2026年7月28日に発表された、株式会社チノー2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
2026年3月期決算説明
豊田三喜男氏:社長の豊田です。
みなさま、こんばんは。本日は、みなさまには、当社のセミナーにご参加いただき、誠にありがとうございます。
それではさっそくになりますが、これから当社の事業内容と2026年3月期の決算についてご説明しますが、当社の事業をご理解いただくための簡単な動画を用意していますので、ご覧ください。
目次
それでは、ここから、この目次に沿ってご説明していきます。
1. チノーグループの概要

最初に、先ほどの動画と重複しますが、当社グループの概要についてご説明します。
会社概要

当社は、温度を中心とした計測・制御・監視に関わるセンサと機器や、それらを組み合わせてお客さまの課題を解決するシステムや装置の開発・設計・製造・販売をしているメーカーです。
創業が1913年、株式会社として設立したのが1936年で、今年で創業113年、設立90年になる会社です。
当社の生産拠点・販売拠点

国内の生産拠点は、群馬県の藤岡市、埼玉県の久喜市、山形県の天童市にあります。
国内の販売拠点としては、全国に16の営業所と1つの出張所、1つの分室を設けています。
国内グループ会社(6社)

また、ご覧のように、国内には6つのグループ会社があります。
左上のチノーソフテックスは当社製品の組み込みソフトウェアやPCアプリなどの開発を、またその下の浅川レンズ製作所は放射温度計用のレンズの生産などを担っています。
左下の三基計装はクリーンルームなどの空調設備の設計・施工や植物工場の管理機器などの提供が主なビジネスになります。
右側に移り、上段のアーズは小規模ながらソフトウェアの受託開発やセンサネットワーク技術に強みがあります。
右側中段のアドバンス理工は主に金属材料などの熱物性・熱分析装置などに強みを持っています。
右下の明陽電機は船舶関係のセンサや機器などの生産・販売を主な事業としており、チノーともセンサで協業している関係でもあります。
海外グループ会社(6社)

次に、海外のグループ会社ですが、このスライドにあるように中国には当社製品の販売会社と生産工場の2社の他、韓国、インド、タイ、アメリカと合計6社あります。また欧米・台湾・ASEAN地域にも代理店があり、世界に向けても当社の製品や技術をお届けしています。
沿革

このスライドは、当社の沿革です。冒頭にもお話ししましたが、1913年に創業し、事業を拡大しながら、今日に至っています。
1986年には、設立50周年を機に、社名を「千野製作所」から「チノー」へ変更しました。
2011年には、藤岡事業所に生物多様性の保全を目的としたビオトープを開設し、環境保全活動にも継続して取組んでいます。
また、2022年4月には、東京証券取引所の市場再編に伴い、プライム市場へ移行しました。
さらに、2025年4月には、ビオトープをはじめとする工場緑化活動や地域社会への貢献が評価され、「緑化推進運動功労者 内閣総理大臣表彰」という最高賞を受賞しています。
そして、当社は今年8月1日に創立90周年を迎えます。これまで支えていただいたお客さま、お取引先さま、株主のみなさまをはじめ、多くの関係者のみなさまに心より感謝申し上げます。
企業理念と経営ビジョン

当社は、企業理念にもあるように、温度を中心とした「計測・制御・監視」の技術を通じて、お客さまの課題解決を支援し、産業の発展と社会に貢献することを目指しています。
この経営ビジョンは、2021年度にスタートした中期経営計画で定めたもので、今年度がその最終年度になります。
「共創」「特長」「信頼」の3つをコアバリューとして、このビジョンの実現に向けて事業を進めています。
2. 事業の概要

続いて、当社の事業の概要についてご説明します。温度計測というと、身近なところでは体温計などがありますが、当社の扱っている製品は、ものづくりの現場や研究・開発用途向けのBtoBが主力となっています。
当社グループの事業セグメント

当社は設立以来、温度を中心とした技術で、幅広い産業分野のお客さまの課題解決を支援してきました。
あらゆるものづくりや研究開発の現場では、温度を正確に管理することが、品質や性能、安全性の向上に欠かせません。
当社では、センサから計測・制御機器、システムまで幅広い製品・技術を取りそろえ、お客さまに最適なソリューションをご提供しています。
当社グループの事業セグメント

当社グループの事業は、大きく4つのセグメントに分かれています。計測制御機器、計装システム、センサ、その他の4つになります。
これから、各セグメントの製品についてご説明します。
<計測制御機器>

まず、計測制御機器です。このセグメントには、温度などを記録・監視する「記録計」、温度制御などに使われる「調節計」、調節計からの信号でヒータなどの熱源を操作する「電力調整器(サイリスタレギュレータ)」、そして温度などを計測するロガーなどのラインナップがあります。
<計装システム>

次に、計装システムです。当社は、お客さまのニーズに合わせて、機器やセンサをアプリケーションソフトも含めて最適に組み合わせた計装システムをご提供しています。
特長ある技術を活かし、30年以上にわたって、車や次世代の電源などで使われている水素と酸素から電気を起こす燃料電池の性能を評価する試験装置をご提供してきました。
また、その水素を作る水電解装置の評価装置や車や家電のエアコンで使われるコンプレッサの性能を試験する装置、また、ものづくりの現場における生産設備全体の温度制御や機械の稼働率、設備の異常などをモニタリングするシステムをはじめ、機器・センサなどを組み合わせて、お客さま現場の課題を解決するためのシステムをご提供しています。
<センサ>

続いてセンサです。当社のセンサには、物体に接触して温度を測定するセンサと、物体から放射している赤外線エネルギーを捉えて温度に変換する非接触の放射温度計や熱を2次元で捉えて温度分布を画像化する熱画像装置(サーモグラフィ)、また赤外線によるセンシング技術を利用した水分計や成分計、そのほか湿度計、CO2濃度計、水素濃度計などがあります。
セグメント別売上高

この円グラフは、今ご説明した各セグメント別の2026年3月期の売上構成です。年度によって多少の変動はありますが、今ご説明した3つのセグメントが約30パーセントずつを占めています。
その他は、修理や校正サービスなどになります。
地域別売上高

この円グラフは、2026年3月期の地域別の売上高ですが、海外売上高は約23パーセントで、主な販売地域は中国と韓国になっています。
3. チノーの強み

続いて、事業を展開する上での当社の強みについてご説明します。
事業の特長 ループソリューションによる顧客価値の創造

当社の製品は、主に製造業のお客さま向けです。当社グループでは、自動車・航空機、エネルギー、半導体・電子部品、医療・医薬、鉄鋼など、ご覧のように幅広い業種のお客さまに対し、現場の課題解決のためのセンサ・機器・システムをご提供しています。
当社は、温度を「測る」「制御する」「記録・監視する」ためのセンサや機器、そしてそれらを統合するシステム化の技術をすべて備えています。
そのため、お客さまの課題に応じて、最適な「ループソリューション」をワンストップでご提供できることが、当社の強みになります。
ループソリューションとは

ループソリューションについてご説明します。このスライドは、産業のさまざまな分野で使われる電気炉で、材料を熱処理している様子を示しています。
このような現場では、単に温度を測るだけでなく、品質を安定させるための温度制御や、その状態を記録・監視することも必要です。
このように、現場では「測る」「制御する」「記録・監視する」という一連の流れで管理されています。
当社は、この一連の流れを支えるセンサ・機器・システムをワンストップでご提供しています。これを、当社では「ループソリューション」と呼んでおり、他社にはない当社の強みの1つになっています。
なお、「ループソリューション」は当社の登録商標になります。
校正事業、標準温度センサ(世界29か国で採用)

また、長年にわたり世界29ヶ国の国研などへの標準温度センサの提供や、測定温度の確度を担保する校正装置の提供など、高度な技術領域でも実績があります。
このような幅広い温度領域への対応力、高い技術力と信頼性も当社の大きな強みとなっています。
当社の強み

このように、当社は高度な温度管理をコア技術として事業を展開しています。マイナス269度の極低温から3,500度の超高温まで対応する温度センシング技術と、計測・制御・監視が一体となった「ループソリューション」を強みに、さまざまな産業のお客さまをご支援しています。
これらの技術を基盤に、AI需要の拡大を背景とした半導体・電子部品分野をはじめ、自動車、エネルギー、医薬、食品など幅広い産業のお客さまの品質、生産性、安全性の向上に貢献しています。
また、燃料電池や水電解、次世代電池などのGX(グリーントランスフォーメーション)関連分野においても、評価試験装置や高度な温度計測技術を通じて、産業の発展に貢献しています。
今後も、こうした取組みをさらに広げ、事業の拡大につなげていきます。
4. ソリューション事例

それでは、どのような場面で当社の製品が使われているかについて、いくつか事例をご紹介します。
産業別ソリューション

先ほどお話ししたように、温度はさまざまな現場で管理されますので、当社のお客さまは多岐にわたっています。温度に関しては、現場ごとに異なる課題があります。
温度帯別ソリューション

このスライドは、当社が提供しているソリューションを温度帯別に整理したものです。
必要とされる温度帯は産業やお客さまの用途によって大きく異なりますが、当社は極低温から超高温まで対応できる技術を強みに、幅広い産業分野のお客さまを支援しています。
ここでは5つほど、事例をご紹介します。
半導体関連(製造プロセスの温度管理)

まず、これは当社の製品が半導体プロセスに使われている事例になります。半導体プロセスには数多くの工程がありますが、当社の製品は従来、いわゆる前工程でよく使われています。
これは、シリコンやSICの結晶を引き上げている様子で、当社の赤外線放射温度計を長時間にわたった厳密な温度管理にお使いいただいている例になります。
半導体関連(人工ダイヤモンド生成時の温度監視)

今の事例と同じような例になりますが、人工ダイヤモンド製造時の温度管理に当社の放射温度計が活用されている事例です。
人工ダイヤモンドは、宝飾用途に加え、半導体や量子技術などの先端分野でも注目されています。
高品質な結晶を安定的に成長させるためには精密な温度管理が不可欠であり、当社の放射温度計がその温度監視に活用されています。特に、人工ダイヤモンド産業が拡大しているインドや中国で採用が進んでいます。
航空機・自動車関連(金属熱処理温度管理)

次に、航空機・自動車産業における事例になります。航空宇宙産業には、部品・部材製造時の温度管理基準に関する規格があります。また、自動車産業にも熱処理設備の高温計測に関する規格があります。
この両方の規格ともに①センサの校正精度、②デジタル記録であること、などの品質管理上のルールが定められています。
当社としても、自動車・航空機部材のサプライヤーさまがそれらの規格に対応することができる機能を搭載した記録計・グラフィックレコーダをいち早く販売開始し、各現場でご採用いただいています。
医薬品関連(血液保管庫の温度監視)

次に、健康や人命に関するソリューションの事例として、血液保管庫の温度監視システムがあります。
医療・医薬品関連の保管管理では当然のことですが、確実にかつ正確に行うことが必要で、特に血液や血液製剤などの温度管理には、このような当社の温度をモニタリングするシステムが重宝されており、血液センターの血液保管庫などで数多くご採用いただいています。
万が一、保管庫が故障したり、保管庫の扉が開けっ放しになって温度が高くなったりするような場合には、警報やメールを発信して、速やかに対処できるといったようなシステムになります。
また、コロナワクチンの保管・管理にも、このようなシステムをご利用いただいています。
DX関連(製造現場の遠隔監視)

次に、各企業におけるDX関連事例になりますが、現場では、自動化・効率化・見える化・働き方改革などを目的としたデジタル化が進められています。
当社では、センサや機器を無線・有線でネットワーク化した、現場全体を集中監視するシステムをご提供し、今申し上げた課題解決を支援しています。
このような案件では、お客さまによってご要望が異なりますので、当社のエンジニアリング力を活かしたシステム構築で、それらのご要望に対応しています。
その他のソリューション事例

その他さまざまなソリューション事例については、Appendixや、当社ホームページに掲載していますので、ぜひご覧いただければと思います。
5. 決算概要

ここから2026年3月期の決算についてご説明します。
当期の日本経済は、好調な米国経済を背景におおむね安定して推移していましたが、年度末には中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や金融市場の変動性の高まりなどにより不確実性が増し、先行きの不透明な状況が継続しました。
決算ハイライト

そのような状況の中での当期の連結業績ですが、受注高は302億3,900万円(前期比1.7パーセント増)、売上高は316億4,800万円(同7.9パーセント増)となりました。
利益面では、増収効果および継続的な原価低減活動の成果により、営業利益は32億2,500万円(同12.0パーセント増)、経常利益は33億2,600万円(同9.6パーセント増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億4,200万円(同2.5パーセント増)となりました。
売上高および各利益はいずれも過去最高を達成しています。ちなみに、売上高と各利益については4期連続で過去最高を更新しています。
セグメント別業績 計測制御機器

セグメント別の業績について、ご説明を加えていきます。
計測制御機器セグメントの実績は、売上高は96億800万円、セグメント利益は14億7,900万円とわずかながら減収減益となりました。
主に半導体・電子部品の製造設備や熱処理装置向けを中心に需要が堅調でしたが、特定顧客向け製品の一時的な需要低迷により、減収となりました。
利益面では、売上高の減少などにより減益となりました。
セグメント別業績 計装システム

次に、計装システムです。売上高は116億9,500万円、セグメント利益は16億6,300万円と増収増益となりました。
内容としては、脱炭素関連・エネルギー分野を中心に、燃料電池評価試験装置や水電解評価装置の需要拡大に加え、自然冷媒対応エアコンの需要増を背景にコンプレッサ評価試験装置の売上が伸長したことなどにより、増収となりました。
また、利益面では主に増収効果により増益となりました。
セグメント別業績 センサ

続いてセンサセグメントです。売上高は91億8,800万円、利益が20億9,800万円と増収増益となっています。
内容としては、電子部品の製造装置や熱処理加工向けを中心に需要が堅調であったことや、グループ会社の明陽電機の売上高が増えたことなどにより増収となりました。
また、利益面では、増収効果などにより増益となりました。
FY2026の業績予想(2026年5月14日発表)

次に、2027年3月期の業績予想についてですが、売上高は前期比で2.7パーセントプラスの325億円、営業利益は同じく2.3パーセントプラスの33億円です。
6. 今後の取組み

ここから、当社の今後に向けた事業活動における方針・方向性について簡単にご説明します。
事業環境認識

まず、ご案内のとおり、当社を取り巻く事業環境は、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、SX(サステナビリティトランスフォーメーション)の進展に加え、地政学的リスクの高まりなどにより大きく変化しています。
一方で、AI・半導体、水素・脱炭素、車の電動化などの成長分野のお客さまでは、設備投資や研究開発投資の拡大が継続しています。
企業に要請される価値

また、お客さまや社会からは、経済価値だけでなく、環境価値や社会価値の創出も強く求められています。
当社は、温度を軸とした技術を通じて、産業の発展や社会課題の解決に貢献しながら、持続的な企業価値向上の実現を目指しています。
2026年度の設備投資(大企業)の状況

当社の業績は、製造業を中心としたお客さまの設備投資動向の影響を受けます。2026年度の設備投資については、日銀短観によると全産業ベースで前年度比11.5パーセント増が計画されており、設備投資需要は引き続き堅調に推移するものと見ています。
一方で、中東情勢、利上げなど外部環境の不確実性は高まっており、今後の市場動向については慎重に見極めながら事業運営を進めていきます。
水素社会実現に向けた政策

また、GXの進展を背景に、水素関連市場は今後大きな成長が期待されています。日本政府も「水素基本戦略」のもと、15年間で15兆円を超える投資を計画しており、水素の供給・利用基盤の整備を推進しています。
当社は、燃料電池評価試験装置や水電解評価装置を通じて、水素社会の実現に貢献するとともに、今後の事業機会の拡大につなげていきます。
水素社会に向けた事業活動

水素社会の実現に向けては、「作る・運ぶ・貯める・使う」といったサプライチェーン全体の整備が進められていますが、生産性向上やコスト低減など、解決すべき課題も多く残されています。
当社は、燃料電池評価試験装置や水電解評価装置をはじめ、各種センサ・計測機器を通じて、水素関連分野の研究開発と社会実装を支援してきました。
今後も、水素関連市場の発展に貢献するとともに、事業機会の拡大につなげていきます。
成長市場の開拓

水素分野に加え、AI・データセンター需要を背景とした半導体・電子部品分野や、電動化の進展に伴う次世代電池・新素材分野は、当社にとって重要な成長市場と位置付けています。
これらの分野では、高度な温度管理が不可欠であり、当社の強みを発揮できる分野であると考えています。
今後も、温度を軸とした「ループソリューション」をグローバルに展開し、成長市場での事業拡大と企業価値向上を目指していきます。
政府(高市政権)の成長戦略(戦略17分野)

設備投資に関して付け加えることとして、政府は、官民投資を重点的に促進する成長分野として、AI・半導体、航空・宇宙、造船、マテリアル、先端医療、GXなどの戦略分野を掲げています。
当社グループとしても、こうした重点投資分野を有望な成長市場と捉えています。
温度計測・校正・熱マネジメント技術を通じて、お客さまの研究開発や生産活動を支援し、事業機会の拡大を図っていきます。
海外(地域別重点市場)

海外事業では、中国・韓国を重点地域、ASEAN・インドを成長地域と位置付け、事業拡大を推進しています。
まず、地域ごとの市場ニーズに対応した製品の展開です。半導体製造装置、人工ダイヤ製造装置、航空機材料向け熱処理分野などを重点市場とし、放射温度計を中心に販売拡大を進めています。
そして、地産地消の推進です。中国の製造拠点を活用しながらASEAN・インド向けの供給体制を強化し、現地ニーズに対応した製品展開を進めています。
これらの取組みなどにより、海外売上の拡大と収益基盤の強化を図っていきます。
7. トピックス

次にトピックス、みなさまへのお知らせになります。
共同開発(「電動車両の熱マネジメント評価装置」)

当社は株式会社小野測器さまと協業し、電動車両開発時に使用する「熱マネジメント評価装置(T-VRS)」を共同開発しました。
この装置は、車両に搭載される熱マネジメント関連部品であるモーターや電池、冷却系機器などを実車がなくても評価できることが特長になります。
当社は、さまざまな試験環境を再現する部分を担当しています。それに、小野測器さまの車における多くの物理量計測と解析技術を融合したシステムになります。
これにより実車を用いずに開発・評価を行うことが可能となりますので、開発期間が大幅に短縮されることになります。小野測器さまの強みと当社の強みを掛け合わせた、いわゆる共創の成果となります。
TOKYO MX2「企業魂」にて紹介

次に、6月30日にTOKYO MXの「企業魂」というテレビ番組で当社が紹介されました。「どんな会社か」「当社製品の誇るところ」などが10分ほどにまとめてあります。
スライド右下のQRコードでアクセスいただきますと「YouTube動画」が見られます。ぜひアクセスしていただき、当社グループについてご理解をたまわればと思います。
健康優良企業「金」の認定

続いて、健康経営への取組みについてご説明します。当社は、従業員の健康増進に積極的に取組む企業として、2025年12月に「健康企業宣言『金』の認定」を継続して取得しました。
また、キャリア自律を支援する研修や面談機会の充実、勤務間インターバルの確保などを通じて、働きやすい職場環境の整備を進めています。
今後も、従業員が健康で能力を最大限発揮できる環境作りを推進し、持続的な企業価値向上につなげていきます。
8. 株主還元等

続いて、株主さまへの還元施策についてです。
株主還元(配当方針)

配当方針については、中期経営計画の最終年度である2026年度の配当性向を40パーセントまで引き上げていくことを目指し、持続的な利益成長を通じて増配を実現していくことを基本方針としています。
株式分割

また、投資単位を引き下げ、株式流動性の向上・投資家層の拡大を図るために、2025年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割も行っています。
株主還元(株式分割後ベース)

このグラフは、配当金の推移を示しており、株式分割後ベースのグラフとなっています。
2025年度の年間配当は、先ほどの配当方針に基づき、2024年度より2.5円増配し、1株当たり42.5円となりました。
また、2026年度の年間配当は、2025年度より17.5円増配の予想で、90周年の記念配当10円を含め1株当たり60円としています。
自己株式の取得

さらに、株主さまへの還元を強化するとともに資本効率の向上を目的として、2025年11月の取締役会において、総額13億円、上限86万株の自己株式取得を決議しました。
2026年6月末時点の取得実績は、52万株、7億9,300万円となっており、取得枠に対する進捗率は株数・金額ともに約60パーセントとなっています。
株主優待制度①

そして現在実施している株主優待制度の概要ですが、株主さまの日頃からのご支援に感謝するとともに、当社株式への投資の魅力を一層向上させ、より多くの株主さまに、中長期的に保有していただくことを目的として導入しています。
このスライドに記載のとおり、毎年3月末時点で300株以上を保有する株主さまを対象に保有株式数に応じてポイントを贈呈し、Webサイト「チノー・プレミアム優待倶楽部」において、食品・電化製品等、5,000種類以上の商品と交換できるようになっています。
株主優待制度②

付与ポイントについては、先ほどご説明した2025年10月1日付けの株式分割のタイミングで株主優待制度の対象となる最少保有株式数を引き下げ、この表の赤枠箇所の株主さまを新たに株主優待制度の対象とし、従来と比べ、利用しやすい制度としました。
このスライドの株主優待ポイント表ですが、株式分割後の2026年3月末が基準日となっています。
株価推移(株式分割後ベース)

このグラフは当社株価の過去10年間の推移になります。当社の株式は6月30日終値で1,623円、時価総額は300億円でPERは12.36倍、PBRは1.16倍となっています。
また、この株価での売買最低代金は16万2,300円になります。是非、当社株式の保有をご検討いただければと思います。
「チノーレポート2025」を発行

続いてのお知らせですが、2025年10月に年次統合報告書である「チノーレポート2025」を発行しています。当社のホームページに掲載していますので、みなさまにもぜひご一読いただき、さらに当社グループについてご理解をたまわればと思います。
当社ホームページのご案内

最後に、当社ホームページのご案内です。ホームページには、当社の事業紹介、サステナビリティに対する取組みのほか、トピックスやIR情報も随時開示していますので、お気軽にアクセスしていただければと思います。
Appendix

Appendixとして、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」「人的資本」「サステナビリティへの取組み」等を記載しています。
当社は、温度をコア技術として、今後も持続的な成長と企業価値の向上を目指していきます。
私からのご説明は以上となります。本日は、最後までご清聴いただき、ありがとうございました。
質疑応答:身近な製品について

質問:御社の製品は産業用向けが多いとのご説明がありましたが、我々の身近なところで目にするような製品はありますか?
回答:ご質問ありがとうございます。このスライドは、熱中症対策を支援する監視システムで、みなさまの中にはもしかしたら、ご覧になったことがあるかもしれません。
2025年6月の改正労働安全衛生規則の施行により、事業者には職場における熱中症対策が義務化されました。当社の熱中症監視システムは、暑さ指数(WBGT)をリアルタイムで測定・監視し、熱中症リスクの見える化を実現したものになります。
学校、テーマパーク、工場など幅広い現場で導入が進んでおり、作業者や利用者の安全確保に貢献しています。
猛暑が常態化する中、当社の計測技術は、安全・安心な社会作りを支えるソリューションとしても活用されています。
質疑応答:強み(赤外線技術)について

質問:スライド14ページのセンサ事業の説明で、湿度計や二酸化炭素や水素の濃度計の取り扱いがあるとご説明いただきました。それらの製品は、温度とは関係ないように思うのですが、なぜ、御社で生産・販売されているのでしょうか?
回答:ご質問ありがとうございます。放射温度計は物体から発する赤外線をセンサで検出し電気エネルギーに変換して温度を計測しています。
少々専門的な話になりますが、赤外線は電磁波つまり光の一種で、ある物質によって透過したり吸収したりする特性があります。
そのような赤外線の特性を利用する技術や当社が長年培ってきたノウハウを応用することにより、温度とは異なる湿度、二酸化炭素濃度、水素濃度、水分量やいろいろなフィルムの厚さなどを計測することができるようになっています。
このような、赤外線技術も当社の強みとなっています。
質疑応答:中期経営計画の進捗状況について

質問:御社は今年度が現在の中期経営計画の最終年度とのことですが、2026年3月期の中期経営計画に対する進捗状況を教えてください。また、次期の中期経営計画は検討されていますか?
回答:ご質問ありがとうございます。中期経営計画は、2021年度にスタートし、創立90周年になる今年度までの6年間でスライド左側にあるKGI(目標)を掲げて活動してきています。

中期経営計画の進捗状況ですが、これまで、開発戦略・営業戦略、生産性向上などを、具体的なアクションプランに落とし込んで改善・改革に取組んできました。
その成果を数値面でみると、売上高は、2027年3月期300億円の目標を1年前倒しで、営業利益は、27億円の目標を2年前倒しで達成しています。
今年度も、中計の目標値をさらに上回る計画値を立てて、その達成に向けて取組んでいます。
また、次期の中期経営計画については、現在策定を進めているところですが、現中期経営計画の進捗状況や事業環境の変化を踏まえ、持続的な成長と企業価値向上に向けた重点施策や経営目標の検討を進めているところです。
質疑応答:女性管理職比率について

質問:女性の活躍や登用について、御社の取組みと今後の方針を教えてください。
回答:ご質問ありがとうございます。65ページのスライドでご説明します。
当社では、女性活躍推進を重要な経営課題の1つと認識しています。女性管理職の割合ですが、このグラフにあるとおり、毎年少しずつ上昇し、2026年3月末では5.7パーセントとなっています。
女性の活躍・登用の取組みですが、2025年度には、女性従業員を対象としたキャリアデザイン研修を実施し、中長期的なキャリア形成や管理職登用に向けた意識醸成にも取組みました。
今後については、女性管理職候補者に対する計画的な育成を進めるとともに、より幅広い業務経験やマネジメント経験を積む機会を拡充することで、人財の強化に取組んでいきます。
こうした取組みを通じて、将来の女性役員候補者の育成を進め、経営層・管理層における多様性の確保と企業価値向上につなげていきたいと考えています。
質疑応答:中東情勢による影響について
質問:中東情勢の悪化により、ナフサ価格が上昇していますが、御社への影響について教えてください。
回答:ご質問ありがとうございます。ナフサ価格は上昇していますが、生産上の大きな問題はありません。
ただ、仕入で一部影響があります。現時点で、仕入に影響が出ている原材料としては、樹脂、塗料、梱包資材などがあります。これらを使用した部材の値上げや納入遅延などの連絡を仕入先から受けています。
その対応ですが、仕入先との連携による代替品確保や、また新規調達先の開拓により、引き続き生産活動への影響を最小限にするよう、リスク対策に取組んでいきます。
質疑応答:製品(シェア)について

質問:御社が販売する製品の競合先と業界シェアについて教えてください。
回答:ご質問ありがとうございます。76ページのスライドでご説明します。
当社製品すべてにわたる調査結果はありませんが、計測・制御機器関係の製品別のシェアについては富士経済さまが調査をされています。実際には富士経済さまが各メーカーに聞き取り調査するわけですが、2024年の販売実績について調査した結果を公表されていますので、ご紹介します。
国内市場シェアで、販売金額・販売数量ベースの調査結果になります。販売金額で比較すると、記録計は横河電機さま、キーエンスさまと当社の3社でほぼ90パーセントになり、当社は国内市場シェア15.3パーセントで国内3位となっています。
調節計は数多くの企業がそれぞれの得意分野で展開していますが、7社でほぼ90パーセントとなっており、当社のシェアが5.7パーセントで5位となっています。
電力調整器ですが、こちらも7社ほどで90パーセントのシェアになります。電力関係で強い富士電機さまがトップで、当社は市場シェア19.9パーセントで国内2位となっています。
なお、これらのシェアは企業ごとに得意分野や市場の違いもありますので、このデータも、そうした背景を踏まえてご覧いただければと思います。
当社は、特に高精度な温度管理が必要な金属材料などの熱処理関連のお客さまに強みを持っている点が特徴になります。
なお、放射温度計については、国内トップクラスのシェアを有していると認識しています。
質疑応答:人的資本について

質問:近年、企業は、経営戦略と人財戦略を連動させることが求められていると思いますが、御社の人財戦略の取組みについて教えてください。
回答:ご質問ありがとうございます。このスライドは経営戦略の全体像になります。
当社グループは、事業を通じて、「産業の発展」「脱炭素社会」「安心・安全な社会」の実現に貢献することを経営戦略の中核に据えていますが、その実現を支えるのは人的資本であると認識しています。
とりわけ、先端計測技術やデータ活用の高度化を担う人財の育成は重要で、専門性の高い技術者の採用強化や社員のリスキリングを推進し、計測・制御・監視技術の高度化とDXを推進する人財の育成に取組んでいます。
また、人財の最適配置や、多様性を尊重する企業風土の醸成を通じて、変化の激しい市場環境への適応力の強化を図っています。

2025年度は、人財の確保と育成としてこのスライドの下の表に記載している「幹部候補者の育成」「管理職のスキル向上」等を実施しました。
また、当社は、2027年度に公平かつ生産性の向上につながる人事制度の再構築を予定していますが、その導入準備作業も2025年度に行いました。

また、多様な人財が能力を最大限に発揮し、活き活きと活躍できる職場環境整備のため、2025年度は、組織改善サーベイの結果に基づく職場単位のPDCA活動を行い、従業員エンゲージメントの継続的な改善に注力しました。
今後も当社グループは、経営戦略に基づく人的資本投資と、その成果の可視化および継続的な改善サイクルの実行により、企業価値の持続的向上につなげていきます。
質疑応答:円安の影響(業績)について
質問:足元では為替相場が円安基調となっていますが、御社の業績への影響について教えてください。
回答:ご質問ありがとうございます。当社グループの国内企業においては、輸出と輸入の面では、外貨建ての金額の収支はほぼバランスがとれており、為替の変動が業績に与える大きな影響はありません。
また、海外グループ会社の売上高については、連結決算上、外貨から円に換算しますので円安はプラスになります。
豊田氏からのご挨拶
本日はみなさまには、お忙しい中、当社のWebセミナーをご視聴いただき、誠にありがとうございました。
みなさまには当社の強みや事業内容について、ご理解いただけたでしょうか?
本日の説明資料と合わせて、当社のホームページもぜひご覧いただき、当社グループについて、さらにご理解を深めていただければ幸いです。
本日は、長時間にわたりお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
