今回のスマートフォンの件以外にも、今年の4月末には、2年半前に女子大生が石垣島でダイビング中に紛失したカメラが宜蘭県の海辺に漂着、それを拾った小学生が持ち主探しを呼びかけ、その結果、女子大生のものだということが判明、女子大生が母親とともに宜蘭県の小学校を訪れ、全校をあげた歓待の中、カメラが返還されたということがありました。
● 漂流カメラ持ち主の日本人女子大生、宜蘭で児童と対面 感謝伝える/台湾
この件は、自由時報が一面でカラー写真付きで報道するだけでなく、台湾のテレビでも美談として中継していました。
台湾人のなかで「自分は中国人」だと考える者の割合は年々低下しており、現在では5%未満という調査もあります。また、今年の1月8日には、台湾の自由時報が、台湾の若者のあいだで「台湾は中国ではない、台湾人は中国人ではない」という意識が急速に強まっているという、アメリカ人コラムニストの記事を伝えています。
中国人のマナーや道徳心のなさが世界中で顰蹙を買っていることは言うまでもありません。同じ中国語を話しているからといって、中国人と一緒にされたくないという思いが、台湾人のなかで強まっているのです。
もちろん、台湾人のみならず、香港の若者も、中国人と同一視されたくないという風潮が強まっています。
いずれにせよ、台湾人と中国人はまったく異なる人種なのです。もちろん、中国と台湾の統一を願う外省人(戦後、中国本土からやってきた中国人)もまだまだ少なくありませんが、70年近く前に台湾に進駐してきた彼らも、その子ども、孫の世代になるにつれて「台湾人意識」が芽生え、強くなってきているのです。
台湾で「日本人の忘れ物が持ち主に戻った」ということがニュースになる背景には、「中国人と台湾人は違う」「日本人と台湾人は近い」ということを言外に示している部分もあるのです。
image by: NH / Shutterstock.com
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