今さらだけど、なぜトランプが勝利したか、しっかり検証していく

 

▼一方のトランプは、アメリカの持っていた「公共性=お行儀の良さ」という「空間の開かれ具合」を壊したということは大きい。実効不可能なアイディア、そして偽悪的な排外や差別というのが、「悪意の薄い比喩」として「現状打破の象徴」として使われた。その結果は大きな形で出た。だが、それによって多様な者が共存する「公的空間」というのは傷ついた。

▼その点で、トランプの勝利宣言スピーチは救いだった。何よりも「分断の傷を癒やして団結を」というメッセージを冒頭に持ってきたというのは、とにかく、この場であのタイミングで言う勝利宣言のスピーチとしては、極めて妥当であり、「あのスピーチだけ」で言えば100点満点

▼当確と現在進行形だった東京市場は大きく下げたがその後の欧州は意外と平静で、更に後のNY市場が更に平静だったのにはこの「少なくとも勝利宣言はまともだったことが奏功している可能性はある。

▼そうは言っても、現時点ではトランプのブレーン候補に関しては全くの白紙状態。名前が出ている人間も、外交専門家にしても、軍のOBにしても一流半いや二流の人ばかり、そこを「共和党系の一流のブレーンで固められるかどうかが、当面の注目事項。

▼理想はレーガンが「芸能人」から「タカ派のカリフォルニア州州知事」だけの経験でホワイトハウスに入った1980年の選挙。結果的にレーガンは優秀なブレーンの進言に基づいて最適解に近い政策を実行していった。その再現ができるのかが大きなポイント。

▼そういえば、日本では大統領になる前のレーガンは「リーガン知事」と言われてタカ派的な、それこそベトナム反戦運動への過酷な弾圧者というイメージが出来上がっていた。そのためか、大統領になると同時に赤坂のアメリカ大使館が「リーガンではなく、正確にはレーガン」という訂正もしくは改名を行ってイメージアップを図ったことがある。その「前例に」ならうのなら、この際「DJトランプ」とか「ドナルド・J・トランプ」とかカタカナ表記を変える」ことも考えたほうがいいかもしれない。「トランプ」ではなく「トゥランプ」とか。(ちょっと非現実的かもしれないが)

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