NHK大河ドラマ『真田丸』を放送直後にワンポイント解説する人気連載シリーズ。今回は、ドラマと同時期の関東情勢についての続報。当時の真田家が、秀吉政権への対応に苦慮する一方で、北条軍からの攻撃にも備えなくてはならなかったのはなぜでしょうか? それには当時の東国情勢が深く関係しているようです。その背景と詳細について、『真田丸』の戦国軍事考証を担当する西股総生さんが分かりやすく解説します!
今回のワンポイント解説(5月1日)
今回のワンポイント解説も、関東情勢の続報。信繁が大坂で宮廷政治に翻弄されている頃、関東では北条軍が下野への進出を本格化させていた。まず、天正14年の1月には、反北条「北関東連合」の一翼を担っていた佐野宗綱が戦死。5月には皆川広照が北条軍に屈したし、宇都宮氏はすでに、代々本拠地としてきた宇都宮城を捨てて多気山城に籠っていた。北条氏直は、当主不在になっていた佐野氏に対し、氏忠(氏政の弟)を送り込んで家督を継がせる条件を飲ませ、佐野氏の属国化に成功していた。
また、上野でも北条氏邦配下の軍勢が沼田領・岩櫃領で攻勢に出て、前線基地を築いたりしていた。家康と氏政が天正壬午の乱を決着させた際、上野は北条家が領有する取り決めであったが、 真田側があくまでしがみついて渡さないなら実力で奪うまでのこと、というわけだ。こうした中で、秀吉は関東への出陣を予告し、北条側でも秀吉軍の侵攻に備えて小田原城や韮山城・岩付城など、領内の主要拠点を強化していた。結局、秀吉はこの時、関東に侵攻しなかったが、それは九州侵攻を日程的に優先させたためだ。秀吉はすでに、日本全土を統一したのちは大陸に侵攻する意志を明らかにしていたから、出撃拠点となる九州を先に制圧して、支配を安定させておきたかったのだろう。
しかし、秀吉が関東侵攻を後回しにしたために、下野でも上野でも戦闘が継続することとなった。この時期、昌幸や信幸は、秀吉政権への対応に苦慮する一方で、北条軍の攻撃にも備えなくてはならなかったのだ。こうした中で、信幸・信繁兄弟が歩む道の違いも、次第にはっきりしてゆくことになる。 (西股総生)
《今週のワンポイントイラスト》
家康が秀吉の軍門に下った有名なエピソードが登場! 大坂城では腹芸スキルが試される…(みかめ)
文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)
ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組
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今週の『真田丸』SNS反応【編集部まとめ】
真田丸 秀吉の妹 旭の役で清水ミチコさんが出演し視聴者がザワつく #真田丸 – NAVER まとめ https://t.co/bP0oFamDfZ
まとめるの早えぇよwww
— あ!ぶらっくま (@kumaichi1) 2016年5月1日
昌幸つらいなあ…。窮地なほど燃える昌幸も、素破なのに秀吉情報を収集しきれず昌幸に面白いと言っちゃう昌相も、徳川を手ぐすね引いて待ってる内記も、結局は元武田家周辺の範囲で生きている昔気質の男たちという時代の流れが、物語の世界=信繁の目線が広がってくほど残酷に浮かび上がる。 #真田丸
— 二塁 (@atohz_chiri) 2016年5月1日
信幸が昌幸に対する不安を寝所で吐き出したとき、おこうさんが「唇に熱の花が出てないでしょうか~?」って聞きましたよね。あれ、夫の肩の力をふっと抜く効果あったかなって。オフの時間にまで眉を寄せて悩んでいては、身を削られてしまう。おこうさん、重責を担う嫡男の良い妻だ。#真田丸
— ぬえ (@yosinotennin) 2016年5月1日
申し訳ないがほぼ毎週間違っております#真田丸 pic.twitter.com/z6WyS5yEoU
— an_shida (@an_shida) 2016年5月1日
信繁「殿下が会いたいと仰っております」
家康「ちょっと待て。話が見えぬ」
信繁「実は来てます」
秀吉「私だ」
家康「お前だったのか」
秀吉「お願いがあって来たのだ」
家康「全然気付かなかったぞ」
秀吉「不安を持て余した」
家康「天下人の」
両者「頼み」#真田丸— 山本八重さん ※6月28日コミックス発売 (@aizu_sniper_yae) 2016年5月1日
家康公が秀吉公に下ったこと、陣羽織を下げ渡されたことで「秀吉に逆らうものには家康が鉄槌を下していい」と言う許諾が出た。これで「上洛していない者たち」は「秀吉に逆らうもの」となり、徳川が攻めることができる。最早「待った」は掛からない。昌幸公も上洛せざるを得なくなった。 #真田丸
— もも。 (@T_Momobayashi) 2016年5月1日
「秀吉の人質工作エピソードを描かねばならない」「でも長々とやってる時間はない」「何か一発で印象に残る場面にしなければならない」「清水ミチコを使おう」←正解 #真田丸
— tadataru (@tadataru) 2016年5月1日
三成が信繁に「何でお主のような薄っぺらいのが・・・」と愚痴っていたがその答えはとっくに分かっていたんだろうけど今の自分はそういうことは出来ない立場になったから羨ましいってのが本音なのかもしれん。大人は早々変われないのよね。地位も名誉も得てしまえば余計そうなる #真田丸
— MD3 (@MD3TYPESHOBON) 2016年5月1日
父ちゃんの時流の見えてなさが切ない
兄ちゃんはなんとなく見えててそれが父ちゃんへの不信になってきてるのもまた切ない
1クール目はあんなにやりたい放題な誰も敵わなそうな父ちゃんだったのに
#真田丸— DEN (@DD_DEN) 2016年5月1日
「くるりと回ってみて!」「勘違いだったわ」どこまでも残念なきりちゃんが今週もブレなくて眩しいwwww #真田丸
— さわこ (@ponkotu_sawako3) 2016年5月1日
片桐さんと信幸兄ちゃんにこの薬あげたい#真田丸 pic.twitter.com/LmQGevGPUj
— miri (@miricosmo) 2016年5月1日