念願の初入閣を果たしたものの、野党議員から袋叩きといっても過言ではない質問攻めに遭った桜田義孝・片山さつき両大臣。一部議員が主張するように、両氏は大臣としての資質に欠けているのでしょうか。米国在住の作家・冷泉彰彦さんはメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で今回、二人の大臣に対するバッシングの「構造的な違い」を解説するとともに、彼らの資質の有無についても記しています。
大臣叩きの何が問題なのか?
桜田義孝・サイバーセキュリティ担当、五輪担当相については、国会で「パソコンは使わない」「USBってなんですか?」という衝撃の発言が世界中で話題になっています。
この大臣ですが、野党もマスコミも「この失言大魔王は近いうちに首だろう」と甘く見ているのか、あるいは話題性をもう少し消費したいと思っているのか、追及も甘いし、どこかヘラヘラした感じがあります。
その結果として、「決定的な失言」がないまま、ズルズルと在任している感じがします。このままですと、当分は大臣ポストにしがみつくのではないでしょうか?
これは大変な問題です。このような人物が大臣に居座るということは、「キーボードを叩かない高齢男性」が日本では当分の間は権力の座にとどまるだろうし、それが許されるんだということを、国の内外に宣言するようなものだからです。
それが間接的に、この国におけるブラックな組織体質を温存することになれば、日本の生産性改革などは、ズルズルと先送りされ、衰退に歯止めがかからないばかりか、衰退が加速することにもなりかねません。
対策はただ一つ。とにかく、「サイバーセキュリティ大臣」なのですから、コンピュータを真剣に初歩から学ぶことです。その上で、「スキルのある」若者の指導者に対して、スキルがない自分は徹底的に謙虚に、徹底的に真剣な姿勢で臨むことです。そうして、本当に短期間でスキルを身につけるのです。
そうすれば、日本の高齢男性も変われるんだ、日本は年齢差別を克服できるんだ、日本でも最終的にスキルのある人間がリスペクトされるんだという、希望のメッセージを発信できるのではないでしょうか?
これは今すぐ、実行していただきたいし、できない、あるいはヤル気がないのであれば即時退任していただきたいと思います。