美人アナリストも驚く好業績!キャンドゥはコロナ禍で何を売った?

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新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの企業がダメージを受けました。一方で、業績をアップさせた企業もあります。その中で、株式アナリストとして個別銘柄・市況の分析を行う馬渕磨理子さんが注目したのは、100円ショップの『キャンドゥ』。株価も上昇しているといいます。コロナ禍の中で、キャンドゥが取った戦略、そしてどんな商品が売れたのでしょうか? 馬渕さんが解説していきます。

プロフィール:馬渕 磨理子(まぶち・まりこ)
京都大学公共政策大学院、修士過程を修了。フィスコ企業リサーチレポーターとして、個別銘柄の分析を行う。認定テクニカルアナリスト(CMTA®)。全国各地で登壇、日経CNBC出演、プレジデント、SPA!など多数メディア掲載の実績を持つ。また、ベンチャー企業でマーケティング・未上場企業のアナリスト業務を担当するパラレルキャリア。大学時代は国際政治学を専攻し、ミス同志社を受賞。
Twitter https://twitter.com/marikomabuchi

100円ショップ『キャンドゥ』の4倍返し

新型コロナウイルスの感染拡大により、マスクやウェットティッシュなどの衛生商品は品不足となりましたが、そこで需要を獲得したのが100円ショップです。中でも、キャンドゥの株価はコロナ以前よりも高くなっています。

3月の底値1411円から、直近の高値2569円まで(1158円幅)上昇。コロナ以前の下落幅でみると、2月10日の1684円からの下落→3月13日の底値1411円(273円幅)の下落となっていますので、コロナ禍の中で、『4.2倍返し』となっているのです。

また、キャンドゥは7月13日に業績上方修正を出しています。2020年11月期の売上高を前期比4.2%増の737億5000万円→743億円へ、営業利益を同22.4%増の12億円→14億6000万円へ、純利益を同29%増の2億3000万円→4億2000万円へ上方修正しました。

純利益はもともと2億3000万円の29%減を見込んでいた従来の予想から一転して、増益見通しとなっている点も好感材料となっています。コロナショックによるダメージを受けている企業が多いなかで、上方修正を出すことができる、キャンドゥの強みを見ていきましょう。

「ピンチをチャンス」に変え、売上高を伸ばす

既存店売上高の推移を見てみると、20年2月(109.6%)、3月(98.8%)、4月(105.2%)、5月(113.0%)となっています。3月は100%を割り込む時期もありましたが、4月、5月は前年同月比を上回りました。

キャンドゥ_図1

(決算説明資料より)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、緊急事態宣言が発令された期間内において、外出や県を跨いだ移動の自粛による大都市店舗の売上減少や、テナントとして入る商業施設の休業や営業時間の短縮、新規出店時期の延期などの減少要因も当然あったようです。

しかし、そのタイミングで需要が高まった、衛生関連商品等の販売を強化するとともに、生活必需品の継続供給に努めた結果、業績計画をやや上回る結果で推移しています。

まさに、「ピンチをチャンス」に変えることができたのです。

利益面でも、一部の商業施設が休業したことによって、本来発生するはずだった、水道光熱費や賃料などの固定費が減少したことなどから、販売費及び一般管理費は想定を下回り、営業利益、経常利益並びに親会社株主に帰属する四半期純利益について当初予想を上回りました。

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