【高城剛×三宅洋平】2040年代に世界は激変し日本が世界を牽引する?

2017.12.21
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世界を股にかけ、幅広いメディアで活躍する、メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者でクリエーターの高城剛さん。また、2016年の参院選挙で現在の自民党による改憲の危うさなどを訴えて25万票以上を集めた、メルマガ『三宅洋平マガジン「感覚と科学」』著書で音楽家・政治活動家の三宅洋平さん。一見まったく接点のなさそうなお二人ですが、初対面にもかかわらず、関心を持っているものが共通していたり、お互いに政治の裏側に精通していたりと、話題は尽きないようです。今回、お二人の有料メルマガをご購読いただいている読者限定で公開する対談を、ほんの一部だけ特別にお見せいたします。 高城さんと三宅さんの眼には、日本や世界の未来はどのように映っているのでしょうか?

三宅洋平が新しい世界の大統領に? 2040年代に世界は大きく変わる

―――今回は高城剛さんと三宅洋平さんの対談ということなんですが、お二人が共通して関心をもつこととして、オーガニックや、パーマカルチャー界隈の話題というのが、あるかと思うのですが……。

三宅:そうですね。この前もポートランドとかシアトルに行ってきて、あっちのパーマカルチャー系団体のアクティビストたちと会ってきたんです。で、現地で大きな話題になってたのが、あのロックフェラー財団が、パーマカルチャーをやってる団体にお金を出し始めてるんですよ。

高城:そんないい話を、鵜呑みにするほど、僕は子供じゃありませんよ(笑)。

三宅:ロックフェラー財団が、俺たちに25万ドル出すって言ってきてさぁ」みたいなことを言ってるんで、先方とどういう話をしたのかを聞いてみたら、食糧危機の際に、どうやって食べ物を作るかとか、海面上昇に備える家だとか、インフラがなくなった時にどうするかとか……。で、それはもう、地域のコミュニティを取り戻すしかないっていう結論になったんだけど、「それって全部、俺たちが何十年もやってきたことだよ」って話になって。みんなちょっとワクワクしながら、「そこまで来たか」っていう、ちょっとアップセットした感じもあって。

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高城:でも、それって絶対なにか裏があるよね。ロックフェラーに限りませんが、そう簡単にお金を払うわけがないから。

三宅:免罪符ってことなのかなぁ。

高城:いや、違うなあ。本当の免罪符なら、表に聞こえてこないでしょう。地球の破滅に備えているようにも聞こえるね。

三宅:石油からちょっと手を引く的なスタンスは、見せてるじゃないですか。

高城:実はとっくに手を引いてると思うよ。エネルギーは、分散時代に入っているね。サウジアラビアも原油安で実質的に財政破綻直前で、IMFにローンを申請したんだよ。1996年に韓国は同じようにIMFにローンを申請して、翌年に破綻したんだけど、それ以来初めてIMFにローン申請した国家なんだよ、サウジって。

三宅:じゃあ、それってどんな裏があるんですか。あり得るとしたら。

高城:なにをもって裏というのかわからないけど、今のサウジは、かなり問題ある状況なのは確か。王子同士が内紛して、捕まっている。身内から90兆円を没収したと言われている。財政破綻に備えて、身内が亡命する前に、捕まえたように見えるね。その裏には、米国内の旧勢力と新勢力の対立構造があるんだけど、どちらにしろ、原油安が問題。だからロックフェラーとしても、まっとうなシナリオで考えても石油ビジネスが長くないことは理解してて。……というか、もう全く違うエネルギーが出てくるんじゃないかな、そろそろ。

三宅:なるほど。

高城:僕は年に10日ぐらい全く電気がない所へ行くの。今年はエチオピアのケニア国境にある、全く電気がない村に行って、空や星みながら、しばらくそこで考えたんですよ。断食道場ならぬ、断電道場みたいな感じ。当然、スマホは使えないし、コンピューターも使えない。

何でそういうことしてるのかというと、ここ何年も推奨している「圏外」に行く旅やグランピングの次のオフグリッドの楽しさもあるんだけど、今後、今までの世界が大きく変わるのって電気がなくなることだと思ってるんだよ、ある日突然ね。それは短期間かもしれないけど、電気がなくなる理由は、太陽フレアのせいかもしれないし、震災のようなものかもしれないし、電気にとって変わる転換かもしれないし、それは分からない。でも3.11で、僕らはそれに近いことを経験したわけだ。世の中はAI化の将来だとか何とか言ってるけど、結局は全部電気で動いてることを、もう一度再認識すると同時に、防災訓練じゃないけど、断電訓練は行った方がいいだろうね。

 ―――確かにそうですよね。

高城:AIでも自動運転でも何でもいいんだけど、全部電気が必要なんですよ。短期間でも、ある日突然電気がなくなってしまう可能性があるし、しかもこれからは、電気が不安定な時代に突入するんです。その大きな理由のひとつが、世界的な人口増と電気のバランスが合わなくなるから。だから、電気をどうやって確保するかは、個々の重要なサバイバル要素の一つで、あわせて電気がなくてもやっていけないとダメなんだよね。ネットにATMはじめ、電気に依存した移動手段がなくても、1〜2週間生き延びないとね。

三宅:世界には今420基ぐらい原発があって、少なくとも冷却だけはし続けなきゃいけないしね。

高城:でも、すぐに原発を捨てるわけにいかないだろうから、実は、ロックフェラーや世界的なエネルギー支配層は、その次のものを見つけたんじゃないの、さっきの話だと。

三宅:ああ、そっか。他の方法論で電気をつくれれば、まだ原発を制御できるのか。

高城:もう次元を変えてとり出せるという話もあるよね。スイスで今、実験をやってるけど。

三宅:あぁ、大型ハドロン衝突型加速器でしたっけ。次元を変えて……。

高城:もしかしたら、あれでエネルギーとれるのが分かったんじゃないかな。やってるの、CERNだからね。原発よりヤバい話だと思うし、だからこそスイスで実験やってるわけです。あそこはEUでもないし、アメリカでもないから。冷戦終結以降、ヒトゲノムと並ぶ最大のビッグサイエンスがスイスで行われている。その上、発見者というか、マイニングしたら、すべて自分のものにできる。……だって、あのプロジェクトって、どこからお金が来てるのか、いまひとつ不明なんだもん。どう考えても、表に出ている予算と合わないのに「誰が出してんだよ」って話じゃない。それに、有名な物理学者が何人も頻繁に行ってるよね。

―――それって、表向きはどういう理由でやってるんですか。

高城:ヒッグス粒子の発見とは一応言ってたけど、本当の目的は、わかりません。たぶんTevスケール関係。最近の実験で、研究所の上空に紫色の渦が登場して異次元への入口が開いたと言われていたね。映画の『インターステラー』みたいな話だけどね。

三宅:なるほどね。でも、そんな実験なんだ。

高城:で、大金かけて、あんな何百キロのトンネルを掘ってというのを、なんでスイスでやるのかというと、あそこがユダヤ人にとって新しいエルサレムなんだと思いますよ。大型ハドロンはあたらしい神殿のようなもの。異界とつながるね。主要なユダヤ人は、これから紛争が起きるエルサレムからスイスに、そっと移動してますね。その昔、エチオピアに引っ越そうとして失敗したから、同じ過ちは繰り返さないように、そっとね。いまもエチオピアには、昔のエルサレム移転の跡が残っている。見に行ったことあるけど、あれはスゴかったよ。神殿の名前とか、全部名前が同じなんだもん、エルサレムと。

三宅:へえ。それはスゴい。

高城:いまもイスラエルとエチオピアに、ブラック・ジューイッシュ(黒人のユダヤ教徒)がいっぱいいてね。でも、エチオピアはもう何百年前に失敗してるから、次はスイスなんでしょ、別の世界につながる神殿造り

三宅:それって大元のユダヤ教徒っていうか、セムを経由してヨーロッパに行ったような人たちなんですか?

高城:セム系かどうかは問題ではく、今は両方の遺伝子が混ざってるからね。あえて言うならシオニスト系か、グローバル系か、かな。

三宅:そっか。

高城:基本的に東欧系のユダヤ人のほうが強いよね。よくアシュケナジー系って、言われる人たち。アシュケナジーって、ヘブライ語でドイツって意味だから、いわゆる東欧系。彼らは圧倒的にグローバリストだし、シオニズムとか実は関係ないもん。そう装ってるだけの人が多いね。

三宅:アメリカでいうユダヤ系の人たちって、東欧系が多いですよね。

高城:アメリカに限らず、イスラエルもスイスも、力があるのは東欧系がほとんど。金融もそうだし、トランプの大スポンサーでもあるラスベガス・サンズのアデルソン会長もそう。強いよね。その強さや賢いと言われる理由は、遺伝子調査でわかってて、600年前に十字軍の弾圧とペストで滅亡の危機になった。人種の人口わずか300人。だから、強い遺伝子だけが残って、そこから立ち直ったんです。いまだに特殊な疾病も多い。いまは、あたらしいエルサレムをスイスに作りながら、古いエルサレムも奪還する。その話は、この間行われたエルサレム奪還50周年記念祭典にトランプが来た時に大きなフレームが決まったんです。日本は、そのような米国とイスラエルの力学の元にカジノを推進してるわけです。

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三宅:ところで東欧系のユダヤといえば、トランプと大統領選を争ったバーニー・サンダースは、高城さん的にはどういう見立てですか。

高城:ちょっと、歳を取り過ぎかな。

三宅:まぁ、それはそうですね。本人も感じてるだろうけど。

高城:でも、彼がもし当選してたとしても社会の機運は変わるけど良くならなかったと思う。

三宅:それは社会主義だから?

高城:いや、そうじゃなくて。彼は民主的に物事を考える、いい人だと思うんですよ。ただ、民主主義っていうものは、もう機能してない、というかバーニー同様古い仕組みになってしまった。なぜなら、民主主義って、その国にしか影響を及ぼさない。ところが今の問題は世界レベルじゃない? 企業を見れば明らか。だから、それを民主主義的にやっても、このグローバルな環境は良くならない。グローバルな環境を変えなければ、各国はよくならない。だから、いままでとは違ったグローバルなルールがまずできないとダメなんです。

三宅:それは、国連ではないと。

高城:国連じゃない

三宅:それは思いました。本当の市民社会が……。

高城:いまは、まだまだ無理だね。世界は、再び分断の時代に入ったから。いま、世界のあちこちで、第二次世界大戦後から冷戦終結を経た統合の時代から、分断の時代に突入してしまった。これが20〜25年続く。その後だろうね。僕は2040年か50年代に世界市民社会が本格的に起きると思ってる。そこで日本人に頑張ってほしいと思ってるんですよ、誰か世界を引っ張る日本人リーダーの登場に期待している。

こういう風に僕が考えてるようになったのは、30代のときに霞が関で審議会に出てたり、日本的なシステムでドップリ働いてて、このままじゃダメだと思ったことから始まっている。なぜかというと、やっぱりアメリカとの関係性がちょっと普通じゃないから。

三宅:うん、確かにそれは思う。

高城:日本は小さい国だし、当面はアメリカとやってくしかないかとは思うんですが、逆にどこかでアメリカから要らないって言われる可能性も十分にある。その時にどうするかというと、日本は日本だけでやっていくってなるよね、当然。でも、それでは立ち行かなくなるんですよ。じゃあ今度は中国の属国になるかというと、多分それは問題がすごく出て来る……ということで、3番目の道として、もしかしたらこの方法があるんじゃないかって考えたのが「EUに日本が入る」ってことなんだよね。

―――それって、なんだかスゴい話ですよね。

高城:EUってもともとキリスト教圏だけど、今やトルコでさえもEUに入れる状況まで変わった。現在はトルコのトップがオスマン帝国の復活を目指すエルドアンだから入らないけど、違う人物がトップだったら入る可能性が高まるわけですよ。もう、EUもキリスト教圏がどうのと言ってられないほど立ち行かなくなってるし、この時代、地域も関係なくなってきてるから、今後はニューオリエンタリズムを含んだEUっていうのができると思うんです。

で、EUの人口は5億人しかいないでしょ。そこに1億人の日本が入ったら、われわれはマジョリティーになれるんですよ、絶対に(笑)。日本がEUに加盟する日。それが、2040年か50年ぐらいに起きたら、それはもうEUじゃなくてGU……Tシャツ屋の名前みたいだけど、グローバルユニオンみたいなものになったら、それが新しい世界のひとつの基準になるんじゃないかな。今の国連ってアメリカ中心だけど、そうじゃない新しい世界の共通のプラットフォームになるんじゃないかと考えて、10年前にEUに移住してみた。

でも、それは世界が一回ぐちゃぐちゃになった後……大きな戦争じゃなくて世界的な経済破綻だと思うけど、それがこの先、どこかで起きるはず。で、GUが誕生して、われわれ日本人がそこのマジョリティーになったときに君が何代目かのGU大統領になってくださいよ。それくらい、大きな話じゃないと面白くないじゃない、駅前でチマチマやってても。どう?

三宅:それって、2050年ぐらい? その頃には俺もバーニー・サンダース世代ですから(笑)。

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高城:でも、いいんじゃない。黒ひげが白ひげになって、信頼感出るし。日本人がマジョリティーになってグローバルユニオンってなって新しい東と西をつなぐ時代になると良いと僕は思ってる。というのも、十年前にヨーロッパに引っ越して、いろいろな国を見て回ってみて、「これはいけるな」と思ったんですよね。日本人は真面目で優秀だから。

ひとつ例を挙げると、工業国であるドイツなんかは、いま困ってんだよね成長著しい中国に。でも日本とドイツが一緒になれば、中国を挟み撃ちにできるし、お互いの高い技術力を補完しあうこともできる。それに、ヨーロッパで今後イスラムがすごく増えるっていうのもある。ベルギーなんか典型的で、今でもベルギスタンって言われてるぐらいだけど、この後2040年代になると、ついに半数以上がイスラムになるんです。そうすると、いままでの民主主義に則れば、イスラムの大統領が誕生するわけなんですが、それは困るっていう人たちもいっぱいいるわけで。そういう人たちは「だったら、もっとグローバル化したほうがいいだろう」っていうことになると思いますよ。それが2040年代……もう20年ちょっと先。

三宅:アフリカ系のムスリムが増えてるんですね。

高城:いや、もう全部。トルコや南アジアからも来てるし、北アフリカからももちろん来てる。

三宅:そうすると、ベルギーはサッカーが強くなりそう(笑)。


……と話の尽きないお二人ですが、対談はこのあと第二弾の記事に続きます。今月(2017年12月)に、高城さん、三宅さんどちらかお一人の有料メルマガにご登録いただいた方には、今回の対談の全文を読むことができます。お二人のメルマガとも、初月無料で読むことができますので、この機会にぜひご登録して見てはいかがでしょうか。それでは、以下のリンク先の対談第二弾をお楽しみください。

↓対談第二弾はこちらから↓

● 【高城×三宅対談2】三宅さんは自民に行けば?高城剛が「爆弾発言」

 

高城未来研究所「Future Report」

著者/高城剛(作家/クリエーター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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著者/三宅洋平(音楽家/政治活動家)
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