親会社のローソンも嫉妬する、高級スーパー「成城石井」の快進撃

 

成城石井の業績は好調ですが懸念もあります。成城石井の商品はリーズナブルな価格ではあるものの、他の一般的なスーパーと比べると価格は高く庶民が日常的に利用できるとは言い難い面があります。そのため、出店できる地域は限られてしまいます。現状はまだまだ出店余地があるとはいえ、いずれ店舗数が頭打ちになり、成長が止まってしまう可能性があります。

そこで期待されるのが、成城石井とローソンのコラボです。全てを成城石井で買ってもらうのではなく、一部は成城石井の商品を、一部はローソンの商品を買ってもらうといったことが求められていくことになるでしょう。今はその機能を他社のスーパーなどが担っていますが、それをローソンで代替すればグループで囲い込むことができるようになります。それを可能にするのがコラボなのです。

現在ローソンでは成城石井のワインを販売しています。今年3月からは、成城石井とローソンが共同開発したワインも販売しています。菓子の共同輸入やナッツ、カップスープなどの共同開発も行なっています。ローソンセレクトとしてワインに合うチーズやウインナー、生ハムといったおつまみを取り揃え、ワインと組み合わせで購入してもらえるよう訴求を強化しています。

成城石井とローソンが隣接して出店するケースも増えるでしょう。例えば、高層ビルの「シーバンス ア・モール」(東京都港区)の1階には通路を挟んで成城石井とローソンが隣接して出店しています。こうすることで、例えばワインを成城石井で買ってもらい、つまみをローソンで買ってもらうといったようなことが可能になります。

ローソンがスーパーに併設する形での出店は今後増えていくことが予想されます。今年6月、スーパー「コープたけふ 平出店」(福井県越前市)に併設する形でローソンが出店しています。一部の商品では競合しますが、すみ分けは可能で相乗効果が見込めます。こうしたスーパーとローソンの併設出店で相乗効果が見込めると判断できれば、成城石井とローソンの併設出店も増えていくことでしょう。

これらが示すように、成城石井とローソンによるコラボ商品の開発や商品の共同展開、両者による併設出店が今後進むと考えられます。成城石井とローソンをセットにした新業態店の展開も考えられます。両者がコラボすることで相乗効果を見込むことができます。そして、成城石井のターゲット層は広がることになるでしょう。

成城石井の成長は今後しばらく続くのではないでしょうか。今後の動向に注目が集まります。

image by:【公式】成城石井 – Home | Facebook

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(クリエイションコンサルティング)

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東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。

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【著者】 佐藤昌司 【発行周期】 ほぼ日刊

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