真田丸『第30話』裏解説。秀吉の朝鮮出兵はなぜ失敗に終わったのか?

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NHK大河ドラマ『真田丸』を放送直後にワンポイント解説する人気連載シリーズ。今回は「慶長の役」について。秀吉は朝鮮制圧を目指し、2度目の挑戦を試みますが、この時の秀吉にはもう海を渡り、戦場で指揮を執る体力は残されていませんでした。日本軍が苦戦を強いられた理由は他にもあるようです。さっそく見ていきましょう!

今回のワンポイント解説(7月31日)

今回、ドラマで描かれたのは、絶対的権力者として君臨してきた秀吉の黄昏。そして、ドラマでは簡単に触れられただけだったが、背後では歴史的に重要なできごとが進行していた。 

その一つは、朝鮮への再出兵、つまりは慶長の役である。日本軍はふたたび大挙して朝鮮半島へと渡り、各地で激戦が展開した。しかし、今度は朝鮮側の抵抗も激しく、日本軍は全体としては苦戦気味であった。文禄の役の時のように内陸深くへ侵攻することはできず、沿岸部に築いた倭城を確保するのが次第に精一杯となっていった。 

この戦いで日本軍がふるわなかった原因は、僕は次の2点に求められると思う。まず、日本軍の地域制圧のやり方。熾烈な国内統一戦で鍛えあげられた日本軍は、たしかに実戦経験も豊富で 精強ではあったが、その容赦のない地域制圧の仕方は、戦争経験のない朝鮮の人々に目には、異常に残虐なものと映った。これにより、占領地支配がうまくいかなくなった

ただ、やはり最大の問題は、秀吉本人が現地指揮をとらなかったことに尽きるだろう。ドラマの描写はさておき、この時期の秀吉に渡海して戦場にのぞむ体力がなかったのは、まちがいない。しかし、山崎の合戦・賤ヶ岳の合戦・山中城攻防戦を見てくるとわかるように、秀吉の最大の強さは、勝敗を分ける場所とタイミングを瞬時に見抜いて、主力を一気に叩きつける思い切りの良さだ。

その、最大の強みを失った秀吉軍が大戦争に勝てないのは当然であろう。一人一人の武将が前線で健闘しても、全体としては連携が悪く、戦局を打開するような決定的な手が打てない。そうして戦況が悪化すると、武将たちの対立ばかりが目立つようになって、よけいに連携が悪くなる… ああ、何だか、負け試合のサッカーを解説しているみたいだ。

ちなみに、以前にも書いたけど、文禄・慶長の役や倭城に興味のある人は、夕里さんのブログや 「倭城ナビ」のサイトを参照してください!ナワバリングのブログ(人生竪堀)からも、リンクを貼ってあります。(西股総生)

今週のワンポイントイラスト

日本軍、個々の隊は強いけど、司令塔不在でスタンドプレー状態…(みかめ)

 

文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)

ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組

 

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