NY在住日本人社長が出張帰国で驚いたコンビニ惣菜のクオリティ

 

話が逸れましたが。前述のタクシー運転手にしても、新幹線のサラリーマンにしても、「いい話」でした。受け売りだったとしても、聞く価値のある、評論でした。

そう、日本は、みんなみんな「語れる」のです。氾濫したサブカルチャーのおかげで、それがその人自身のオリジナリティーでなかったとしても、人前に出して恥ずかしくない、ロジックをみんな持っている。タクシーの運転手さんしかり、酔っ払いのサラリーマンしかり、「人生論」「仕事論」「死生論」「教育論」「子育て論」「結婚論」「恋愛論」「人材育成論」なんでもいい。誰もが、立派な理屈を語れます。これだけサブカルチャーが広がり、インテリな国で、格差のない(あえて、言うけど、世界に比べて格差なんてまったくないよ日本は)国だと、みんなが正論を語れます。

実は、これ、世界では稀なことなんです。北米では絶対にありえない。多種多様な人種がそれぞれの違ったカルチャーを持ち寄り、本当の意味で知識も経済も格差があるアメリカで、これだけの割合の人間が、立派な「人生論」をのきなみ語れることはありません。つまりは、日本はそれだけインテリ大国だということです。

もし、大喜利の問題で、「あなたの人生論、仕事論、恋愛論、を20分語ってください」と出せば。おそらく1億人以上が、この大喜利をクリアできる。正解なんてないし、語ることなら、多分、国民のほとんどが語れる。ニートのネットの住人なんて得意分野かもしれない。これって、すごいことなんです。世界でも稀。

ただ。もし、大喜利の次の問題で、「アメリカに渡って、メジャーリーガーになって、身長2メートルのアメリカ人が投げる160キロの豪速球をヒットにしてください。しかも年間を通して2割5分以上の確率でそれをキープし続けてください」のお題を出されたとしたら。1問目に1億人クリアしたにも関わらず、おそらく、この2問目をクリアできるのは、日本全国でひとりかふたり

僕の本業はインタビュアーです。もしどちらかにインタビューするとしたならば。1問目をクリアした1億人よりも、2問目をクリアした数人にした方が価値がある。あくまでパーセンテージの話です。どちらが人として優れている、とか、どちらの人生が素晴らしいとかの話じゃありません。単純に、絶対数のパーセンテージ上、稀なのは、インタビュー記事として、人が読みたいのは、という話です。

もちろん、1問目と2問目はまったく違う次元のナンセンスな対比。あまりに素っ頓狂な屁理屈だと自覚します。わかりやすくするために、バカみたいな例え話をしたまでです。つまり、今の日本では、もう、立派な理屈だけの「言葉によるブランディング」はもう、無理だということ。

自分が話す正論は間違いなく、世界一正しく感じるはず。なぜなら自分がそう思って、話しているから。でも、お隣の席に座っている方も同様です。なので、後は、もう体現するしかない。口頭だけの自己申告によるブランディングは通用しない。実際に、動いて、行動するしかない

大変そうに聞こえるかもしれませんが、ひとつだけラッキーなのは、今の日本、失敗しても、命までは奪われない、という事実です。なので、行動しよう。無意識に頭にストックしているありがたい正論を叫ぶより、動いてみよう。たぶん、そんなことを考えて、最初の本を書いたのだと思います。

東京での1週間を終え、次はロサンゼルスに戻りました。

image by: SkyImages / Shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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