ハーバード大学に留学経験のある山口真由さんが、留学時代の苦労話を赤裸々に語ってくれている、まぐまぐの新サービス「mine」で期間限定無料公開中の、「ハーバード留学記」。今回は、留学生なら誰もが一度は経験する「ホームシック」について、山口さんが自身の実体験を語っています。山口さん曰く、ホームシックに陥る原因は、留学生なら避けては通れない「3種類のカルチャーショック」に依るものだとか。一体、どんなものなんでしょうか?
カルチャーショックには3つの種類がある!
サマースクールが終わるころ、私はホームシックに陥った。留学に行った人ならば、誰でもこのホームシックを経験していることだろう。ハーバードに入学する前に、私はすでに諦めて日本に帰りたくなってしまった。人生には多くの受難がある。しかし、アメリカでの留学経験は、私にとっては最大級の受難だった。
今日は、カルチャーショックの3種類と、私が受けたカルチャーショックの経験を書いてみたいと思う(上の写真は、ホームシックの時に送ってもらって、日本に帰りたくて思わず泣いてしまった日本食ね)。
私を襲ったカルチャーショック、ひとくちに「カルチャーショック」といっても、これには3つの種類があると言われている。「能力喪失ショック」「同一性喪失ショック」「理解喪失ショック」である。
「能力喪失ショック」というのは、言葉がうまく話せなかったり、働くときのカルチャーが違ったり、そういう理由で日本にいた時と同じように仕事をしたり、勉強をしたり、誰かと話したりできないというショックを指す。たとえば、日本で有能で自信あふれる人だったのに、アメリカでまごまごして不器用で自信のない人になっちゃうみたいな。
「同一性喪失ショック」というのは、一応、アメリカで適切とされる振る舞いはできるようになったけど、自分の本来の性格とかけ離れていて、自己喪失をしてしまうようなショックである。
たとえば、会議中でも授業中でも、発言しろ、貢献しろって言われるから、積極的に発言をするようにしたけど、人の話を最後まで聞かずに割って入らなきゃ話せない時もあったりする。やってはみるけど、こんなアグレッシブな人は、本来の私じゃない!!!みたいな。
「理解喪失ショック」というのは、周囲が何も変える必要がないのに、自分だけが慣れない環境への適応を強いられるショックである。たとえば、何も言わなくても周囲が気遣ってくれるっていう日本の文化は優れている。
それなのに、なぜ、私だけがその習慣を捨てて、すべて言葉に出さなくてはいけない文化に適応しなきゃいけないの?まわりも変わるべきじゃない?…みたいな。
このショックが複数襲ってくると、かなりつらい状態になるらしい。とにかく、私の場合、サマースクールが終わるころ、極度の「能力喪失ショック」に苦しめられて、欝々とした週末を過ごした。
今も夢でうなされる、米国人の「しかめっ面」と「Sorry?」の声