大塚家具・久美子社長に聞いた「過去最悪の赤字」でも前向きなワケ

 

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今年度の決算が赤字でも問題ないワケ

今回の業績予想の下方修正を受け、大塚家具の経営を不安視する報道もありますが、財務分析を行う限りは、経営に関して当面大きな不安要素はないといえるでしょう。

前期末の段階で安全性の指標である自己資本比率は75.4%と非常に高い水準にあり、短期に返済しなければいけない流動負債88億円に対して、現金が110億円、流動資産に至っては293億円の残高があり、やはり安全性の指標である流動比率(流動資産÷流動負債×100:最低でも100%以上が安全の目安)を計算すると332%となり、短期的には経営が立ち行かなくなることはまず考えられないからです。

加えて、大塚家具は現状無借金経営であり、万が一の時は金融機関からかなりの規模の融資を引き出すことも難しいことではなく、財務体質は今のところ健全といっても過言ではないのです。

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赤字は大塚家具が生まれ変わるための生みの苦しみ

さて、このような黒字予想から一転過去最悪の赤字に沈む大塚家具の今後について直接大塚久美子社長から伺う機会をいただきました。

大塚社長によれば、これまでも大塚家具の長い歴史において節目節目で赤字になったとのこと。

大塚家具は家具のディスカウンターとして創業しますが、時代の流れを見極めて前社長である勝久氏の時代に会員制に移行。このビジネスモデルの転換時に、当初は赤字に陥りますが、その後大塚家具は非常に高い利益率を生み出す会社に生まれ変わります

同じように今回の赤字も新たなビジネスモデルが浸透するまでの一つの過程であり、新生大塚家具が世の中に認められるまでの生みの苦しみを経験しているというわけです。

もし、新生大塚家具のビジョンが全社員やお客様に正確に伝わり、浸透するのなら、大塚家具は新たなステージへと進んでいくことになるでしょう。

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