■要約
ナガイレーベン<7447>は、看護師や医師、患者向けなどの医療白衣を手掛ける専業メーカーである。1915年に「永井商店」として創業し、現在では看護師向けを中心とした医療白衣のコア市場において国内シェア60%超、年間600万着を供給する医療白衣のトップメーカーとなっている。企画から原材料の調達・製造・販売までを一貫して行う体制を強みとしており、2026年8月期の売上総利益率は40.0%、期末の自己資本比率は92.6%と、高い収益性と強固な財務体質を併せ持つ。株式は東京証券取引所プライム市場に上場している。
1. 2026年8月期の業績概要
2026年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.3%増の17,205百万円、営業利益が同1.2%増の3,625百万円、経常利益が同3.5%増の3,835百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.0%増の2,650百万円となった。市場の経営環境は依然として厳しい状況が継続したが、製品値上げの浸透や診療報酬・介護報酬の大幅なプラス改定の影響により全体では増収を確保した。特にコア市場では、新規の大型案件獲得や第4四半期におけるmiffy(ミッフィー)新商品群の投入による更新促進が寄与し、前期比3.7%増となった。一方で患者ウェアは、前期の大型案件の反動減と、中東情勢の影響を受けた顧客(リネンサプライヤー等)の買い控えが重なり11.8%の減収となった。売上総利益率は、加工賃や原材料費の上昇等があったものの、海外生産比率の上昇や価格改定などにより40.0%(前期は39.5%)へ改善した。販管費は前期比4.3%増とほぼ予算どおりとなったため、営業利益は小幅ながら増益となった。
2. 2027年8月期の業績見通し
2027年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.7%増の17,500百万円、営業利益が同0.7%減の3,602百万円、経常利益が同1.5%増の3,893百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.4%増の2,660百万円を見込んでいる。市場全体では診療報酬・介護報酬のプラス改定を背景に安定化が期待される。主力のコア市場では、好調なmiffy商品群への積極的な新商品投入により、モデルチェンジ案件の着実な更新と新規獲得を進め、前期の大型案件の反動減を吸収する見込みである。周辺市場では、高付加価値商品の販売強化と補充需要の取り込みにより前期に低迷した患者ウェアの回復を進めるとともに、手術ウェアの伸長を継続し増収を目指す。
損益面では、為替(円安)の影響、加工賃や原材料の上昇などのマイナス要因があるが、価格改定効果や海外生産比率の上昇で吸収し、売上総利益率は40.2%(前期は40.0%)と若干ながら改善を見込んでいる。一方で販管費は、人件費や商標使用料の増加などから5.3%増を予想しており、この結果営業利益は同0.7%減を見込む。ただし、金利の上昇などもあり経常利益以下は増益予想となっている。
3. 中期経営計画と株主還元
同社は、2026年8月期の実績を踏まえ、それまでの計画をロールオーバーした中期経営計画を推進している。目標として、2029年8月期に売上高185億円、営業利益40億円を掲げ、引き続き「市場戦略」「商品戦略」「生産戦略」を推進し目標を達成する計画である。株主還元については、2026年8月期は通常の年間70.0円(単体ベースの配当性向81.0%)を実施し、進行中の2027年8月期も同額の年間70.0円を予定している。さらに同社は、自己株式の取得にも前向きである。既に2025年11月13日〜12月26日及び2026年6月30日〜8月12日に計109.3万株(1,999百万円)の自己株式取得を実施したほか、進行中の2027年8月期も2026年10月2日から同12月31日までに60万株(10億円)を上限とする自己株式取得を行うことを発表済みである。強固な財務体質に加え、このような積極的な株主還元の姿勢は高く評価できる。
■Key Points
・2026年8月期は価格改定効果等により1.2%の営業増益
・2027年8月期は増収を見込むものの、人件費等の増加で0.7%の営業減益予想
・中期経営計画に沿って2029年8月期に営業利益40億円を目指す
・年間70.0円配当に加え自己株式取得も継続し、株主還元に積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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