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トランプ弾劾後に「ライアン大統領」が誕生したら市場はどう反応する?=矢口新

トランプ政権の司法への介入と不正選挙を巡り、野党が弾劾裁判を画策しているとの報道が出た。ここで問題となるのは、トランプ大統領と与党「共和党」との関係だ。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

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与野党共闘の可能性も。もし大統領罷免なら市場はどう反応する?

トランプ大統領の説明責任は免れない

トランプ政権のフリン前国家安全保障担当大統領補佐官は、就任前の昨年末に民間人の立場でありながらオバマ前政権の対ロ制裁について駐米ロシア大使と協議したうえ、その事実をペンス副大統領らに隠していたことが明るみに出て、2月に辞任した。

またトランプ大統領が、フリン氏に収賄などの刑事上の違法行為があったかどうかを調査中のFBIに対し、捜査を打ち切るよう求めたとされる疑惑が浮上。その後のコミー前FBI長官の解任は、捜査中止要請に従わなかったためだと憶測されている。

米司法省は大統領選時のトランプ陣営とロシアとの癒着を巡る疑惑で、捜査を指揮する特別検察官にモラー元FBI長官を任命した。

フリン氏の就任直後の辞任。同氏を捜査していたFBI長官の突然の解任。政府による司法への介入疑惑。介入理由が政府関係者そのものの違法疑惑。これらを鑑みると、トランプ大統領の説明責任は免れないと思われる。

トランプと与党の関係が問題に

ここで問題となるのは、トランプ大統領と与党共和党との関係だ。

トランプ大統領は、共和党内での指名争いで対立候補に対し、プロレスの反則技のような手法を採り、多くの相手の戦意喪失(選挙戦撤退)により当選した。このことで、トランプ大統領は共和党内に多くの敵をつくった。また、選挙時の公約を次々と破る、あるいは履行不可能となるなど、必ずしも支持者の期待にも応えていない。

野党民主党は、トランプ大統領の弾劾裁判を画策していると報道されているが、共和党内に賛同者が出ると、米史上初の大統領の罷免が成立しかねない。

米大統領の弾劾は、まず下院が出席議員過半数の同意により訴追を行い、上院がそれに基づき弾劾裁判を行う。大統領の弾劾裁判は、最高裁主席判事を議長として行われ、大統領を罷免するためには、上院の出席議員の3分の2以上の同意が必要となる。

これまで弾劾裁判によって罷免されたのは裁判官が7名だが、大統領では1867年にアンドルー・ジョンソンが1票差で罷免を免れ、1999年にビル・クリントンが下院では弾劾決議を受けながら、上院では大差で罷免を免れた2例だけだという。

トランプ大統領の政策は常に不確実性を伴っている。また、トランプ大統領の経済政策が議会を通過するかが不透明となれば、連銀の利上げペースにも影響する。ここに、大統領自身の弾劾リスクが加わったことで、さらに不確実性が深まった。

継承順位2位のライアン下院議長

仮にトランプ大統領が罷免されると、継承順位1位のペンス副大統領が大統領になることになるが、罷免理由が政権の司法への介入、あるいは、不正選挙による政権の正当性に及ぶと、継承順位2位のライアン下院議長となる。

ライアン下院議長は下院予算委員長、下院歳入委員会委員長といった要職を歴任してきた共和党主流派だ。民主党がトランプ大統領の弾劾に動くと、共和党のライアン支持者が同調する可能性も否定できない。

地政学的リスクの軽減、金融市場の安定という観点からは、トランプ大統領罷免、ライアン下院議長の大統領就任が、むしろ好感されるのではないか?
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相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』(2017年5月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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