探偵が告発。山梨「女子中学生髪切り事件」の信じ難い情報漏えい

 

教育委員の情報漏洩問題

一方で、特別職にあたる教育委員から情報が漏洩したという問題も発覚した。私は、独自のルートを使い、この漏洩した現物を入手した。

内容は情報漏洩でもあるが、ほとんどがデマの類であるため、ここで全ての公開は控えるが、一部分、公開しよう。

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これはFacebookへの投稿であった。

当時、教育委員であった人物がその配偶者に事件の具体的な内容を伝えていたばかりか、それをその配偶者がFacebookに投稿したというわけだ。

投稿の閲覧は多くされており、これを見た一部の閲覧者から、公職で得た情報を誰でも見ることができるSNSで公開してしまうのは問題ではないかと指摘があったそうだ。

実はこの教育委員は被害家族から近い存在であり顔見知りでもあった。もしかすると、教育委員という仕事が公の仕事であるという認識が薄かったのかもしれないが、この問題は2019年11月になってから発覚したように錯覚している人も多いだろう。

しかし、そうではないのだ。それはマスメディアが情報を掴んだのがこの11月であったに過ぎないのだ。

現職中に隠蔽

実は、この漏洩問題は、漏洩した翌日には発覚し、市役所内でも知られることになっていたのだ。下記の写真は被害者側が、開示請求によって入手した山梨市断髪事件の対応記録である。

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記録には、30年・2月・10日・9時34分に、被害者母親からの電話を教育委員会の指導主事が受け、教育委員の身内が、ネットワーク(SNSのこと)に悪口や調査の進展を書き込んだとあり、これを、教育長に報告とある。

この情報漏洩問題は、報道各社が、2019年11月に入り、取材を繰り返しているが、その多くを見る限り、教育長などは知らないという態度であるし、最近になって、この問題となった投稿画面を入手したと話しているが、それはいわゆる隠蔽の一種なのである。

理由は前述の通り。

投稿翌日には教育委員会に通告があって、これを教育長に報告と記録されていたのであり、いくらでも対応する機会はあったのだ。ところが、この件は、教育委員が退任してからマスメディアに情報を握られてから問題になるのである。

そもそも現職中にこの情報漏洩についてきちんと対処していれば、公務員(特別職)であれば、処罰の対象となろう。

ところが、これは現職中は問題とならず、この教育委員らが退任後に問題となった。山梨市の公務員、特に特別職の場合は退任後の規定は特に設けられていないということであった。

仮に在職中であっても、「職務の内外を問わず公職上の信用を失うべき行為があったとき」、「懲戒の処分は免職500円以下の過怠金およびけん責とする」程度の規定しかない。逃げ得公務員とはよく言ったものだ、過怠金500円って一体どういうことなのだろう。子どもの小遣い程度の責任だということなのだ!

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