「プリン体ゼロ」のビールか…飲もう! でもそのメリットは?

2017.03.01
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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発泡酒のCMなどでよく聞く「プリン体ゼロ」という言葉。

なんとなく体によさそうですが、実際にどのように体に良いのかは意外と知られていません。

そこで今回は、プリン体とはどういうものなのか。

なぜゼロだと体にいいのかについて、解説していきましょう。

プリン体は「核酸、エネルギー」「尿酸」の元

プリン体は、元々肝臓によってある程度自分で作り出すことができる物質です。

それに加え、プリン体は食事にも含まれているため、体には肝臓で作り出した分と食事によって摂取した分、双方のプリン体が存在していることになります。

プリン体からは、人間が生きていく上で必要な「核酸」という物質や、エネルギーが作り出されています。

そしてプリン体から核酸、エネルギーが作られている中で最終的に残るのが「尿酸」という物質です。

尿酸は常に一定量に保たれている

尿酸値、と聞くと血液検査を思い浮かべる方も多いことでしょう。

尿酸は酸性の物質なので、体の中では「尿酸塩」として体内に存在しています。

この尿酸塩は体内に約1200mgの尿酸がプールを形成しており、1日に約700mgの尿酸が新たに産出されています。

産出された分、同量が尿の中へ排出されるため、尿酸プールには常に1200mgの尿酸が保たれている状態となっています。

尿酸がたまりすぎている病気が「高尿酸値血症」

しかし、この尿酸の値が一定に保てなくなってしまうことがあります。

これが「高尿酸値血症」と呼ばれる生活習慣病です。

常に1200mgで保たれているはずの尿酸が、過度のプリン体の摂取を続けることで、産出と排泄のバランスが崩れてしまいます。

その結果、体内には1200mg以上がたまっている状態となってしまい、引き起こされるのが「高尿酸値血症」です。

痛風は「尿酸塩の結晶化」が原因

尿酸が1200mg以上溜まっている状態となると、血液検査の中で、尿酸値が7.0mg/dl以上となります。

すると、尿酸塩の一部が結晶化するようになります。

この結晶化した尿酸が悪さをする病気、それが「痛風」です。

痛風は、結晶化した尿酸が主に足の親指の関節に炎症を引き起こすことで、腫れや激痛、発赤を起こります。

その痛みはひどく、「風が吹いただけで痛い」という意味で「痛風」という病名がつけられているほどです。

プリン体を減らせば、痛風予防に効果が!

プリン体は、元々肝臓によってある程度自分で作り出すことができます。

そのため、高尿酸値血症と診断された場合は、まず食事からのプリン体の摂取量を控えることが、痛風予防に何より効果的となっています。

プリン体は魚卵やレバーなどに特に多く含まれていますが、ビールなどの麦を使ったお酒にも多く含まれています。

そこで、効果的となるのがCMなどでよく言われている「プリン体ゼロ」という食品です。

食品をプリン体ゼロのものに切り替え、食事からの摂取を極力減らすことで、痛風を予防することが可能なのです。

いかがでしたでしょうか。

高尿酸値血症という生活習慣病そのものは、自覚症状がありません。そのため、つい放置してしまいがちです。

しかし、痛風は一度発症してしまうと歩行もままならないほどの激痛が襲い、生活の質そのものを落としてしまいます。

痛風を予防するためにも、プリン体の摂取量を控えることを、まずは心がけてみましょう。

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)
 

<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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