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日本凋落の象徴か。ダボス会議がシンガポールで開催される理由=浜田和幸

毎年1月にスイスで開催される世界経済フォーラム(ダボス会議)は今回、初のリモートとなった。しかし盛り上がりに欠けたようで、8月にシンガポールで開催する案が浮上している。日本ではなくシンガポールをアジアの中心と位置付けていることには、注意せざるを得ない。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

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プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

シンガポールが「ダボス会議」会場候補に

各国のスーパーエリートが集まる「世界経済フォーラム」(WEF)、通称「ダボス会議」といえば、毎年1月にスイスで開催されるのが習わしだった。

しかし、世界に拡散した新型コロナウィルスの影響で、今年は初めてのリモート会議となっている。

菅首相も参加して、慣れないオンライン会議を何とかこなしているように見えた。

とはいえ、ネット経由での議論は盛り上がりに欠け、いつものスキー・リゾートでの対面交流を切望する声が多かったといわれる。

そこで、急浮上したのがシンガポールでの8月開催案である。

同フォーラムのシュワブ会長からは「8月17日から20日の日程で、ASEANの要であり、経済成長を誇るシンガポールで開催したい」との意思表明がなされた。

スイス以外で開かれるのは「9・11テロ」を受け、アメリカへの連帯を示すためにニューヨークで2002年に開催されて以来、2度目のことになる。

世界各国から政治、経済、文化など様々な分野のトップリーダーが一堂に会するフォーラムは毎回大きな注目の的なのだが。

現在のコロナ禍の下で、ワクチン開発やその普及にも強力な支援体制を組んでいるWEFの決定は「8月にはコロナの蔓延も落ち着いているとの判断に違いない」とも受け止められている。

というのも、9月にはニューヨークで国連総会が、10月にはローマでG20サミットが、11月にはスコットランドのグラスゴーでCOP26国連気候変動会議が、次々に予定されているからだ。

こうした国際会議を成功裏に対面方式で開催するには、事前の成功事例が欠かせない。

その役割をWEFがシンガポールで果たそうというわけだ。

Next: 日本の地位は下がる一方。シンガポールが先を行く

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