美人アナリストが解説。マクドナルドが驚異のV字回復できた理由

 

 気づきからの改善

2015年以降、店舗を“モダン化”する計画を打ち出して推し進めてきたマクドナルド。改装は顧客に対してのイメージアップにつながります。消費者に商品の安全性を印象付け、今までとは変わったことをアピールするには、店舗改装は効果的でした。客足と信頼関係も戻り、業績が好転。その後は、顧客から商品名を募集する「名前募集バーガー」の企画を打ち出し、2日で100万件の応募があったほどの大人気となりました。また、ポケモンGOとのコラボにより来店者数を増加させるなど、顧客を巻き込みながら、楽しいマクドナルドの復活となったのです。

過去最高益の営業利益を達成

マクドナルドは2月13日、2020年12月期の営業利益の見通しを290億円と発表しました。11年12月期以来の9年ぶりの営業最高益の予想になります。配当も2019年12月期の期末配を3円増配し、33円にすることも発表しています。また、2011年は店舗数が3298で、1店舗平均の売上高が約1.6億円でしたが、直近は1店舗平均が約1.9億円と1店舗あたりの収益力も高まっているのです。

さらに、最近の施策としては、顧客のニーズに寄り添った快適な店舗体験を提供する「未来型店舗体験」の導入があります。

「おもてなしリーダー」の配置
 接客に特化した従業員が来店から退店するまでのおもてなしを専門に行うサービス
「テーブルデリバリー」
 注文カウンターで支払いが終了した後、商品を席まで届けてくれるサービス

shutterstock_1374210095image by: NP27 / shutterstock

そして、マクドナルドが次に目指すもの

2019年12月期の決算説明会で、代表取締役社長兼CEO日色 保氏は今後の強化ポイントはデリバリーだと述べました。

「デリバリー分野はまだまだ成長可能性のある分野でここを拡大させる」
「現在は自社のデリバリーとウーバーイーツーへの外部委託を行っているが、この部分の拡大を進めていくことで、自宅・オフィスなどの需要も積極的に取り込んでいく」(日色保氏)

などと述べています。また。マクドナルドは、スマホアプリを使って注文・決済ができる「モバイルオーダー」を2020年1月末に全国展開を完了しています。「モバイルオーダー」は来店前にスマートフォンのアプリで商品のご注文を完了することができ、来店時にできたての商品をピックアップできます。注文の際にゆっくりと時間をかけてバーガーを選べる、店舗での注文の列に並ばずスピーディに商品を受け取れるなど利便性に優れた満足度の高いサービスです。

前述の「テーブルデリバリー」と「モバイルオーダー」を合わせて利用すれば、快適な時間を店舗で過ごすことができます。

今期はこれらの“便利機能”を使う顧客の増加から、マクドナルドへの客足がさらに伸びそうです。店舗の改装により空間を充実させつつ、快適に空間を過ごすサービスを続けてきているマクドナルドの1店舗当たりの売上高が高まってきているのは納得です。スマートフォンによる事前注文は顧客の満足度を高めるだけでなく、商品販売の回転率を高めることができ、店舗の収益力のアップに繋がります。

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