身近な疑問研究家・星田直彦さんの人気メルマガ「社会人の雑学――★雑木話★(ぞうきばなし)」の「素朴な疑問」コーナーには、毎週、メルマガ読者が投稿された「いまさらなんだけど、○○って、どうなっているんだろう?」という素朴な疑問が紹介されています。
今回もまた、まぐまぐ編集部では、真面目に悩むほどのことではないけれど、知らないとちょっと落ち着かない素朴な疑問をピックアップさせていただきました。
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眠気をやっつけるドリンクで、眠気はどこに行くのか?
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集合時の「休め」のポーズは、どのあたりが休んでいるの?
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百人一首の競技で飛ばされた札は、元の位置に戻せるの?
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「羽田」という地名と、空港の設置は、どちらが先なの?
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ウルトラマンは何の因果で、地球を守ってくれていたのか?
今まで深く考えていなかったけれど、じっくり考え直してみれば、確かに答えがはっきりしないことばかりです。それでは、素朴な疑問に立ち止まってしまった相談者の方々の相談内容と、精一杯心のこもった回答の数々をご覧ください。
疑問1 眠気をやっつけるドリンクで、眠気はどこに行くのか?
メルマガ読者からの疑問
眠気を吹き飛ばすドリンクが多く売られていますが、あのようなドリンクに効果があるとして、では、吹き飛んでしまった眠気はどこに行ってしまったのでしょうか? ほんとうに、眠気がなくなってしまったのでしょうか?
(素朴な疑問集No.1152より)
なぜ、吹き飛ばすというより、打ち砕くようなイメージの商品もありますが。
こんな回答が・・・
メルマガ読者からの回答1
眠気を吹き飛ばす代表選手と言えば、カフェインです。
眠気はどこかに行くわけではなく、一時的に本人が感じられなくなるだけだと思います。ですから、体の疲れはそのままで、カフェインの効果が消えて再び眠たくなったときは、先の眠気よりもより強い眠気に襲われるのでは?
――と想像で書いています。
(素朴な疑問集No.1152より)
メルマガ読者からの回答2
眠気はどこかへ行ってしまうのではなく、ドリンク剤に含まれるアルコールで酔っ払って 眠気が眠ってしまうのです――というのはもちろん冗談で、眠気がなくなる原因はドリンク剤に含まれる無水カフェインです。
ビタミンだとか何々栄養素入りとか書かれてありますが、そんなものに即効性はありません。即効性があるのはカフェインだけです。
薬屋のおっちゃんに「安いのと高いのとで効き目はちがうんかいな?」と聞きますと「気持ちの問題ですな……」との答。成分を見て、カフェインが入っていれば どれも 眠気醒ましになります。
つまり、オロナミンCでも効果があるかもしれません。オロナミンCは、カフェイン18mg を含有しています。
(素朴な疑問集No.1152より)
ちなみに、リポビタンD……50mg、レッドブル……80mg、眠眠打破……120mg だそうです。
疑問2 集合時の「休め」のポーズは、どのあたりが休んでいるの?
メルマガ読者からの疑問
小学校や中学校時代に、みんなで集合したときの「休め」のポーズについての疑問です。
先生の掛け声で、右足か左足を片方だけ斜め前に出すポーズがありますが、特別、楽になる姿勢でもないし、なぜ、あれが「休み」のポーズと呼ばれているんですか?
また、あのポーズは世界で共通なんですか?
(素朴な疑問集No.1125より)
こんな回答が・・・
メルマガ読者からの回答1
たとえば式典など長時間立ち続ける場合を想定してください。
「気をつけ」すなわち直立不動で足を揃えた立ち姿勢に比べれば、楽な姿勢だと思いませんか?
(素朴な疑問集No.1125より)
メルマガ読者からの回答2
気をつけとか休めの姿勢についてですが、元は軍隊の基本教練からと思います。詳しいことは分かりませんが、日本の基本教練が明治期にオランダ陸軍を参考にして取り入れられたようですのでオランダ式と思います。
私は、子供の頃ボーイスカウトで活動しておりました。ボーイスカウトはイギリスの軍隊を退役したベーデン・パウウェル卿がはじめたのもので、イギリス式かと思いますが、休めの姿勢は左足を肩幅に開くもので、学校のものとは異なりました。
いずれも楽な姿勢とはいえませんが、気をつけの姿勢を保つよりは筋肉を弛緩させることが出来、長く姿勢を保つことができると思います。
(素朴な疑問集No.1125より)
軍隊が元になっているようですね。
疑問3 百人一首の競技で飛ばされた札は、元の位置に戻せるの?
メルマガ読者からの疑問
百人一首についての疑問です。
競技かるたの様子をテレビや映画で見ていると、読み手が読み札をすこしだけよんだ途端に、「バーン」という感じで取り札を押さえにかかります。
あれ、押さえているとよりは、どう見ても飛ばしてますよね?
読まれた札だけ飛ばすならよいのですが、ついでに付近の2~3枚、いや、4~5枚を一緒に吹っ飛ばしているように見えます。そもそも、そういうのってルールとしてOKなのでしょうか?
OKだとして、一緒に吹っ飛ばされてしまった札は、そのあとどうするのでしょうか? 元の位置に戻すのでしょうか? 私なら「元の位置」なんて覚えていないのですが…。心配になって、尋ねています。
(素朴な疑問集No.1217より)
飛ばされてしまった札を同じ位置に戻すなんてこと、なかなか出来そうにありませんが…。競技カルタをやるような人なら、位置を完璧に覚えている可能性もありますね。
こんな回答が・・・
メルマガ読者からの回答
「吹っ飛ばし」はルール上も認められています。競技カルタのルールでは、「読まれた札以外の札に触っても、それが読まれた札と同じ陣地にあればお手つきにはならない」ということになっています。
たとえば、取るべき札が自分の陣地にあれば、自分の陣地の札はどれに触ってもお手つきにはなりません。このため、取りたい札の周りに並んだ札に一緒に触ってしまっても構いません。一方、反対側の陣地にある札は、どれに触ってもお手つきになります。
なお、最初に並んでいる取り札は、自分の陣地、相手の陣地、どちらも25枚ずつです。並ばなかった残りの50枚は空札(からふだ)といいます。空札が読まれたときにうっかり触ってしまったときは、陣地を問わずお手つきになります。
また、取るべき札が遠いときなど、その近所の札を勢いよく飛ばして当てて、結果的に取るべき札も一緒に飛ばす、という取り方があります。この場合は、取りたい札に直接は触っていませんが、その札が競技線(取り札を並べてよい範囲の外周のライン)の外側まで出ていれば取ったことになります。飛ばされた札は、元の位置に戻します。
整理が終わらないうちに次の句が読まれると困るので、挙手して読み手に合図します。元の位置は、競技カルタをするくらいの人であれば、覚えているものです。100枚のうち50枚しか並んでいませんし、競技が始まる前に暗記時間が15分間設けられていますので、この間に配置を覚えます。
なお、競技中に配置を変えたくなった場合は、自分側の札に限り、かつ読んでいないときにかぎり、相手に伝えた上で動かすことは可能です。また、敵陣の札を取ったときは自陣の札を1枚相手側に送ることになっているので、競技の進行につれて札の配置は少しずつ変わっていきます。そういった変化も含めて絶えず記憶を更新していきます。
(素朴な疑問集No.1217より)
競技前に15分間で暗記していたとは。
疑問4 「羽田」という地名と、空港の設置は、どちらが先なの?
メルマガ読者からの疑問
羽田空港に関する疑問です。
羽田空港の正式名称が「東京国際空港」なのは知っていますが、最初からそういう名前だったのではないと思います。最初は、やはり「羽田空港」だったのではないでしょうか?
だとすれば、日本で最も重要と言っても過言ではない空港ががある場所の地名が「羽田」というのは、あまりにも「できすぎ」の感じがするのです。もしかしたら、空港ができたので「羽田」という地名になったのではと思いました。
実際のところ、「羽田」という地名と空港の設置はどちらが先なのでしょうか?
(素朴な疑問集No.1154より)
「羽」という感じが、飛行機を連想させ、確かに出来すぎな感じがしますね。
こんな回答が・・・
メルマガ読者からの回答
1931年 8月25日に「羽田飛行場」(正式名称:東京飛行場)は、日本初の国営民間航空専用空港として、その歴史が始まる。
開港する前の旧地名は、東京府羽田江戸見町、羽田穴守町、羽田鈴木町、羽田御台場、鈴木御台場、猟師町御台場であったことから、「できすぎ」の感じがしても「羽田」は地名に由来していますね。
ちなみに、両国国技館の所在地は、東京都墨田区「横網」一丁目です。まあ、「ヨコアミ」ですけど。
(素朴な疑問集No.11546より)
空港ができるずっと前から「羽田」はあったのですね。
疑問5 ウルトラマンは何の因果で、地球を守ってくれていたのか?
メルマガ読者からの疑問
ウルトラマンの故郷は、M78星雲、光の国。
それって地球からとても遠いと思うのですが、ウルトラマンはどうしてそんな遠くから地球にやってきて、地球の平和のために怪獣たちと戦ってくれていたのですか?
たった3分間しか戦えない悪条件なのに……。しかも、たった一人で。
これって、普通、左遷ですよね?
(素朴な疑問集No.1232より)
こんな回答が・・・
メルマガ読者からの回答
ウルトラマンの第1回放送を見れば分かるかと思います。Wikipedia を読めば初回のあらすじも書かれていますので、合点がいくのではないでしょうか。
ざっくり書くと、宇宙警備隊のウルトラマンが護送中で終身刑の宇宙怪獣ベムラーに逃げられ、追いかけているとき科学特別捜査隊のハヤタ隊員を死なせてしまう。責任を感じたウルトラマンは、自分とハヤタ隊員が一心同体になることにより自分の命をハヤタに与えることになる。その結果ウルトラマンは地球にとどまり地球人に協力していくことになる。
(素朴な疑問集No.1232より)
メルマガ読者からの回答
まず、理由が明確なウルトラマンもいます。最初のウルトラマン(初代マン)は逃げた怪獣を追っているうちに地球に来て、事故でハヤタを死なせた(最終回で生き返る)おわびに地球を守りました。次のウルトラセブンは宇宙の地図を作るための観測に来て、ある地球人の勇気に感動し、彼をモデルにして変身し宇宙人から地球を守りました。
しかし、そのあとの何人ものウルトラ戦士たちについては、疑問に思うのも無理はありません。
2006年の『ウルトラマンメビウス』第1話で、主人公のメビウスがウルトラの父から派遣を命じられる場面がありました。ルーキーだったメビウスが怪獣との実戦経験を積むだけでなく、地球の人間と交流することで精神的にも成長し、かけがえのないものをつかむだろうと。実際に71年の『帰ってきたウルトラマン』以降は地球の人々と触れ合う場面も多く、それによりウルトラマンも成長している気がします。
ということは、ウルトラの星にとって地球は「新人を研修させる場所」として最適なのではないでしょうか。もちろん研修先として推薦したのは初代マンとセブンだと思われます。
ウルトラの星は人工物ばかりで(いかにも高度経済成長期の人々が思い描いた理想郷という感じ)、自然が多い地球を美しいと感じています。そこに着任するのは左遷どころか栄転だと感じると思います。3分しか戦えないのは不利ではなく、他の星ではもっと短いのかもしれませんし、「たった一人で」来るのは、宇宙は広く守るべき場所も多く、各部署に1人しか派遣できないのではないかと。
ウルトラの星が光エネルギーにあふれた人工的な環境になる前は、地球のように森や海などもあり、彼らも地球人と似た姿だったといいます。ウルトラマンが地球を見るときの気持ちは、子どもの頃は自然があったのに今は都市化した街に昔から住んでる人が、自然の多い地域に行って子どもの頃の楽しかった日々を思い出すような、そんな感じなのかもしれません。
(素朴な疑問集No.1232より)
ウルトラマンに詳しい方ならご存知だったかもしれません。
いかがでしたか。このような「いままで疑問に思っていなかったけれど、よく考えたらわからない」という日常に溢れる素朴な疑問をもっと読んでみたい人、積年の疑問を晴らしてスッキリしたい人は、ぜひメルマガもチェックしてみてください。