株式会社オーディオストック(621A)の東証グロース上場を記念した記者会見が行われ、代表取締役社長の西尾周一郎氏と取締役COOプラットフォーム本部長の山口真央氏、取締役CFOコーポレート本部長の八木俊氏が登壇しました。
企業情報
設立:2007年10月
事業内容:音源ライツビジネスプラットフォームの運営
登壇者名
株式会社オーディオストック 代表取締役社長 西尾周一郎 氏
株式会社オーディオストック 取締役COOプラットフォーム本部長 山口真央 氏
株式会社オーディオストック 取締役CFOコーポレート本部長 八木俊 氏
上場記者会見
西尾周一郎氏(以下、西尾):株式会社オーディオストック代表取締役社長の西尾と申します。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
当社は本日、2026年9月16日に東京証券取引所グロース市場に上場しました。今日は事業内容と今後について、お話ししたいと思います。よろしくお願いします。
まずは事業内容についてです。お手元の「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」は、本日開示した資料です。
MISSION クリエイターの持続的な創作活動をサポートする
あらためまして、株式会社オーディオストックと申します。設立は2007年10月11日で、創業から来月で丸19年となります。
本社は岡山に所在し、東京と岡山の2拠点で事業を展開しています。私は創業以来、一貫して代表取締役社長を務めています。
ビジョンとして「クリエイターがもっと活躍できる世界に」を掲げています。事業内容は、「音源ライツビジネスプラットフォーム」という表現を用いていますが、クリエイターが制作した音源の使用権、すなわちライセンスの販売および著作権収入などを得るライツビジネスを展開しています。
ビジネスモデルは大きく分けて、課金収入と著作権等収入の2つがあります。こちらについては後ほどご説明します。
会社情報 ボードメンバー

ボードメンバーをご紹介します。私はこのスライドページが意外と気に入っています。本社が岡山にある理由についてよく聞かれるのですが、私は岡山大学在学中に創業し、いわゆる職歴がない状態からスタートして、現在で18年が経過しています。
取締役COOの山口は、岡山を代表する両備グループのシステム部門である株式会社両備システムズに入社後、2009年に当社に入社しました。2018年より現在の役職に就いています。もともとは開発をメインに行っていましたが、現在はナンバー2としてオペレーション全般を管理しています。
取締役CFOの八木は、株式会社中国銀行に入行後、2021年に当社へ入社しました。当社ではコーポレート本部長として管理部門全般を統括するとともに、今回の上場準備の責任者として事業を遂行してきました。
したがって、キラキラしたキャリアや高学歴の役員が集まっているわけではなく、わりと地方の泥臭い感じの経歴を持つ3人が、まだまだこれからではありますが、ここまで1つの結果を残せたことを誇らしく思っています。
ビジネスモデル クリエイターが制作した音楽作品の著作権を管理・収益化する音源ライツビジネスプラットフォームを展開

当社は、クリエイターが制作した音楽作品の著作権を管理・収益化するプラットフォームを運営しています。
スライド左側に記載のクリエイターは、主に音楽家の方々です。彼らが制作した楽曲や効果音を、スライド中央に記載の当社でお預かりし、著作権の処理・管理を行います。そして、スライド右側に記載のユーザーやテレビ局、ラジオ局のほか、最近は「YouTube」をはじめ、YouTuberやYouTuber事務所、VTuber事務所、ゲームクリエイターなどにも楽曲・効果音を提供しています。
1つ目のビジネスモデルである課金収入は、当社でいういわゆるサブスクリプションです。「定額制プラン」という名称で販売しており、お客さまにサブスクリプションの料金をお支払いいただくことで、音源が使い放題になるプランを提供しています。こちらは、当社が直接代金を受領しています。
2つ目の著作権等収入は、テレビ番組やラジオ番組で当社の楽曲が使用された場合に、著作権管理事業者であるJASRACや株式会社NexToneが窓口として代金を徴収し、その後、当社の楽曲の使用分に応じて分配していただきます。要するに、著作権使用料や、一般的には印税と呼ばれるものです。
当社は、もともと課金収入からスタートし、その後、著作権等収入への取り組みを始めました。直近では、この著作権等収入の成長率が最も高く、利益への寄与が大きくなっています。
主要KPIハイライト

主要KPIハイライトです。2025年9月期の売上高は15億1,000万円で、その内訳は課金収入が6億円、著作権等収入が8億8,000万円です。
また、営業利益率が高いことも特徴の1つです。2024年9月期においては通期黒字化を果たしたばかりで4.3パーセントでしたが、2025年9月期には25.3パーセントと、高い営業利益率を出せる体制に移行してきています。
当社の費用構造は、音楽家の方への報酬の支払いが原価として最も大きく、売上が増えるほど音楽家の方への報酬支払いは大きくなりますが、人件費やシステム・サーバー費用などは売上に連動して増えるものではありません。
特に、当社の音楽著作物はすべて自社開発のシステムで管理・運用しており、売上が増えてもそのコストが大幅に上がらないことが、高い利益率を維持できる要因の1つとなっています。
Audiostock事業(課金収入及び著作権等収入共通)クリエイターが制作した楽曲・効果音等の音源のライセンス販売サービス 購入した音源は番組、広告、SNSなどで商用利用可能

当社プラットフォームの強みとして、100万点以上の音源を保有していることが挙げられます。
特に「YouTube」を配信している方やテレビ番組を制作している方など、他社の番組や他の方のコンテンツとかぶらず、オリジナリティのある音楽を使用したいという需要が非常に多いため、多様なラインナップを展開している点が当社の強みの1つです。
また、安心して利用できるという点も特徴です。著作権に関してはコンプライアンスが重視される時代であり、権利が明確でお客さまに安心して利用いただける体制を整えることに力を入れています。これについても高い評価をいただいています。
さらに、充実した機能、特に検索部分に力を入れています。日本人が検索しやすいシステムとして、例えば、鐘を鳴らす音を「カーン」という言葉で検索すると、本当に「カーン」という効果音などを見つけられるようになっています。日本人の制作者が非常に使いやすいようにチューニングしており、このようなシステムに重点を置いて取り組んでいます。
スライドの下部には、当社が取り組んできた業界の課題を細かくまとめています。最近では、個人で活躍したり発信したりする場が増えており、それに伴って個人の音楽家も増加しています。
クリエイターの方からすると自分の作品をいかにマネタイズしていくかという課題があります。
あるいは、著作権の管理や収益化、そしてどのような方法が最も収益化を進めやすいのかといった点について、個人の音楽家の方々が手を回すのは難しい状況です。そのような課題をすべてサポートするのが当社の特徴です。
また、ユーザーの方においては、動画やゲーム製作など音源を使用する場面が非常に多くあります。一方で、著作権の取り扱いが難しく理解しにくい、あるいは許諾を取る作業が面倒くさいと感じられるケースも多いのではないでしょうか。
当社では、「Audiostock」をご契約いただければ、著作権に関する複雑な手続きを気にすることなくご利用いただけるというコンセプトを掲げています。このようにして、安心してご利用いただける環境を提供できていると考えています。
成長戦略 課金収入を基盤として、音源のライツを活用した収益の重層化による事業の拡大を目指す

成長戦略についてです。
基本的な戦略としては、現在安定して収益を得ている課金収入、いわゆるサブスクリプションの部分を基盤に、音源のライツ、つまり著作権の部分をいかに伸ばしていくかを掲げています。
短期的には、テレビ番組やラジオ番組で当社の音楽をご利用いただいているケースが非常に多く、収益も大きくなっています。ここにはまだ拡大余地があるため、さらに伸ばしていきます。
一方で、中長期的には、この業界でいうインタラクティブ関連収入、いわゆる「YouTube」やインターネット配信に関わる部分を伸ばしていきます。
その著作権の分野は、当社にとってまだこれからの領域です。ここを確実に取り込むことが、今後の中長期的な成長の原動力になると考えています。
また、新規事業や音源の買収を含むM&Aなど、上場後に取り組むべき課題が多くあります。これらの取り組みを通じて、成長を進めていきたいと考えています。
成長戦略 中長期戦略 著作権等収入の新たな領域への拡張

スライドには、今申し上げた内容の一例を示しています。他社IPとのコラボレーションや「YouTube」チャンネルとの連携により、収益を拡大する取り組みをまとめて記載しています。
成長戦略 中長期戦略 グローバル展開(Audiostock海外版)

グローバル展開についてです。当社は日本のすばらしい音楽家の作品を多数保有しており、それを世界に発信する観点から、グローバル展開は非常に注力したいポイントの1つです。
現時点でも「Adobe Express」や「Wondershare Filmora」といった大きな顧客基盤を持つプロダクトとシステム連携を進めていますが、今後もそのような大手プラットフォームとの連携をさらに強化していきたいと考えています。
また、「Audiostock 海外版」という海外仕様の製品もリリースしているため、このような取り組みを通じて海外の顧客を拡大していきます。
特に当社では、アニメ風の音楽やゲーム音楽、コアファン向けのものも含め、海外の競合サイトにはないコンテンツを有しています。このような日本らしいコンテンツを世界に発信し、多くの方にご購入いただくことで、日本の音楽家の方々が海外でもしっかり収益を上げられる場を作っていきたいと考えています。ここも取り組んでいきたいポイントの1つです。
開示した決算情報について
本日開示した決算情報についても触れたいと思います。「東京証券取引所グロース市場への上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」に、2026年9月期の業績予想を記載しています。
なお、今期は今月で終了しますが、売上高は17億5,300万円、営業利益は4億4,400万円、経常利益は4億3,400万円、当期純利益は3億2,700万円となる見込みです。売上高、営業利益、経常利益ともに前年度より成長しています。
一方、当期純利益について、2025年9月期は4億3,900万円でした。こちらは過去の累積損失に関わる税効果会計等の影響で、実力以上に純利益が計上されたためです。その影響が平準化されたため、今年度は若干減少しているように見える状況です。
今後は、過去の累積損失も解消されていく中で、これらも平準化される見込みですので、引き続き注視していただければと思います。
最後に、今回の上場への期待についてお話しします。よく言われることではありますが、資金調達能力の向上と信用力の向上、この2つを活用して事業を展開していきたいと考えています。
資金面で最も注力したいこととして、音源の購入と収集を挙げています。未上場の段階でも楽曲などの優れたコンテンツを保有する企業から、何件か事業譲渡に近いかたちで音源を買い取っています。上場後は、より有名な音楽家の作品や、より規模の大きなものを譲受していきたいと考えています。
その際には、やはり資金調達が必要となります。市場からの直接金融はもちろん、銀行などの金融機関からの間接金融でも、上場することで資金の借り入れが容易になると考えています。そのような取り組みを進めていきたいと思います。
また、特に音楽家の方々にとって、自分の子どものように大切な作品を当社に預けていただくことになります。上場することで信用力が向上し、安心してお預けいただけるようになると期待しています。
さらに、音源をご利用いただくお客さまにとっても、信用力の向上により、安心してご利用いただけるようになると考えています。これにより、例えば商談の成約率が上昇することも期待しています。このように上場のメリットを活かし、さらなる事業展開を目指していきたいと思います。
簡単ではありますが、以上で私からの説明とします。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:2025年9月期のクリエイター報酬増加の背景について
質問者:2025年9月期のクリエイター報酬額については、かなりの伸びがあるように思います。背景として著作権等収入の急成長があるかと思いますが、そのあたりについてもう少し詳しく教えていただければと思います。
西尾:スライド右下のグラフをご覧いただくとわかるとおり、当社はもともと2019年9月期時点では課金収入のみでした。この時期から準備を進めてきた結果、2023年9月期頃から著作権等収入が増え、さらに2025年9月期には著作権に加え、新たな枠組みである著作隣接権でも収益を獲得できるようになりました。
これに伴い、売上が大きく成長し、また、売上の増加に応じてクリエイターに還元する報酬も増えているという背景があります。
質疑応答:生成AIによる作曲とその楽曲への対応について
質問者:生成AIによる作曲が、最近いろいろな問題になっているかと思いますが、そのような楽曲に対する向き合い方についてお聞かせください。現状、登録している曲などはありますか?
西尾:現状、当社のシステムでは、生成AIで作成したものの登録を禁止しています。生成AIで作られたものは権利関係が不確定な場合があるため、お客さまの安全を第一に、安心してご利用いただけるように、そのようなものはすべて除外している状況です。
短期的には、特にテレビ番組を制作している現場のお客さまから、「権利が明確で安心して利用できるものを使いたい」という声を多数いただいています。当社は人間が作った音楽を取り扱い、その権利の明確さを強みとしてご説明しています。そのため、短期的にはこの点を重視していきたいと考えています。
また、生成AIは今後さらに発展し、権利関係も明確になっていくと思います。しかし当社は、最終的に品質やクリエイティビティの高いものを作り上げるには、やはり人間が仕上げることが重要であると考えます。一部の工程やパートで生成AIを活用する場合でも、最終的な仕上げや製作の思想には人間が介在する必要があると考えています。
当社は高い技術を持った多くの音楽家を抱えています。そのため、生成AIと実力のある音楽家の組み合わせにより、高品質な楽曲を世に送り出せると確信しています。このように、生成AIの発展を見据えつつ、さまざまな対応を考えていきたいと思っています。
質疑応答:NexTone社との事業関係と今後の展開について
質問者:今回、親引け先としてNexTone社がいらっしゃいましたが、事業上の関係や今後の展開について、可能な範囲で教えていただけますか?
西尾:NexTone社とは、もともと上場前から取引額が著作権等収入の拡大により増加しています。そのため、今後はさらにNexTone社とともに事業展開を進めていく計画です。
特に、著作権管理事業者であるJASRACやNexTone社と連携しながら、一緒に事業を展開する場面が増えていくと考えています。そのような背景から、より資本関係も深めつつ取り組みを進める意図で、今回親引けの表明をいただき、ご出資をいただくに至りました。
ちなみに、NexTone社との取引金額が大きいことから、ロードショーなどで「取引額が依存しているのではないか?」といったご質問をいただくこともありました。取引金額だけで見るとそのように見えるかもしれませんが、NexTone社はあくまで著作権使用料を受領する窓口です。実際は、その先のテレビ局や「YouTube」側が著作権使用料を支払っています。
そのため、NexTone社にすべて集中して取引が依存しているという関係ではないと思っています。当社のような音楽のIPホルダー、つまり権利者として、JASRACかNexTone社のいずれかと必ず取引を行うという構造があります。そのため、NexTone社との関係をより強固にすることを目的として、今回は親引けを実施していただきました。
質疑応答:NexTone社とJASRACの関係および影響について
質問者:著作権管理事業者のNexTone社が親引けであるということで、JASRACとの関係において、どのような影響があるのでしょうか?
西尾:影響はおそらくないと思います。NexTone社は株式会社で上場もされていますが、JASRACはもともと半官半民のようなかたちで発祥しており、その規模や歴史を考えると、現在でもJASRACが圧倒的に多い状況です。
ただ、NexTone社は後発として登場し、例えばシステム連携がしやすいなど、当社にとってのメリットがあるため、最近はNexTone社との取引がやや増加しています。
しかしながら、当社は、NexTone社だけと取引するわけではありません。もちろんJASRACとも取引はありますし、NexTone社と資本関係があるからといって、JASRACに対してなにか特別な対応をするということはないと考えています。
質疑応答:著作権管理の現状と未登録楽曲への取り組みについて

質問者:著作権管理の分野で大きな成長を遂げられた時期があったかと思いますが、現在まだ管理されていない楽曲の数は全体でどのくらいの割合を占めるのでしょうか? また、これまで管理されていなかった楽曲がこのタイミングで一気に登録されたのか、それともまだ市場として未開拓の部分が残っているのかについて教えてください。
西尾:スライドグラフの緑色の層で示されている2023年9月期が非常に厚くなっているのは、当社がテレビ番組で使用された楽曲のモニタリングが可能となるシステムを導入したことによります。これにより、当社の楽曲がどの番組でどれだけ使用されているかを把握できるようになりました。
さらに、JASRACやNexTone社に未登録の楽曲に関しては、後追いで迅速に登録を行い、著作権使用料を確実に取得する取り組みを進めています。この取り組みの結果、2023年および2024年にかけて効率が向上し、業績が大きく伸びた背景となっています。
今後も、テレビ番組側が新しい楽曲を求めるニーズは高いと考えています。そのため、新しい楽曲を積極的に使ってもらうよう働きかけるとともに、すでに使用されることが見込まれる楽曲や優秀なクリエイターの作品については事前に登録を進め、それ以外の楽曲は後追いで登録するという運用を続けていきます。
特に、このオペレーションは今後も迅速な対応を続けることで、安定した成長を実現できると考えています。
質問者:今までは未登録の楽曲が放送されていたために、クリエイターに使用料が分配されないという状況があったものが、モニタリングによって適切に分配されるようになったという理解でよろしいですか?
西尾:そのとおりです。
質問者:すばらしいですね。
西尾:ありがとうございます。
質疑応答:グロース市場への上場の狙いについて
質問者:現在グロース市場に上場する企業が全体的に減少している中で、今回このタイミングで上場された狙いをあらためてうかがってもよろしいでしょうか。
西尾:やはり、当社はグロース企業であると考えていますし、グロース企業でありたいとも思っています。グロース市場の制度改革があり、時価総額を5年以内に100億円とする基準が示されましたが、率直におもしろい基準だと感じており、それを十分に上回る成長を目指していきたいと思っています。
今後、グロース市場が本当に成長企業だけが集まる市場になるという東証の意図を感じました。そのため、当社も「グロース市場で上場したい」という気持ちは変わらず、今回上場する運びとなりました。
しかしながら、当社はまだ時価総額が100億円に満たない企業ですので、基準となる5年とは言わず、2年から3年のうちに安定して100億円を超えることを目指したいと考えています。グロース市場でしっかりと成長していくことが、今回上場した理由です。
質疑応答:上場維持基準の変更に対する受け止めと成長への意気込みについて
質問者:上場維持基準が2030年から引き上がることについての受け止めと、成長に向けた意気込みをおうかがいしたかったのですが、今おっしゃっていただいたことに加えてなにかお話しをいただければと思います。
西尾:当社は利益を生み出せる体質になってきました。利益率が高いこともあり、上場企業としては売上規模は比較的小さいかもしれませんが、利益面では非常に創出できる体制になってきています。
PERなど当社がコントロールできない部分もありますが、少なくとも利益額をしっかり出すことで、数年以内に時価総額100億円規模の水準には十分達することができると考えています。しっかりと成長し、早期に100億円を突破したいと思っています。
質疑応答:株価初値に対する受け止めについて
質問者:株価の受け止めについてお聞かせください。初値は1,554円で、現在も1,954円ほどかと思いますが、こちらについての受け止めを教えてください。
西尾:少し驚いたというのが正直なところです。特にストップ高になるとは思っていなかったので驚きました。また、株主や投資家の方々からの期待を感じたので、その期待に応えられるよう、事業拡大しながら企業価値を高めていくことにしっかり取り組まなければいけないと、あらためて意識できました。今後もがんばっていきたいと思っています。
質疑応答:グローバル展開と「Audiostock」の魅力について
質問者:今後の成長に向けて、1つにグローバル展開を挙げていますが、世界にはロイヤリティフリー音源を200万曲や300万曲といった規模で提供する海外サイトもある中、現状では規模が劣る状況です。そのような中で、「Audiostock」のどのような魅力を訴求していきたいのか、あらためておうかがいしたいです。
西尾:海外の競合他社の中には、日本では考えられない規模の資金調達を行っているプレイヤーもおり、非常に簡単ではないと考えています。ただ、当社の強み、特徴としては、やはりコンテンツにあると思います。規模感よりも、日本らしいコンテンツ、例えばゲーム音楽やアニメ音楽といったものが世界でも高く評価される分野である点が大きな魅力です。
そのため、そのような分野を手掛ける現役のクリエイターや、それらを見て育った若いクリエイターの作品を当社でお預かりし、世界でもしっかり評価されるようなコンテンツを販売していくことで、利用者が拡大していくと信じています。このようなコンテンツを差別化要因として展開していきたいと考えています。
質問者:例えば、和楽器を使ったような音源なども魅力的な部分になりますか?
西尾:確かに東京オリンピックが開催されたあたりの2020年、2021年頃から日本の文化を発信しています。最近ではインバウンド観光客が増えたりしていることもあり、日本の文化やグルメを紹介する動画やコンテンツで和楽器を使用した映像作品が増えています。そのため、そのような分野で当社は非常に高い評価をいただいています。
また、毎月都内のレコーディングスタジオを借りて篠笛や尺八、お琴といった和楽器のレコーディングを行っています。このような当社ならではのコンテンツに今後は一層力を入れていきたいと思っています。
質疑応答:上場までの道のりと今後の企業展開について
質問者:山口さんと八木さんにも一言ずつおうかがいしたいのですが、今回の上場に至るまでにはさまざまな壁やハードルがあったと思います。それぞれの持ち場でどのようにこれらを乗り越えてきたのか、そして上場後のこれからの企業展開について、どのような点に力を入れていくのかをお聞かせいただけますでしょうか?
八木俊氏:取締役CFOコーポレート本部長の八木です。当社に入社してから約6年が経ちますが、この6年間でさまざまな出来事があり、上場までの道のりは決して平坦ではなかったと感じています。
しかし、その過程を乗り越える中で、私自身も成長し、会社としても力をつけてきたと実感しています。上場がゴールではないものの、上場前の段階で組織として1つの完成形に近づけたことは、とても意義があったと思っています。
これからは、この組織力をさらに活かしながら、事業を飛躍させていきたいと考えています。そのために全力で努力していきたいと思います。
山口真央氏:取締役COOプラットフォーム本部長の山口です。私はかなり初期の頃から参加していました。そのため、さまざまなサービスを展開してみたものの、なかなかうまくヒットしないということもありました。
しかし、今回この「Audiostock」というサービスが誕生し、評価され、多くの方にご利用いただけたことで、現在はこれをきっかけに多くの事業展開が可能になっていることを非常にうれしく思っています。
また、このような背景から上場を実現できたことも、1つの大きな節目として非常にありがたく思っています。ただし、上場はゴールではなく、あくまで1つの通過点であり、これからは理念である「Happy Creators, Happy Creation」を実現するために、みなさまに喜んでいただけるようなサービスをさらに展開していきたいと考えています。
質疑応答:岡山に本社を置き続けるメリットと地域への意義について
質問者:岡山に本社を置きながら上場まで至ったことは非常に特徴的だと思います。この後も岡山に本社を置き続けることでの成長のメリットや、地域にとっての意義について、どのようにお考えか教えていただけますでしょうか?
西尾:岡山のみなさまから「東京に本社を移すのではないか」と心配されることが多いのですが、私は東京に本社を移すことにメリットがあるとはまったく考えていません。もちろん、事業的には東京に多くのお客さまや株主がいるため、現在は2拠点体制を採っていますが、本社を移すつもりはありません。
岡山で事業を続けるメリットとして、地元から熱烈に応援していただけることが挙げられます。
例えば、金融機関では上場までサポートしていただいただけでなく、未上場段階で出資していただいたのも、中国銀行の子会社である、ちゅうぎんキャピタルパートナーズや広島ベンチャーキャピタル、トマト銀行、いよぎんキャピタル、ふくおかフィナンシャルグループなど、いわゆる地方銀行連合からの応援がありました。これも、当社の特色の1つだと感じています。
東京に本社を置く企業であれば、このような出資を受けられなかったかもしれません。そのため、金融面での支援をいただけたことは非常に大きな要素です。
また、オフィス賃料や固定費が比較的安い点、地元メディアである『山陽新聞』や『日本経済新聞』の中国地方版に頻繁に取り上げていただける点など、多くのメリットがあると感じています。当社としては岡山で事業を続けてきたことに、非常に大きな価値を感じており、進めてきてよかったと思っています。
質疑応答:2、3年以内の時価総額100億円目標と中期計画について
質問者:先ほど「2、3年以内に時価総額100億円を目指す」とのお話がありましたが、明確に中期または中長期の目標として掲げる予定はあるのでしょうか?
西尾:5ヶ年計画として一応社内で作成しています。これは開示していないものではありますが、今後どのように事業を発展させていくかについて議論しています。その中で、2、3年以内には時価総額100億円を突破できる規模になるのではないかと考えています。
質疑応答:上場後の投資計画と規模拡大について
質問者:今日上場されましたが、今後さらに投資したり、従業員の数や会社自体の規模を大きくしていくなど、そのようなプランはありますか?
西尾:規模が大きくなるにつれて人員が必要となりますので、売上規模の増加に応じてということではありませんが、適材適所で随時増員を検討しています。また、新規事業や、先ほど少し申し上げた音源や楽曲の権利の購入といった買収活動には資金が必要ですので、これらの分野にも積極的に投資していきたいと考えています。
西尾氏からのご挨拶
今日という日を迎えられて、本当にうれしいというのが正直なところです。また、株主、従業員、家族、証券会社など、多くの方々に支えていただいたことに、非常に感謝しています。
また、私、山口、八木にとっても、まさにここからがスタートだと思っていますので、引き続きがんばっていきます。今後ともご支援のほど、よろしくお願いします。本日はありがとうございました。
