■株式相場見通し
予想レンジ:上限71000円-下限67000円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比423.31ドル高の51654.95ドル、ナスダックは同172.83ポイント高の27366.17で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比500円安の68970円。オープンAIの売上下振れ報道を受けた前日の下落は過剰反応との見方が強まったほか、トランプ米大統領がロシアの軽油供給で合意し燃料価格下落への期待も高まった。
中間選挙までイラン攻撃を行わないとのトランプ米大統領の発言を受け、中東情勢への警戒感がやや後退したほか、国債入札を波乱なく通過したことで、週後半にかけ米国債利回りは低下している。ただ、7日には10年債利回りが一時5.36%と2002年以来の高水準をつけており、依然として米国金利の上昇が懸念される状況にある。来週も小売売上高や消費者物価指数(CPI)など米国の経済指標には関心が高まることとなろう。小売売上高は前月比で伸び鈍化が予想されており、どの程度の利回り低下を促すかが注目される。一方、CPIは前年比での伸び加速が想定されているが、市場想定並みにとどまれば、10月利上げ観測は一段と後退することになり、市場にとってはポジティブに作用しよう。いずれにしても、それぞれ上振れは長期金利上昇を促すとみられ、株式市場のリスク要因であろう。
国内では3連休明け後も大きなイベントは予定されていないが、13日に発表される国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しは、欧州の投資家を中心にカントリーアロケーションの決定要因になるとされている。日本の経済見通し次第では短期的な需給の変動要因につながる可能性があろう。6-8月期の決算発表も本格化するが、小売セクターなどが中心であり、全体相場の方向性が生じるような流れにはなりにくい。なお、今週末の引け後に発表された安川電機<6506>の決算は、通期予想を下方修正しているものの、6-8月期の営業利益や受注高は市場予想を上振れているとみられ、ポジティブな反応が予想される。
来週は米国で金融機関の7-9月期決算発表が集中する。国内メガバンクや大手証券株に影響を及ぼす可能性がある。より注目されるのは、蘭ASMLや台湾TSMCなどの大手半導体企業の決算発表になるといえよう。ASMLは14日に決算発表予定、4-6月期決算発表時には、通期の売上高、粗利益率見通しを上方修正しており、ネガティブ決算は想定しにくい。ただ、株価は年初来の高値圏にあり、出尽くし感が生じる可能性は残るだろう。対中輸出規制などの行方にもまだ不透明感は残る。TSMCも売上高の速報値を発表済みで、四半期ベースでは過去最高を更新している。年間売上高見通しの再引き上げがあるかなどが注目点だが、先行きの追加情報の多くは、次回の本決算発表の際になるとみられ、こちらも好決算を受けての株価反応が焦点となるだろう。なお、国内半導体株に影響を与える設備投資計画は据え置かれるとみられているようだ。
今週の株式市場では、連日で不正アクセス被害が伝わったことで、サイバーセキュリティ関連銘柄の人気化に注目が集まった。連休中も新たな被害が表面化する公算があり、週末要因に伴う換金売り一巡後の押し目買いの動きなどは注目されよう。将来的なAIに抱いた懸念は拭い切れていないと考えられるものの、短期的には事業機会の増大につながる可能性は高いと考えられる。また、SAAS関連銘柄の決算発表も多く予定されている。足下ではAI関連銘柄の動向と逆相関的な動きを見せており、相場環境次第では好決算への反応が強まる余地も大きい。
■為替市場見通し
ドル・円は底堅いか。上昇基調で日米協調介入が警戒され、下押し圧力が強まる見通し。ただ、引き締め的な米金融政策への思惑から、米金利高・ドル高は継続しそうだ。日銀は追加利上げに慎重との見方や高市政権の財政運営に対する懸念から、円売りに振れやすい地合いが続いている。ただ、日本の「防衛ライン」とされる160円が射程圏内に入り、ドル売り・円買い圧力が強まる可能性もある。足下で発表された米経済指標は雇用統計をはじめ弱い内容が目立つ。それを受け米連邦準備制度理事会(FRB)の複数の当局者からややハト派的な見解が聞かれ、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測は後退しつつある。ただ、10月7日に公表された直近のFOMC議事要旨では、参加者の大半が年内の追加利上げが適切になるとの見方を示しており、ドルは売りづらい展開となりそうだ。米国内の人工知能(AI)開発に関する資金需要の観点からも、長期金利は当面高水準を維持するとみられ、ドル買いを支える見通し。ドル・円はクロス円に連れ安する場面もみられるが、下値は限定的で、底堅さが意識されそうだ。
■来週の注目スケジュール
10月12日(月・祝):株式市場は祝日のため休場(スポーツの日)、中・資金調達総額(9月、15日までに)、中・マネーサプライ(9月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(9月、15日までに)、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(18日まで)、米・債券市場は休場(コロンブスデー)、株式市場は通常取引など
10月13日(火):国内企業物価指数(9月)、銀行貸出動向(含信金前年比)(9月)、貸出動向 銀行計(9月)、生活意識に関するアンケート調査」(第107回)の結果(日本銀行)、米・中古住宅販売件数(9月)、米・財政収支(9月、20日までに)、独・CPI(9月)、石油輸出国機構(OPEC)月報など
10月14日(水):マネーストック(9月)、米・CPI(9月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、中・生産者物価指数(9月)、中・消費者物価指数(9月)、中・貿易収支(9月)など
10月15日(木):コア機械受注(8月)、設備稼働率(8月)、鉱工業生産(8月)、小枝日銀審議委員が熊本県金融経済懇談会に出席、同記者会見、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・小売売上高(9月)、米・PPI(9月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(10月)、米・企業在庫(8月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産(8月)、英・鉱工業生産(8月)、豪・失業率(9月)、G20財務相・中央銀行総裁会議など
10月16日(金):対外・対内証券投資(先週)、全国信用組合大会で内田日銀副総裁があいさつ(植田総裁のあいさつ代読)、米・輸入物価指数(9月)、米・設備稼働率(9月)、米・鉱工業生産指数(9月)、米・対米証券投資(8月)、欧・ユーロ圏CPI(9月)、欧・ユーロ圏貿易収支(8月)など
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