松下電器は人を作っている。松下幸之助が社員と乗り越えた6つの逆境

 

「和親一致の協力」

松下が発展した大正から昭和前期の日本は不況、震災、恐慌、台風、敗戦と、危機また危機の連続であった。それらの危機を乗り越えそのたびに松下は大きく発展していった。結局、製品や設備を開発したり、問題を解決するという創造性は人間のみが持ちうる能力である。幸之助の「人を作り人を大切にする」という経営は従業員や得意先との「和親一致の協力」を生みだし、それによって度重なる危機を乗り越えてきたのであった。

現在のわが国も不況の底に沈んでいるが、危機の大きさからすれば幸之助の時代とは比べものにならない。それなのに一向に危機を乗り越えられないのは、多くの企業で「人を作り、人を大切にする」という理念を忘れ、「和親一致」の精神を見失ってしまったからではないだろうか。それでは企業が繁栄できないだけでなく、従業員を仕合わせにすることもできない。幸之助が生涯をかけて示した繁栄と幸せへの道筋をもう一度、思い起こすべき時だろう。

文責:伊勢雅臣

 

Japan on the Globe-国際派日本人養成講座
著者/伊勢雅臣
購読者数4万3,000人、創刊18年のメールマガジン『Japan On the Globe 国際派日本人養成講座』発行者。国際社会で日本を背負って活躍できる人材の育成を目指す。
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