トランプの仕掛けた世界貿易戦争、漁夫の利で「日本優位」な理由

 

1. 貿易戦争

しかし、米国庶民の生活は、諸外国の製品に関税を掛けてインフレにするために苦しくなるし、ホームレスの数が過去最高になっている。製造業がなくなり、サービス業中心経済になり、低賃金の就職先しかないことになっている。自殺者数も上昇し、年間4万人もいる。

このため、ドル高にして雑貨類の輸入品の価格を下げ、保護貿易にして機械類など米国産業保護分野は、輸入させないようにするようである。

保護貿易で、海外製品を米国市場から追い出すことで製造業の職を作るとしている。しかし、反対に米国製品も海外から締め出されることになる。これで職が少なくなる。その結果、世界的な貿易戦争になることが確実である。世界全体で製造の職が少なくなる方向に作用する。貿易戦争に勝者はいない。歴史の鉄則である。そのロジックもトランプ大統領は無視して感情論で保護貿易政策を推進するようである。

このため、鉄鋼アルミに関税を掛け、次に輸入自動車としているので、今後も米国の保護貿易は一層、激しくなるし、その反対に報復関税で米国製品は売れなくなる。その隙間を日本製品が埋め合わせることになるような気がする。米企業没落で、日本企業が隆盛になる。

米企業製品の品質向上や環境エコの努力がなく、日本製品はいろいろな使う人の要求を実現してきたことで、売れている。しかし、その努力がない米国製品には買い手がいなくなる。このため、自動車の排ガス規定を緩めて、他国では売れない自動車を作るようである。自国産業保護ということは、他国に輸出できないことになる。

シリコンバレーでもインド人技術者を追い出して、技術的なイノベーション力が落ちてきて、深センに負け始めている。このため、中国の先端技術開発を阻止するが、上手くいかないと思う。

しかし、単純に米国の関税UP非難はできない。カナダは、自国に入る農産物に270%の関税を掛けているし、日本も輸入農産物に高関税を掛けている。米国が二国間での不均衡を協議したいというのは、ある意味で正当な要求ではある。米国だけ率先して自由貿易にしたが、他国は保護貿易のままという不条理が存在していることが問題なのである。

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