幼少期に聞いた「家族の歴史」の記憶が鮮明な子はデキる大人になる

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自分の子供に、家族の歴史について話したことはありますか? 実は、幼少期に祖父母や先祖の話を聞いている子どもは「問題解決能力が高い」という研究結果が発表されています。では、どのように子供へ伝えればいいのか、家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんは、自身のメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』で、伝え方や記憶を定着させるコツについてアドバイスしています。 

幼少期の記憶が大人になってからの能力を左右する!?

数年前、アメリカの心理学専門誌で発表された研究によると、目的意識が高い良い人間関係を築いている、精神的に安定している、という人たちは、幼い頃の記憶が鮮明であると言う結果が出ているそうです。

なぜ幼い頃の記憶が大人になってからの能力に関係するのでしょうか? アメリカ・エモリー大の心理学者のロビン・フィバッシュ教授は、「自分という人間を理解する上で記憶が重要な役割を果たすから」と言います。

つまり、現在の自分に繋がる最も原始的な体験を思い出すことで、その後の自分の成長を体系的に捉えることができ、そのことがアイデンティティーを作ることになるからです。

例えば、幼い頃に事故や病気、身内の不幸など辛い経験をした場合、それを克服したことを思い起こすことで、困難を乗り切れたりするのです。

知識として家族の歴史を知っていると?

同じくロビン・フィバッシュ教授たちが行った研究によると、家族の歴史、例えば、祖父母がどこで育ったか、どういう人物だったか、など、家系をさかのぼった先祖たちの話を聴いたことのある子どもは、そうでない子どもよりも

・課題に取り組む意欲や課題解決能力が高く、
・立ち直りが早く、
・ストレスの影響を抑えることができ、
・高い自尊心を持っている

ということが証明されました。

子どもが自分を、大きな家族の一部として見るようになると、より一層の安心や自信を感じるようになり、しっかりとした自己意識を持つようになります。その結果、課題を解決するための能力が大きくなり、情緒的にも、より安定するため人生の浮き沈みに直面したときでも怖いものなし、だそう。

大切なのは伝え方

単に家族の話を知らせるだけではなく、大切なのはそれを伝える方法です。お勧めなのは家族で同じ時間を共有しているときに、子どもに質問させながら伝えることです。「子どもに質問させながら伝える」とはつまり、子どもが興味を持てるように、ということ。記憶が鮮明になるからです。興味を持ったことは、忘れてしまったかのように見えても幼少期の記憶として焼き付いてストックされています。

家庭教育アドバイス・・・「記憶を定着させよう」 

ロビン・フィバッシュ教授が仰るのは、幼少期の記憶が鮮明であればあるほど、また、自分の家族についてよく知っていればいるほど「できる大人になる、ということ。

ならば、できるだけ子ども達には家族のこと、幼い頃のことを覚えておいて欲しいですよね。記憶を定着させるには、幾つかコツがあります

1.ストーリーとして繋がりで覚える
家族の歴史の場合はとくに覚えやすいですね。

2.感動しながら覚える
脳は視覚や聴覚だけの情報より、気持ちの情報が入った方が覚えやすいのです。

3.イメージしながら覚える
視覚、聴覚などの情報を、頭の中で映像として思い描いてみましょう。例えば、「白髪で太っていて、いつも笑顔のおじいちゃんを大好きだった」と子どもに話すときには、「『名探偵コナン』に出てくるアガサ博士が、ふさふさ白髪になった感じで、もう少し低い声のおじいちゃん」というと、子どももイメージできますね。

いずれにしても大切なのは、こうしたことを話す機会を持つこと。時間の長短は関係ありません。世代を超えた話を伝え、それを聴いた子どもが何を学んで、どう感じたか。その記憶があることで強く健康に育つことができるのです。早速、子どもに自分たちの家族の歴史について話してみませんか?

image by:Shutterstock 

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