自主映画制作の経験を元に、ゼロから映画を作る実践ノウハウを伝えるメルマガ『映画が作れるようになるメールマガジン』。最新号では、屋外での撮影時に欠かせない「撮影許可」に関する苦労話が紹介されています。
初心者のための映画制作講座「どこで撮影許可をもらうか」
「撮影許可を取るかどうか」は多くの方が気にされますが、実際に取ろうとすると、「まずどこに行けばいいの?」「誰に聞けばいいの?」が気になるでしょう。
喫茶店など店内の許可はそれぞれのオーナーに聞けばいい。では、公園とか駅とか路上などの屋外はどうするか。
いきなり答えなんですが、お近くの交番に行ってください。当然ですが、皆さんのご自宅の近くではなく、撮影したい場所の近く、ですね。
普段縁がない交番を尋ね、撮影のことを切り出します。すると、
警官A「は? 撮影?」
警官B「撮影? どうするんだ?」
みたいな表情が返ってくることも多いのではないかと思います。多くの交番では、普段、なかなか撮影許可なんて関わらないでしょうから。
しかし、さすがは日本の警察。マニュアルなどはしっかりしているようで、たまたま応対した警官が知らなかったとしても、しばらくすると何がしかの書類、もしくはどうすべきかという指示が返ってきます。
ここから先は地域差があるかもしれないので、詳細は省きますが、それぞれの管轄の警察署に行って、
・撮影許可についての申請書
・撮影内容を説明する書類
などを提出することになります。シナリオも出すように言われ、ちょっと恥ずかしい気もしました。
そしてしばらくして再び行くと、撮影許可証みたいなものを入手できる、と。
さて、コトはまだ終わりではありません。撮影場所によっては、別の許可が必要なこともあります。
これも地域差がありそうですが、以前、市役所の許可も取るように言われたことがあります。
そして市役所に行き、「え?撮影?」みたいなやり取りから再スタート。またあれこれ繰り返し、ようやく許可が。この時、市役所の方から衝撃の一言が。
「デパートの許可も取ってくださいね」
確かに撮影場所は、●井デパートの真横です。●井のロゴマークも入ることになります。
結論から言うと、その時許可は取れたのですが、最後のデパートの担当者が一番難関でした。
警察も市役所も、お役所仕事なわけで、書類が整っているかどうかが大事です。しかし、デパートの担当者は、ブランドが傷つくのを恐れるわけです。書類云々よりも、自分の責任で撮影みたいなことに関わるのが嫌そうでした。おりしも、「デパートでこっそりアダルト撮影事件」が起きた時でもありました。
……余談ですが、僕は警察でも市役所でもデパートでも、シナリオと一緒に絵コンテを提出しました。
一般の担当者が、シナリオを読んですぐに情景を理解できる人ばかりとは限りません。いや、むしろそんな人はまれでしょう。そこに絵コンテがあると、どんなものを撮りたいのがすぐに伝わると思ったんです。
* * * *
許可の申請についてあれこれ書いてみました。
ただし!ですね。許可を取っても、「警官とか周りのビルの人から追い出されることはない」だけの話だとご理解くださいね。
目立つ行為は止めてほしいと言われるでしょうし、いずれにしても通行人とのトラブルには気を付けないといけません。
決して、水戸黄門の印籠が手に入るわけではないんです。
許可を得ようが、ゲリラ撮影だろうが、撮影当日に気を付けることは、なんにも変わりはありません。
image by:Shutterstock
『映画が作れるようになるメールマガジン』
知識・仲間・機材ゼロから「映画工房カルフのように」を作った”工房の主人”が、14年の自主映画体験を元に「絵コンテを使って日常的に映画を作る方法」をお届けする、超初心者のための映画の作り方メールマガジンです。セミナーやワークショップも行っています。
<<登録はこちら>>
『【 カチンコ 】 映画撮影用 ハリウッド カチンコ 黒板式』
木製で音もイイ?