真田丸『第17話』解説。真田家は秀吉のせいで北条軍にも手を焼いた?

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NHK大河ドラマ『真田丸』を放送直後にワンポイント解説する人気連載シリーズ。今回は、ドラマと同時期の関東情勢についての続報。当時の真田家が、秀吉政権への対応に苦慮する一方で、北条軍からの攻撃にも備えなくてはならなかったのはなぜでしょうか? それには当時の東国情勢が深く関係しているようです。その背景と詳細について、『真田丸』の戦国軍事考証を担当する西股総生さんが分かりやすく解説します!

今回のワンポイント解説(5月1日)

今回のワンポイント解説も、関東情勢の続報。信繁が大坂で宮廷政治に翻弄されている頃、関東では北条軍が下野への進出を本格化させていた。まず、天正14年の1月には、反北条「北関東連合」の一翼を担っていた佐野宗綱が戦死。5月には皆川広照が北条軍に屈したし、宇都宮氏はすでに、代々本拠地としてきた宇都宮城を捨てて多気山城に籠っていた。北条氏直は、当主不在になっていた佐野氏に対し、氏忠(氏政の弟)を送り込んで家督を継がせる条件を飲ませ、佐野氏の属国化に成功していた。

また、上野でも北条氏邦配下の軍勢が沼田領・岩櫃領で攻勢に出て、前線基地を築いたりしていた。家康と氏政が天正壬午の乱を決着させた際、上野は北条家が領有する取り決めであったが、 真田側があくまでしがみついて渡さないなら実力で奪うまでのこと、というわけだ。こうした中で、秀吉は関東への出陣を予告し、北条側でも秀吉軍の侵攻に備えて小田原城や韮山城・岩付城など、領内の主要拠点を強化していた。結局、秀吉はこの時関東に侵攻しなかったが、それは九州侵攻を日程的に優先させたためだ。秀吉はすでに、日本全土を統一したのちは大陸に侵攻する意志を明らかにしていたから、出撃拠点となる九州を先に制圧して、支配を安定させておきたかったのだろう。

しかし、秀吉が関東侵攻を後回しにしたために、下野でも上野でも戦闘が継続することとなった。この時期、昌幸信幸は、秀吉政権への対応に苦慮する一方で、北条軍の攻撃にも備えなくてはならなかったのだ。こうした中で、信幸・信繁兄弟が歩む道の違いも、次第にはっきりしてゆくことになる。 (西股総生)

今週のワンポイントイラスト

家康が秀吉の軍門に下った有名なエピソードが登場! 大坂城では腹芸スキルが試される…(みかめ)


 

文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)

ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組

 

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