番組では、男性の健康寿命が全国12位から2位にジャンプアップして注目の埼玉県を調べています。県庁の担当部署に聞いても、健康のための取り組みはしているけど、なぜ、急に健康寿命が延びたのかは分からくて、調査中と言います。じゃあ、本当に治安と相対関係があるか調べてみると…埼玉県の犯罪認知件数は年々増え続け2004年にピークとなったのですが、防犯に力を入れ、防犯ボランティア団体を増やしたことで、犯罪が減り始め、今はピークの1/3まで減っています。1/3ってすごいですよね。埼玉県は防犯ボランティア団体の数が全国1位です。暮らしている方々も治安がよくなり、ゴミのポイ捨てもなくなり、環境がよくなったと実感しているようです。
治安と健康との関係についてインタビューすると、治安がよくなると、外出しやすくなり、よく歩くようになるから健康になる。治安がよくなると、心配ごとがなくなり、ストレスが少なくなるから健康になる。という返答が…。で、調べると、自分の住んでいる地域は安全じゃないと思っている人は、安全だと思っている人に比べて心臓病リスクが高いという研究論文もあるとのことです。
安全と健康に関係があることは、そんなに意外ではなく、納得でしたが、印象的だったのは、埼玉県の、健康に関する担当部署の方と、防犯に関する担当部署の方が集まって話す中で、お互い、それぞれで対策をしていて、健康と防犯が関係があるとは考えてもみなかった、これからは、もっと部局の壁を超えて、解決策を考えていけたら…という職員の方の声です。ほんと、役所の縦割りには、無駄が多いな~と感じることも多いけど、AIが、そんな大人の事情に関係なく、分析をしてくれることで、役所の縦割りが少しは解消できるかも…と、また、AI分析の効果を感じました。
さらに、貧富の差が広がることと治安の悪化は密接な関係があることはっきりしていて、貧富の格差が大きいところでは、お金持ちも含めて健康寿命が短くなっているというデータもあるそうです。改めて、社会は様々な要素が絡み合ってできていて、ある部分だけをよくしようと思ってもダメで、弱い立場の人にもやさしい社会をつくることが、安心して暮らせる社会に繋がり、それが、みんなの健康寿命を長くする…というような連鎖の中にいるだと、改めて思いました。
だったら、膨れる一方の高齢者の医療費・介護費を減らそうと思ったら、高齢者に限らず、社会の中で生きにくい人を幅広く支援する予算を増やすことが一番有効的ということになります。こんな発想、いろいろな思い込みがある人間には無理で、AIの判断の方が適確で公平…。施策を考えるには、まずAIの分析…という未来も近いのかもしれません。
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