■要約
ミラティブ<472A>は、スマートフォン1台でゲーム実況・ライブ配信が可能なプラットフォーム「Mirrativ(ミラティブ)」を運営するライブ配信企業である。主力のミラティブ事業では、3Dアバター機能「エモモ」、ランキングイベント、ライブゲーミングなどを通じた課金収入を中心に収益を構成している。加えて、配信者支援を行うストリーマープラットフォーム事業も展開している。同社は、アマチュア配信者を中心としたコミュニティ型ライブ配信として「ゲーム実況特化×コミュニケーション」という独自領域でポジションを確立している。また、コンテンツ開発コストは相対的に低く、限界利益率は70%超と高水準を維持している点が特徴である。
1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の業績は、売上高で前期比17.9%増の7,188百万円、営業利益で349百万円(前期は245百万円の損失)、経常利益で287百万円(同257百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で739百万円(同259百万円の損失)と、売上成長とともに、各段階利益で黒字化を達成した。売上高は、コミュニティ活性化による課金機会の増加を背景にロイヤルユーザー数及びARPLU(ロイヤルユーザー1人当たり平均課金額)がいずれも上昇し、増収となった。利益面では、決済手数料率の低下などのコスト改善に加え、高い限界利益率を背景に売上成長が利益に反映され、創業後初の通期黒字化を実現した。
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高で前期比16.8%増の8,398百万円、営業利益で同217.6%増の1,109百万円、経常利益で同261.0%増の1,036百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同30.2%増の962百万円と、増収増益の見通しである。売上高は、ロイヤルユーザー数の増加とARPLUの上昇に加え、コミュニティ活性化施策やライブゲーミングの展開により課金収入の拡大を見込んでいる。利益面では、Web決済導入による手数料低下を背景としたコスト改善の継続により、営業利益率は13.2%と前期比8.3ポイント上昇し、増益を確保する。親会社株主に帰属する当期純利益についても、前期の繰延税金資産計上の反動を吸収して増益を見込む。なお、デジタルコンテンツの開発など、成長投資は規律を維持しながら継続する。
3. 成長戦略
同社の中長期成長戦略は、「Mirrativ」で確立したエンゲージメント型コミュニティと高い限界利益率を基盤に、売上成長と収益性向上を同時に追求するモデルである。既存のミラティブ事業では、デジタルコンテンツ拡充によるユーザー基盤の拡大、ARPPU(1人当たり平均課金額)及びARPLUの向上、ロイヤルユーザー数の積み上げにより売上最大化を図る。利益面では、低開発コスト型のコンテンツ投資を継続しつつ、決済手数料率の引き下げやインフラ最適化を通じてコスト構造を改善する。さらに、「Mirrativ」で培ったコミュニティ運営ノウハウやデジタルアセットを外部プラットフォームへ横展開し、ストリーマープラットフォーム事業を拡張する。(株)アイブレイド及び(株)キャスコードとの連携を軸に、配信者支援領域を強化するとともに、戦略的M&Aを通じてエコシステムの拡充を進める。既存事業のノウハウ活用による、低リスクで市場領域を段階的に拡大する戦略である。
■Key Points
・2025年12月期は増収増益。創業後初の通期黒字化を実現
・2026年12月期も増収増益を予想。営業利益率は8.3ポイント上昇を見込む
・成長戦略は、既存事業の売上向上・利益最大化施策と配信支援事業への投資を強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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