現役教師が問う。不登校の子一人救えぬ学校の存在は正しいのか

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多くの学校が抱えている、子供の不登校問題。その原因はさまざまであり、簡単に解決できることではありませんが、ただ子どもたちが学校に「不適応を起こしている」だけなのでしょうか。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、「学校自体が社会に不適応を起こしているのではないか」とし、学校教育の現状に警鐘を鳴らしています。

学校の不適応

不登校は問題である。問題とは、解決できなくて困るということである。逆にいえば、困っていないこと、将来的にも困りが予想されないことは、問題とはいえない。

誰が困っているのか何に困っているのか

この辺りの焦点がずれると、不毛な議論になる。

子どもが学校に不適応を起こしているこれは学校から見た問題である。子どもが学校に適応できるように、どう工夫しましょうということが「問題」になる。

学校が自分子ども自身に不適応を起こしているこれは子どもから見た問題である。学校に自分は適応できるのか、またそうすべきかということが「問題」になる。

さて、見方を変えたが、もう一つ、この議論には前提となる事柄がある。それは学校の存在は正しいという大前提である。

こういう大前提を考え直そうと言うと、反発を食らいやすい。そういうことは「当たり前」のことであり、考えること自体が不快なことだからである。

学校の存在は、正しいか。正確には、現在の実際の学校教育の在り方は正しいか、である。それも、社会に対しての在り方である。

子どもが学校に不適応を起こしている以前に、学校が社会に不適応を起こしている点があるのではないか。

学校の今の教育の在り方は社会の要請に合っているといえるのか

例えば「みんなで揃えましょう」ということは、社会でどう生かされているのか。テストの点数の平均点や成績の評定は今の子どもたちが大人になる頃にどれぐらい生きるものなのか。学校教育の枠の中できっちりやれることが、変化の著しいこの時代に、逞しく生き抜く力を育むことにつながるのか。

学校教育におけるこの手の疑問を挙げていくと、枚挙に暇がない。

さて、そんな疑問を抱くのは、一部の特異な人間かというと、そうでもない。恐らく、かなり多くの人が感じてはいることである。学校の意味ないと思うことあるあるとして、お笑いやネットの悪口掲示板等のネタになることもしばしばある。しかし、特に学校関係者は、言わない。

なぜか。内部で叩かれるからである。学校における今までこうしてきた何にも勝る最強の存在価値である。

更に言うと、自己否定にもなる。ここまで積み上げてきた先人の実績を否定することにもなる。誰よりもお世話になってきた、この学校教育を否定することにもなる。

それでも、今の調子だと、子どもたちは、社会の求める姿には育たない。基本の成功ロールモデルがどうしてもやっぱり高度経済成長期のままなのである。「我慢」や「揃える」「指示通りに動く」「決められた正解を答える」等の能力は、「24時間働けますか」の時代に求められた能力なのである。

ここが変わらない限り、社会に求められている自主的で個性的な人間は残念ながら育たないと思われる(そもそも公教育というのは個性を育む場ではない、という議論は一旦脇に置いておく)。特に「天才」タイプは育たない。不適応を起こしている子どもの中には、いじめ等が原因ではなく、学校教育に意味を見出せない子どもも含まれているはずである。

だとしたら、学校現場が変わるしかない。子どもの見方一つとっても、学校の在り方は変わるはずである。

目の前の子どもは、学校教育の中の当たり前の何に苦しんでいるのか。その「当たり前」はその子どもにとって本当に必要か。例えば、そんなことを問うだけでも、変わる部分があるはずである。

できることから、地道にやっていきたい。

image by: 7maru / Shutterstock.com

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