せめて来世で幸せに。なぜ浄土宗は庶民に爆発的に広がったのか

 

このような歴史を振り返ると、私たちはいかに恵まれた時代に生まれることが出来たのかということを思い知らされます。生まれ落ちて生きていくことが苦しい時代。あの世で幸せな世界に生まれ変わることだけを夢見て暮らすことが生きがいだったのです。京都にいて、寺院や仏像の数々を見ていると、それだけ苦しみから救われたいと願う人たちがいたということに気付かされます。

今でこそ、死後の世界を憧れだと思う人はほとんどいなくなりました。しかし、いまだにその存在に現代に生きる我々も救われ、癒されている瞬間はあるのです。

尊い存在というのは私たちの暮らしぶりがどれだけよくなっても変わらず受け継がれるものです。我々は過去に一生懸命に生きた人たちがもたらしてくれた恩恵のもとに存在しているわけです。恵まれた環境に感謝し謙虚な心を忘れないでいるようにしたいものですね。

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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