足なんて飾りですよ。チクタクバンバンの修理箇所を確認する
壊れていたのは足でした。こちらが盤面を動き回る「チクタク(仮称)」。左右に足のようなものが見えますが、これはただの飾りで本当はお尻の部分にある車輪が回転して前進します。
本来であれば、こんな風にギアにはベルトが巻かれており、キャタピラのような強いグリップを生み出しながら盤面を前進していくようです。
しかし目につく問題箇所といえばそのくらいで、全体的な程度はすごく良いコンディションです。ただ、さすがに30年前の代物であるため、あちこちススけて黒ずんでいたり、ススが付着しているため、まずはそれらを除去するところから始めました。つまりクリーニングです。
パネルは拭いただけではどうにもならないことが判明したので、ワイドマジックリンにつけ置きしてたわしで洗い。天日干しで乾燥させます。盤面の土台部は大きなパーツだったので、アルコールを含ませたティッシュでクリーニングしました。
続いて修理箇所の確認です。チクタクの中はこんな風になっています。モーターがギアを動かしており、速さ調整はギアを手動で変えるというシンプルな作り。この底部の車輪を取り外して、ゴムベルトの代わりになるものを装着していくことにしました。
本当であれば、純正の保守パーツを手に入れたいところなのですが、発売元の野村トーイは1992年に米ハズブローに買収され、1998年トミー(現タカラトミー)と業務提携契約を結び、2013年にはブシロードに移行しています。継ぎ足しされた秘伝のタレのように、おそらく、野村トーイの要素はすでに元素レベルでも検出できなくなってしまっていることでしょう。そもそも、30年も昔のおもちゃの保守パーツが未だ残っているとは思えません。いざ、自作です。
ようはキャタピラでなくても、盤面を捉えるグリップがあれば良い訳です。まずは滑り止めシートを切り取って装着してみました。しかし、盤面の継目を超えることができません。グリップ力が足りないようです。
さまざまなパーツを試したのですが、結局付属しているゴムベルトを再利用するという方向に落ち着きました。左右のゴムベルトともに同梱されていたのですが、切れてちぎれて長さが足りていません。
しかし、ゴムは伸びる性質と瞬間接着剤に非常によく馴染むという性質があるため、わずかに伸ばしつつ接着剤で貼り付けることで、足りない長さを補うことに成功。また、前オーナーの思いやりで詰め込まれたゴムベルトの残骸のおかげで、この子は足を取り戻すことができたのです。