こんなに怖いCMちょっとない。子どもたちを震え上がらせた衝撃の名作

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時代を超えて語り継がれる作品が多いテレビCMですが、中でもひときわ異彩を放っているのが1983年のサントリーウイスキー・ローヤルの「ランボー編」。『ジャーナリスティックなやさしい未来』では、このCMについての考察がなされています。

ランボーの世界を映像化した衝撃 サントリーローヤルCM

テレビをはじめとするマスメディアの情報に囲まれて過ごしてきた世代にとって、メディア情報はその世代の行動に大きな影響を与え続けてきた。特に広告は「何かを訴える」ことで、その商品の購買を促したり、具体的な行動を求めたりするものだから、私たちは知らずのうちに広告の映像や文言に心奪われ、行動を制御されたり、促進されたりしてきた。広告のほかにも書籍や人の会話や教え、各種ライブ観賞などで人は感化され、それが人生に大きな影響を与えられたりしながら、教養や知識を身に着けてくるものだが、この中でも特にテレビ広告であるCMは短い時間で完結に主張するものであるため、その形質から「衝撃」を受けることも多い。

豊潤なメディア情報を受けてきた世代の一員である私は、メディア情報の受け手である聴衆として接した物心ついた頃から就職するまでの「聴衆期」と、大学を卒業し新聞記者、通信社記者としてメディアの発信者として広告を同じマスメディアの一部として時には同胞の感覚で接し、場合によっては広告の一部としての記事にも携わることになる「間接期」、そして経営コンサルタントや事業主、経営者という立場で大手企業から中小企業、各種団体などの営業戦略や新規事業を展開する際に必ずや必要であり、利用しなければいけない存在として広告を意識した時期の「活用期」の3つの時期に別れる。

それぞれの時期によって、広告の見方は変わってきたが、単純に言えば「聴衆期」は、面白いものをただ「面白い」と受け入れていたものが、「間接期」ではその広告が面白い理由を社会背景から理解しようとし、「活用期」は、その広告が面白い理由を人の感情の動きを踏まえて探ろうとする気持ちに変わってきた。もちろん、広告が自分の生活の中でどのような位置づけなのかで変わってくるのは当然であるが、その立場が変わっても、私の心の中に、「聴衆期」で接したテレビCMの中に今も心奪われているものがある。

今回はその、私の中で普遍である衝撃のCM、1983年のサントリーのウイスキー「ローヤル」CMの「ランボー編」として知られる作品について論じたい。

映像は砂漠の中、天使のコスチュームを身にまといタンバリンをたたく女の子(小人という指摘もある)を先頭に、魔術師のような怪しげなタキシードとシルクハットの男、レスラーのような格好をしたスキンヘッドでひげをたくわえた火を噴く男、大道芸人と動物が隊列を組む。それぞれが異彩を放ちながら、彼らはその役割ごとに「芸」がクローズアップされ、最後には砂漠のイグアナがフォーカスされる。そして、サントリーローヤルの封をペパーナイフで切る映像へと引き継がれる。

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