地元で大怪我し引退。元関脇・嘉風「4億8千万賠償しろ」への違和感

 

嘉風側の怒りは相当に大きい?

地方の県出身の力士が快進撃を見せて優勝争いに絡んだときは地元は大騒ぎになる。最近でいうと富山県出身の朝乃山が幕内優勝を果たした時は「地元が大騒ぎになっていること」も大きくメディアで取り上げられた。大分県佐伯市出身の嘉風もたくさんの地元の人に応援されており、自治体からもいろいろとサポートを受けてきたはずである。地元とのつながりが深い力士がこれだけ高額な損害賠償金を求めて提訴するというのは異例なことである。日本のスポーツ界の中ではあまり聞いたことが無い系統の話になる。

「大怪我によって力士生命が絶たれた」と言えるのは間違いないが引退当時は37歳。いつ現役を退いてもおかしくない年齢である。渓流で怪我をすることなく現役を続けていたら、その後も、それなりの額の収入を手にすることは出来ただろう。現役力士ということでメディアなどに取り上げられて副収入もある程度は得られたと思うが4億8,000万円というのはさすがに高額である。全面的に嘉風側の訴えが認められた場合は佐伯市が中心になって支払うことになると思うが結局のところは市民の税金で支払うことになる。

なので、市長を含めた当事者のみならず、佐伯市民の中にも違和感を覚える人は少なくないと思われる。引退から1年以上が経過しており、和解が成立しなかったが故の行動だと思うが、「地元との関係が大きくこじれることを覚悟した上での訴え」になる。「そうまでして佐伯市を訴えるということはそれ相応の理由が嘉風側にあるのだろう」という見方も出来る。専門家ではないのでどのぐらいの額が適切なのか?は分からないが「法外な額」であることは明らかであり、嘉風側の怒りは相当に大きいのだろうとも推測できる。

誰も同情はしないだろう。

相撲の世界はかなり特殊なのでプロ野球やJリーグと単純に比較することはできないが仮にプロ野球選手やJリーガーがシーズン中に渓流下りをして膝を痛めて欠場することになったり、それが理由で現役引退を決断するようなことになったとしても誰も同情はしないだろう。スキーやスノーボードなども「一般人が怪我をしやすいスポーツ(レクレーション)」と言えるが「プロ野球選手やJリーガーがそういう競技が原因で怪我をしてしまった」とはほぼ聞かない話である(海外の選手を含めるとそういう話は稀に聞くが…)。

print
いま読まれてます

  • 地元で大怪我し引退。元関脇・嘉風「4億8千万賠償しろ」への違和感
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け