NHK大河ドラマ『真田丸』を放送直後にワンポイント解説する人気連載シリーズ。今回は文禄・慶長の役について。一般的に「朝鮮出兵」などとも呼ばれていますが、秀吉の本当の目的は「中国の征服」にあったようです。しかし次第に朝鮮半島での戦況は悪化し、秀吉は呼子半島に「名護屋城」を築城し巻き返しを図ろうとしますが、果たして…!?
今回のワンポイント解説(7月10日)
今回、ストーリーの中心となっていたのは、秀吉と秀次の間に生じる不協和音。時期でいうなら文禄2年8月〜4年7月にかけてだから、文禄の役の真っ最中ということになる。
文禄の役と、そののちに起きる慶長の役は朝鮮出兵とも言われるが、当時は「唐(から)入り」と呼ばれていた。つまり、秀吉の目的は朝鮮の征服ではなく、あくまで明(中国)の征服にあったのだ。日本は軍事大国だから、ガツンと言ってやれば朝鮮側は頭を下げて、明征服の先導役を務めるだろう、くらいのつもりで秀吉は朝鮮に服従を要求した。でも、こんな要求が通るはずはないから、まずは朝鮮を制圧しようということで、諸将が大軍を率いて渡海したわけだ。
日本軍は、実戦経験の乏しい朝鮮王朝軍を撃破して首都の漢城(ハンソン・現ソウル)を陥れ、 朝鮮半島の大半を蹂躙した。しかし、戦況は次第に悪化し、日本軍は苦戦を強いられるようになる。この戦役の本営として、秀吉が肥前の呼子半島に築いたのが名護屋城だ。この城を中心として 呼子半島一帯には、従軍諸将の築いた陣城も無数に残っている。名護屋城の本体は、石垣山城をスケールアップしたような本格的な城で、本丸には五重の天守がそびえていた。
面白いことに名護屋城の本丸は、築城の途中で大幅な拡張が行われた事が、発掘調査によってわかっている。普請現場を見に来た秀吉が「狭いな、もうちょっと広くできんのか?」とでも言ったのであろうか。
なお、文禄・慶長の役で日本軍の築いた城が今も韓国に残っていて、倭城と呼ばれている。残念ながら僕はあまり詳しくないので、文禄・慶長の役や倭城に興味のある人は、夕里さんのブログや「倭城ナビ」のサイトを参照してね! ナワバリングのブログ(人生竪堀)からも、リンクを貼っておきます。(西股総生)
《今週のワンポイントイラスト》
肥前名護屋城は築城後に大改修が行われたらしく、本丸南側の石垣を「横矢掛り」もろとも埋め、拡張したと推定されています。さすが太閤スケールが違う! ちなみに三成が実際にこの時期ソロバンを使っていたかは不明。久野重勝が所持していたという日本最古のそろばんは1591年のもの。この時期、三成も導入していたかもしれません。(みかめ)
文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)
ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組
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今週の『真田丸』SNS反応【編集部まとめ】
今夜の真田丸は7時10分からだよ。選挙特番があるから注意してね。間違えて8時にチャンネルをつけると、いきなり出口調査の結果で大勢が判明してる関ケ原みたいになる #真田丸
— キュゥべえ (@QB0) 2016年7月10日
ぞっとしたのは、前回と今回での太閤殿下の違い。
前回は、士気の低下を自嘲するように理解されていた。今回は、兄上が知ったら面目が潰れてしまうようなことを、笑いながら告げた。あのひとたらしが、人の心を分からなくなっている。無自覚に。緩やかに狂う歯車の過程がみえるよう。
#真田丸— もえぎ (@moegi998) 2016年7月10日
#真田丸 秀吉は決して秀次が憎くて、ああしたのではないだろう。あれはまさに「昭和の土建屋のワンマン社長の好意」だ、あまりにも直球でそれが伝わらないと激昂する。そして「精神が弱いからだ」というあたりは、完全なパロディである。文人として描かれている秀次に耐えられなかったのも無理はない
— 地雷魚『越天の空』7/9 新潮社より発売 (@Jiraygyo) 2016年7月10日
病気以外何でももらうかんなーコラァ!
三谷幸喜はジョジョ読んでる疑惑。(良きこと)#真田丸 pic.twitter.com/K64fiegfmQ— アルファ (@CafeCoral) 2016年7月10日
秀保さんの死は、触れられなかったけど大和大納言家の断絶を意味してるんだよ。あの秀長様のお家が潰れるんだよ。 #真田丸
— みかん (@hutakigusa) 2016年7月10日
「抜け目の無さに腹が立つのだ!!」
うん、わかる(笑)。いい意味悪い意味どっちもで、安房守様の才を上手に受け継いじゃったからなあ、左衛門佐様。天才肌は無意識で、努力家の癇に障ることをやっちゃうのかもね。 #真田丸— ルルフ@如法錺劔 (@hervorruf) 2016年7月10日
あ、伏見城の普請を真田がやるんだ。関ケ原で三成が負けるフラグを真田が立てるのかよ
<伏見城が無駄に難攻不落の城だったために、当初の攻略予定が大幅に伸びて、三成の当初の戦略予定が破綻した #真田丸— フラワードクトリン (@flowerdoctrine) 2016年7月10日
#真田丸 #丸絵
源三郎が源次郎の情けで官位を与えられた事を知り激怒しますが「度量狭っw」と思わないでください笑
戦国の世になっても(いや、だからこそ)官位を与えられる事は大変名誉なのです!源次郎に気を遣われて与えられたと知ったら… pic.twitter.com/z7QPQhRdg1— こんでん (@hiroju55) 2016年7月10日
この場面、秀次の良い所いっぱい出てる。己の役目を正確に把握し、暴走する太閤を押さえ、ただ官位を与えずよく調べようとし、信繁も信幸も救い、その場の空気も良くなった。秀次は本当はデキる子なんだよ!!
#真田丸 pic.twitter.com/t22WEa9NoL
— しめじ (@shimeji_b) 2016年7月10日
秀吉が老人っぽくなってきましたね…座っている時の肩の位置、盃を持つ手が加齢によりやや震えている…#真田丸
— みかめゆきよみ ふぅ〜ん、真田丸 (@mikameyukiyomi) 2016年7月10日
初恋の女子(自称)がよその人のものになるんですよ! #真田丸 pic.twitter.com/3alEwQtVxa
— 久世番子 (@bankolan) 2016年7月10日