あなたは転職活動をする時に、給与について交渉をしていますか? もし、していないのであれば、高い給与を手にするチャンスを逃しているかもしれません。給与交渉においてやるべきことを、アメリカの事例をもとにまとめてみました。
なぜ給与交渉が必要なのか?
終身雇用制度が崩れつつある近年、転職はどの年代においても珍しいものではなくなってきました。
そして転職において重要視されるのは「給与」。
転職支援サービス「エン転職」が今年6月に発表した、20代~50代の9320人を対象に実施したアンケート調査によると、転職を検討する理由の61%が「給与」で、転職理由の1位になっています。
そして、給与としていくら貰えるかは、面接におけるあなた自身の交渉力にかかっています。
では、なぜ給与の交渉が必要なのか。
それは、多くの場合において、雇用主はあなたに見合う給与を提示していないから。
初めの段階ではあえて実際よりも低い給与を提示することで、そこから交渉の余地を持たせているのです。
そうであるにも関わらず、もしあなたがここで何も交渉しなければ、みすみす高い給与を手にするチャンスを逃すことになってしまいます。
7月下旬に米国のForbes誌が掲載した記事によると、アメリカでは41〜45歳の年齢層が、他の年齢層に比べて最も給与についての交渉をする割合が高いとのこと。
特に製品部門で働く女性や、ビジネス開発を行っている男性の交渉率は約65%と、その他の一般職などと比較して高い数値が出ています。
米国流に学べ。給与交渉におけるコツとは?
それでは、実際に給与交渉をする上で、何に気をつければよいのでしょうか?
まず大事なのは、「あなたがどのような人であるかということではなく、あなたがこれまで何をしてきたか」を、徹底的にアピールすること。
アメリカのQ&Aサイトの運営を行うクオーラ社のCEOは、このようにコメントしています。
「面接に行くまでに、これまでやってきた仕事の成果が分かるものを集めておくことが大事です。あなたがどんなに良い人柄であっても、雇用主があなたの笑顔のために給与を上げることはありません」
また、大手求人サイト、MONSTER社は、給与交渉を行う前に尋ねるべき質問10点を、以下のようにあげています。
- 仕事内容の詳細
- 仕事の開始日
- 仕事の評価方法と、評価によって給与があがる可能性があるのかどうか
- 福利厚生
- 提示された給与は手取りかどうか
- 給与交渉の余地はあるか
- ボーナスの有無
- 面接時に採用を言い渡された場合、公式の採用通知であるかを確認する
- 採用通知は紙面で貰えるかどうか
- 正式な回答をいつまでにすべきか
こうやって見ると、実に基本的な確認事項のように見えますが、あなたに提示された給与が本当に見合うものであるかどうかを判断するための指針になります。
また、もし雇用主が、この項目のいずれかにおいて、あなたが示した案に対し、妥協案となるものを提示する事がなければ、それは健全な状況とは言えないのかもしれません。
いかがでしょうか。
日本では転職を考える前に会社や上司に給与の交渉をする割合が20%というデータもあり、給与について面と向かった交渉をするのを気まずいと考える人も多いようです。
しかし、自分の本当の市場価値を見つめ直して、その価値に少しでも見合った給与を支払ってくれる雇用主を探すことは、決して悪いことではありません。
誰もが転職をする可能性が高まったご時世だからこそ、たくさん質問をして、自分にベストな雇用主を見つけるためのヒントにしてみてくださいね。
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source by: MONSTER/ Forbes/ Life hacker / エン転職
文/長塚香織