バイデン政権の駐日大使候補「日系アメリカ人」に日本が期待するワケ

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次期アメリカ大統領となるバイデン氏の閣僚人事に注目が集まる中、日本政府の最大の関心事は「駐日大使」候補ではないでしょうか。かつてキャロライン・ケネディ氏が菅総理とバイデン氏を繋いだこともあり、次期駐日大使が誰になるかは日本にとって大きな問題です。メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんは、最有力候補として名前があがっているグレン・フクシマ氏という日系アメリカ人の人物像を紹介。フクシマ氏が就任することによる日本のメリットを解説しています。

初の“日系アメリカ人”駐日大使誕生への期待

ぶっちゃけ、バイデン次期大統領の閣僚人事が注目を集めている。

国務長官から始まり、国防長官や商務長官、運輸長官など、主要閣僚にオバマ政権時代の気心の知れた専門家や黒人、ヒスパニック系、中国系、同性愛者など、「人種のるつぼ」や「多様な価値観」を象徴するような顔触れを指名し、トランプ政権とは一線を画す陣容になるに違いない。

そんな中、主要国に赴任する大使の人選も着々と進んでいるようだ。

従来、大使のポストは大統領選挙においての貢献度、特に資金調達面での論功行賞の色合いが濃厚であった。

今回も、英国や中国に赴く大使の候補としてはハリウッドの映画産業界やカリフォルニアやニューヨークの金融IT業界をまとめた経営者の名前が取り沙汰されている。

日本にとっては、キャロライン・ケネディ元駐日大使が菅総理とバイデン次期大統領との縁結びの役割を果たしたこともあり、次期駐日大使が誰になるのか大いに気になるところであろう。

現時点での最有力候補はグレン・フクシマ氏である。

日系3世で、日本語も読み書きはもちろんコミュニケーション能力は抜群だ。

政治、経済、分野を問わず、日米関係に携わっている人々の間で、彼のことを知らない人はいないだろう。

通商代表部(USTR)で長年、日本と中国を担当し、その後は民間企業で活躍してきた。

在日米商工会議所の会頭を2期務め、日米間の通商問題の調整役としても実力を発揮。

今回の大統領選挙でもバイデン陣営の対外政策検討チームに加わり、新政権の対アジア、特に、対中、対日政策の骨格作りに尽力してきた。

これまでアメリカでは駐中国大使には中国系アメリカ人、駐韓国大使には朝鮮系アメリカ人、駐インド大使にはインド系アメリカ人を任命した歴史があるが、日本に日系アメリカ人を大使として送り込んだことはない。

その意味でも、バイデン新大統領がグレン・フクシマ氏を駐日大使に指名すれば、日米関係に新たな1ページが刻まれることになるだろう。

一方、トランプ大統領は相変わらず、敗北を認めず、来る1月6日には首都ワシントンで大規模な「不正選挙糾弾」デモを呼びかけている。

また、1月20日の新大統領就任式に合わせて、「4年後の大統領カムバック」集会も計画中という。

ぶっちゃけ、分裂、分断国家の様相を呈しているアメリカの外交は前途多難だ。

その意味では、日米関係の手綱さばきが生殺与奪を決することになるため、フクシマ大使誕生を大いに期待する所以である。

image by:lev radin / Shutterstock.com

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