【素朴なギモン】お酒の種類でトイレへ行く回数って変わるもの?

2017.01.30
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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お酒を飲んだ後にトイレが近くなる経験は誰もがしているのではないのでしょうか。

なぜトイレが近くなるのでしょうか。

また、どのお酒でも同じなのでしょうか。

ご一緒に詳しく見ていきましょう。

お酒を飲むとトイレが近くなるのはなぜ?

ヒトの身体には、尿をだしたり、尿をだすことを抑えたりする働きがあります。

この働きによって体内の水分量や濃度を一定に保っています。

普段は利尿(尿を出すこと)を抑える「抗利尿ホルモン」働きによって尿の量を減らし、身体の中の水分量が一定に保たれています。

お酒を飲むとトイレが近くなる理由は、アルコールに抗利尿ホルモンの働きを抑える作用があり、必要以上の水分をだしてしまうからなのです。

お酒の種類によって利尿作用は違うの?

トイレが近くなるのは、アルコールそのものに抗利尿ホルモンの働きを抑える働きがあるためです。

ですから、どのお酒の種類であってもアルコールが入って入れば利尿作用はあります。

しかし、お酒の量や種類によっても多少変わってきます。

それではどのような要素により変わるのか、みていきましょう。

アルコールの量

アルコールの利尿作用は、お酒の摂取によって身体にとりこんだ水分をだすのではなく、アルコールに反応することによって尿を出しています。そのため、アルコールの量が増えるほど、利尿作用は強くなります。

カリウム

アルコールの抗利尿ホルモンを抑える働きに加えて、カリウムが含まれていると、より利尿作用を促進します。

それは、カリウムは新陳代謝を活発にするため、利尿作用もでます。

カリウムを多く含むお酒は、ビールや赤ワインなどです。これらのお酒は他のものよりも利尿作用が強いといえます。

ホップ

ビールの香りづけに使われるホップにも利尿作用があります。

そのため、ホップを使用しているビールにはさらに利尿作用があるといえます。

一般的にはビールの方が発泡酒よりもホップの量が多いので、ビールは発泡酒よりも利尿作用が強いといえます。

カフェイン

利尿作用はカフェインにもあります。カフェインを多く含む緑茶やコーラなどで割ったお酒はさらに利尿作用が強くなります。

たとえば、焼酎を緑茶で割った緑茶ハイ、ウィスキーをコーラで割ったコークハイなどがあります。

お酒の利尿作用は脱水症状を引き起こす?

 アルコールによる利尿はお酒に含まれる水分がそのまま排泄されるわけではありません。

飲んだお酒に含まれる水分が吸収されるためには時間がかかります。

抗利尿ホルモンの働きの抑制により、まずは血液の中の水分が排泄されます。そして、浸透圧が上がるために、体液の水分が血管の中に移動します。

次に排泄されるのはこの水分です。

最後に排泄されるのは、小腸で吸収されたお酒に含まれていた水分です。

このことから、身体に必要な血液や細胞から水分が排泄されてしまうことがわかります。

50gのアルコールを摂取すると、利尿作用は600~1000mlといわれています。ビール1ℓを飲むと約1.1ℓの尿として排泄され、0.1ℓ分脱水状態になるという調査結果もあります。

このようにお酒が原因となって「脱水症状」を引き起こすこともあります。

お酒を飲むときに気をつけるポイントは?

お酒の量は適量に

お酒を飲む1日の適量は純アルコールで20gといわれています。

これはビールの場合は中びん1本(500ml)、日本酒の場合は1合(180ml)、ワインの場合は1/4本(約180ml)、ウィスキーの場合はダブル1杯(60ml)程度といわれています。

脱水予防、健康維持のためにも適量の飲酒を心がけましょう。

水分摂取はしっかりと

お酒による脱水症状を防ぐために、積極的に水分をしっかり摂ることが大切です。とくにトイレが近い方は、脱水症状を起こす可能性があります。

また、アルコールを分解するためにも水分は必要なため、水分補給をすることは、二日酔いの対策にもなります。

お酒を飲む前後には必ず水を飲むようにしましょう。

水は、一度にたくさん飲むよりも、コップ1杯(100ml~150ml程度)を目安に少しずつ摂ることをおすすめします。

また、可能であれば、お酒を飲みながら、間に水をこまめに摂りながら飲みましょう。

執筆:桜 イクミ(管理栄養士)
医療監修:株式会社とらうべ

 

<執筆者プロフィール>
桜 イクミ(さくら・いくみ)
管理栄養士・健康運動指導士・フードスペシャリスト
株式会社 とらうべ 社員。病院での栄養管理・栄養指導の経験を経て、現在は企業で働く人の食と健康指導を行っている
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

 

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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