単なるナルシストではない?「自己愛性パーソナリティ障害」とは

2016.01.07
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by Mocosuku
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パーソナリティ障害は、偏った考え方、感じ方や行動パターンのため、日常生活や社会生活にかなりの支障を来している状態です。個性的を越えて度を過ぎていて、周囲や場合によっては本人も困っていること、青年期もしくは成人早期に発症していて、薬物や他の精神疾患の影響によらないこと、がパーソナリティ障害(PD)と診断される根拠です。

自己愛性パーソナリティ障害は、一般には「自己チュー」とか「うぬぼれや」と思われがちですが、この傾向がかなり極端で持続的です。そのせいで人間関係や社会生活をかき乱す、究極の自己チューとも言われてしまうことも多いでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害とは:症状と原因

自己愛性パーソナリティ障害は、自分は特別だと信じ、誇大化して華やかな成功を夢見て、他人からの称賛を求めます。一方で他人には無関心なのが自己愛性パーソナリティ障害の特徴です。注目を引く服装やもったいぶった口調などで、自分の重要人物ぶりを演出します。自慢話や「一流」という言葉が大好き、当初は人気者として取り巻きを求めます。

そんな傲慢ともいえる側面とは対照的に「もろさ」も併せ持っています。非難に弱く、欠点を指摘されることに我慢できず、怒りだし、あるいはひどく落ち込みます。人に教わるのが苦手で、自信家に見える半面、わずかなつまずきに絶望してしまいます。

パーソナリティ障害には、より遺伝的要因の影響が強いものから、育った環境の影響の色濃いものまで多々ある中で、自己愛性PDは、「甘やかされて育った」という傾向が、強く出ているとも言えるでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害のチェックリスト

それではここで、DSMに準拠した、セルフチェック方式の簡易質問による自己診断シートから、自己愛性パーソナリティ障害のチェックリストをご紹介します。

□自分には、世間の人が気づいていない才能や優れた点があると思う
□大成功をして有名になったり、理想の恋人と出会ったりすることを夢見ている
□自分は人とは違ったところがあり、特別な人間だと思う
□周囲からの賞賛が、何よりも励みになる
□多少の無理でも、自分の望むことは、たいてい聞いてもらえることが多かった
□ほしいものを手に入れるためなら、他の人を利用したり、うまく言いくるめたりするくらいの自信はある
□自分勝手で思いやりがないところがある
□友人や知り合いや幸せを見ると、内心妬ましくなることがある
□態度が大きい、プライドが高いと思われている
以上の5項目以上が該当するなら、当てはまる可能性がある目安とされています。
(岡田 尊司『パーソナリティ障害』PHP新書より)

自己愛性パーソナリティ障害を克服するにはどうすればいい?

謙虚に相手のことばに耳を傾けるのが最も苦手な自己愛性パーソナリティ障害。他者に学ぶ、他者を尊重できれば克服につながります。また、集団活動が苦手なので、チームプレイを必要とする、コーラスやスポーツなどへの参加もおすすめです。

自分のためでなく、相手のために生きる喜びに目覚めるというのが、乗り越えるカギとなるでしょう。子育てやボランティアもよいチャンスになりえます。

自分の子どもやパートナーが自己愛性PDだった場合は、相手の尊大さを傷つけないように注意・進言することが効果的と言われます。基本的に小心で嫉妬深く、負けん気の強い性格なので、功名心を刺激するように忠告していきましょう。

執筆:山本 恵一
心理学者、メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

 

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記事提供:Mocosuku

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