENT契約数は252グループ(前年同期比19.4%増)、ENT契約単価は686千円(同7.0%増)、ENT MRR(月次経常収益)は166百万円(同26.7%増)まで拡大した。さらに、NRR(正味収益維持率)は116.2%となる一方、ENTの月次平均解約率は0.1%と極めて低い水準を維持している。顧客数の増加だけではなく、既存顧客との取引拡大と高い継続率が組み合わさることで、ストック収益基盤が着実に厚みを増している。

また、2026年3月に子会社化したインクルードが4月から連結対象となり、中間期には3ヶ月分の業績が寄与した。同社が手掛けるリワーク事業が加わったことで、メンタルヘルスソリューション事業のサービス領域は拡大している。インクルードのPMIも順調に進展しており、連結開始直後から収益貢献を開始した。インクルードはコストの多くが固定費であるため、既存拠点の利用者増加や先行投資を行った新規拠点の稼働率上昇に伴い、利益が拡大しやすい収益構造を有する。

メンタルヘルスソリューション事業は中間期計画を大幅に上回って推移している。特に「産業医クラウド」では、第1四半期時点で年間の受注予算を達成しており、中間期以降も大手企業との大型契約が複数決定している。大企業では一部の事業所への導入を起点として、他事業所やグループ会社へサービスを横展開するケースもあり、顧客基盤の拡大と契約単価の上昇を同時に進められる点が特徴となっている。

(2) メディカルワークシフト事業は増収も収益性が低下、利益重視へ戦略転換
メディカルワークシフト事業の売上高は前年同期比28.2%増の1,939百万円と大幅に拡大した一方、セグメント利益は同4.8%減の124百万円となった。セグメント利益率は前年同期の8.7%から6.4%へ2.3ポイント低下した。売上高の拡大が続く一方で利益が伸び悩み、今中間期では収益性の改善が課題として明確になった。

背景には、これまで売上規模の拡大を優先してきたことがある。新規案件の獲得に伴って採用費や教育・トレーニング費用などの初期費用が先行したほか、価格競争を伴う案件の増加や人材の離職率の高止まりなどが収益性を押し下げた。新規案件獲得に伴う採用費用の増加や待遇改善に向けた先行投資が利益率低下の要因となった。

このため同社は、中間期末を転換点として、メディカルワークシフト事業の経営方針を売上拡大重視から収益性重視へ切り替えた。具体的には、離職率の改善、低採算案件の整理、取引条件の改善、高利益率案件へのシフトを進めるとともに、営業・採用資源を高LTV案件へ集中する方針である。特に価格競争となりやすい案件から、民間医療機関や将来的にBPaaSを展開できる取引先など、より高い収益性が期待できる案件へのシフトを進める。

メディカルワークシフト事業ではこれまでトップラインの拡大を優先し、新規案件の積極獲得を進めてきたが、中間期末から方針を転換し、不採算案件の整理・解約を含む収益構造改革に着手した。また、2026年8月にはタスクフォースの代表を交代し、組織基盤の構築と売上拡大を中心としたフェーズから、収益性改善を重視する経営フェーズへ移行した。同社は収益性の本格的な改善には1~2年程度を要すると見ており、短期的な売上規模の拡大よりも利益の「質」を高めることを優先する方針である。

さらに中長期的には、単純な人材供給型ビジネスからの脱却も進める。タスクフォースは看護補助者などの人材を派遣するだけでなく、総合職スタッフが医療現場に入り、スタッフの教育やシフト管理、オペレーション調整まで担う点に特徴がある。今後はこうした現場運営ノウハウにAI・デジタルを活用した業務効率化や省人化支援を組み合わせ、病院経営層との関係を深めることで、労働力の提供を中心とするBPOからBPaaS、さらには経営支援へと提供価値を高める方針である。足元では収益性改善が最優先課題となるものの、弊社では、この構造改革の進捗がメディカルワークシフト事業をメンタルヘルスソリューション事業に続く第2の利益成長エンジンへ育成できるかを見極めるポイントになると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)

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